鞭について、許せないことが2つあります。
1つは、何を使って叩けば効くのか、親同士で情報交換していたことです。
やれ布団たたきがいいとか、電線がいいとか、そんな話をお母さん姉妹たちや、時にはお父さん兄弟も交じって話していました。
一時期父の研究司会をしていた兄弟は「鉄芯の入った安全靴で尻を蹴り上げればいい」と言っていました。
子どもを痛めつける道具について嬉々として話し合う親、異常ですね。
許せないことのもう1つは、泣き止まないとまた鞭をされることです。
弟たちとは2、3歳離れているのですが、鞭の時の様子はかすかに記憶があります。
妹とは10歳以上離れているので、妹のころのことはよく覚えています。
母から「泣かない!」ってよく怒鳴られていました。
まだ学校に行くか行かないかの子どもが、叩かれて泣くなとか、当時から本当に意味がわかりませんでした。
「カルトの子」の著者である米本氏は聡子というエホバの証人1世への取材でこんな話を聞いたそうです。
子どもは叩かれれば泣く。泣けばふつうの親なら叩くのをやめる。聡子たちはそうではなかった。
「当時の長老は『泣く、ということは悔い改めていない、反抗の表れだ。泣くのをやめるまで叩きなさい』と教え諭した。それで私もそうした。」
今思えばふざけるなって言いたいですね。
拷問ですよ。
自分の体験で最近思い出したことがあります。
鞭を受けて泣きまくって、ひっくひっくというしゃっくりみたいな呼吸が止まらなくなることがありました。
過呼吸というのでしょうか。
そのうち頭がボーッとして、記憶も途切れ途切れになりました。
畳の部屋の真ん中にいた記憶があるのに、次は窓際にいて、その間自分で移動した記憶がないのです。
そのうち泣き疲れて寝てしまいます。
息ができなくて苦しいのですが、鞭の痛みもなぜ叩かれたかも忘れるくらい頭がボーッとなってて、逆にそれが変に気持ちよかったです。
それを思い出しました。
「カルトの子」の本にはこんなことも書いてありました。
エホバの証人の虐待のことを調査した服部雄一は、こう分析する。
「エホバの証人の子どもは、子どもらしく振舞った時に叩かれているんですよ。(後略)」
服部氏はセラピストで、「エホバの証人と児童虐待」という論文を書かれているそうです。
未発表論文らしいので一般人は見られないのかもしれませんが、20年以上も前にエホバの証人の鞭が児童虐待と認識され、そういう調査がされていたんですね。
論文の内容が気になります。