IT系の記事を書かないITエンジニアの管理人です。
Ace Frehleyが亡くなってしまった・・・。
心よりご冥福をお祈りします。
今回は管理人なりの追悼という事で、KISS脱退後のアルバムをレビュー。
※EPとかカバーアルバムとかは除く。
レビュー内容は個人的な主観となっておりますので、予めご了承下さい。
- Frehley's Comet -1987-
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ソロ名義でタイトルが『Frehley's Comet』なのか、Frehley's Cometというバンド名義なのか、今ひとつ良く解らないKISS脱退後の1枚目。個人的にはソロとして扱われる事が多いという印象だが、ソロバンド?なんて話もあったりする様で、"もうどーでも良くね?"になっている管理人であります。本作は典型的な80年代のHR/HMという感じだが、メロディアスでキャッチーな楽曲が秀逸な高水準の傑作。10曲中6曲はAce、3曲はTod Howarth(gt,vo)が歌っており、1曲はインストという構成。楽曲は基本的にAceだが、"Into the Night"はRuss Ballard、"Something Moved"はTod、"Calling to You"はTodが在籍した707の"Mega Force"の再録。Aceが中心ではあるがワンマンという感じはなく、バラエティに富んだ内容が上手く纏っている侮れない1枚である。
- Second Sighting -1988-
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Frehley's Comet名義のKISS脱退後2枚目。前作と同様に80年代という感じではあるのだが、"AceとTodのアルバムの様な仕上がりになった"とAce本人が語っていた様に、Tod Howarthの貢献が大きい本作。本作制作時はツアー直後でAceは新しい曲があまりなかった模様。一方でTodはたくさん曲を書いており、時間も限られていたという事情もあり半分はTodに歌わせたらしい。更にレコーディング中、Aceは体調を崩しており、本来関わるべき部分まで関われなかったとの事。ファンが求めるのはAceな訳で、評判が良くなかったというのも頷ける話ではある。だが本作の内容は決して悪くない。半分を占めるTodの楽曲はメロディアスでフックのある良曲ばかりだし、Aceのキャッチーさも随所に感じる事ができる。ポップ寄りな印象である事は否めないが、水準の高い好盤である。
- Trouble Walkin' -1989-
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Ace Frehley名義のKISS脱退後3作目。所属レーベルが作詞と作曲、リードヴォーカルの全てをAceにする事にしたなどの事情によりTod Howarthが脱退し、Richie Scarlet(gt,vo)が加入。元々Richieが脱退して加入したのがTodだったので正確には復帰である。さて本作だが、純度100%!ハード&キャッチー!Ace流のロックが炸裂する傑作となっている。ファン歓喜!これは納得の1枚でしょう。数々の名曲を生み出した全盛期のKISSにおいて、Aceが重要な要だった事が良く解る。Aceはカバーの選曲センスも抜群だが、"Do Ya"はJeff Lynneの曲で、元々はThe Move、後にElectric Light Orchestraでリメイクされた楽曲。
"Hide Your Heart"はPaul StanleyとDesmond Childによる楽曲で、KISSの『Hot in The Shade』にも収録されている。元々Bonnie Tylerに提供された曲だったと思うんだけど、Molly Hatchet、Robin Beckのヴァージョンもあり、聴き比べてみるのも面白い。管理人的には本作がAceの最高傑作である。
- Anomaly -2009-
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90年代後半のKISSへの復帰などを経てリリースした、20年振りのソロ活動復帰作。モダンなサウンドとクラシックなフィーリングを絶妙なバランスで融合し、Ace流ロックをアップデート。初めてドロップDチューニングでレコーディングしたり、音に厚みを加える為に7弦ギターを使用したりと、本作は新たな一歩を踏み出す意欲作という印象。楽曲は基本的にAceだが、"Fox on the Run"はSweet、"Outer Space"はShredmillのカバーである。ヘヴィなアプローチもあるが、軽快なポップ寄り、アコースティック基調で内省的なアプローチなどもあり、バラエティに富んでいるのだが、個人的にはやや統一感に欠ける印象がある。ヘヴィにロックする"Foxy & Free"や"Outer Space"などは素直に格好良いと思うので、全体をこのアプローチで統一してくれたら良かったのにと思ったりする。しかしながら、本作が過去作の焼き直しになっていない事は素直に評価したい。
- Space Invader -2014-
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前作から5年振りとなった、ソロ活動復帰2作目。キャッチーなアメリカンロック、骨太な70年代ロックのエッセンス、捻りの効いたポップネスなど、Ace流ロックのフルコースと言った感じの本作。前作は楽曲の方向性のバラつきが目立ち、今ひとつ統一感に欠けるという感じだったが、本作はバラエティに富みながら上手く纏っている印象。楽曲も粒揃いで、隙の無い高品質な傑作ではあるのだが、刺激が薄いというのが個人的な感想。安定しているので安心して聴けるのだが、面白味に欠けるといったところか。Aceのファンにとっては極上なのかも知れないが、少なくとも最初に聴くアルバムではないかなぁ。因みに"The Joker"はSteve Miller Bandのカバー。アートワークはKISSの『Destroyer』や『Love Gun』、Rainbowの『Rising』などを描いたKen Kellyである。
- Spaceman -2018-
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カバーアルバム『Origins Vol.1』を挟み、オリジナルのアルバムとしては4年振りの本作。ソロ活動40周年と言う事もあり、当初はタイトルを『40 Years Later』にするつもりだったらしいのだが、Gene Simonsの提案で『Spaceman』になったんだとか。"Spaceman"はKISS時代の公式ペルソナだが、何はともあれ直球のタイトルである。本作は懐古主義的な色合いが強く初期KISSを彷彿させるが、感触はまさにあの頃と言う感じ。Aceのギターも往年のアプローチに戻った様に聴こえるのは気のせいだろうか。"Without You I'm Nothing"と"Your Wish Is My Command"はGeneとの共作曲。"Rockin' with the Boys"のコーラスは70年代のアイディアらしい。カバー曲の"I Wanna Go Back"はEddie Moneyのヒット曲だが、Aceは相変わらず選曲センスが良いね。
- 10,000 Volts-2024-
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2枚目のカバーアルバム『Origins Vol.2』を挟んで、オリジナルのアルバムとしては6年振り。"過去作との最大の違いはSteveとコラボレーションした事"というAceのコメントが全てを表していると言って良い。SteveとはTrixter、Tokyo Motor FistのSteve Brown(gt)の事で、共同プロデューサー兼ソングライターとして本作に大きく貢献している。 Steveは本作について、"Aceのオールラウンドなソングライティングの最高傑作"とコメントしているのだが、本作の1番のポイントは楽曲の充実度だろう。この聴き馴染みの良いポップネスはSteveとのケミストリーから生まれたものだと思うのだが、Aceの新たな魅力を引き出す事に成功しており、これまでとは一味も二味も違うソリッドでクールなアルバムに仕上がっている。残念ながら本作が生前最後のアルバムとなってしまった・・・。
Aceよ安らかに・・・。
それでは皆様、良いメタルライフを!