ことし3回目は昨年ご紹介した読者参加の記事
「1308 :読者の方の力作紹介 (UEB-5261使用単一指向性マイク) 」
の続編として山口 様に再びご登場いただきます。
単一指向性コンデンサ・マイクのクラフト・ポイントをよく押さえたマイクですのでクラシック録音で大変素晴らしい結果を残されています。
今回の記事はご本人におまかせしてShinは正月ボケを決め込むことにしました。
(以下ご本人による記事となります) Shin
昨年2月にアンサンブル自由が丘の定期演奏会の録音の模様を紹介させていただきました。追加報告として2001年夏に設立されたEnsemble Wits 第12回定期演奏会(2013年11月10日)の録音の模様を紹介します。
今回の報告テーマは
(1) “フォーリーフのUEB-5261カプセルをノイトリックのフォーンプラグ(NP2X)に組み込んだ単一指向性マイク”の補助マイクの活躍の模様(YouTube紹介)
(2)単一指向性マイクロフォンの床からの振動を吸収するマイクサスペンション
クラッシック録音は、吊のマイクのみによるワンポイントマイク録音が基本です。
Ensemble Witsの定期演奏は、弦楽四重奏から70名のオーケストラまでのまさに軽自動車からリムジンまでに編成の異なるものでした。吊のマイクのみのワンポイントマイク録音では限界がありました。
Shinさんの紹介による小型単一指向性マイクを補助マイクとして使うことで、広いダイナミックレンジを十分カバーすることができました。
下図はプレステージから第1部の白鳥の湖抜粋までの録音波形です。
プレステージ ブリテン・シンプルシンフォニー
チャイコフスキー・バレエ「白鳥の湖」より抜粋
ステージに補助マイクを置いても目立たず演奏の雰囲気を壊すことがありません。
ブリテンのシンプルシンフォニーは、ヴァイオリンとビオラのピチカートを如何に綺麗に録音できるか、FM放送に携わるクラッシック録音番組の技術の方から補助マイクを加えての録音は素晴らしいとコメントをもらったときは嬉しかったです。
(YouTube URL)
ベートーベン
弦楽四重奏曲第1番より第1楽章
シンプルシンフォニー
Shinさんの記事には単一指向性は一筋縄では行かないと良くブログに書かれています。
単一指向性マイクは無指向性マイクに比べて10数dBも振動やハンドリングのノイズに弱いことを現場で改めて知ります。指揮者の足音をマイクスタンドからの振動としてマイクが拾ってしまわないようにいかに工夫するかが鍵になります。
舞台指揮者の直ぐそばに置かれた補助マイクは指揮者が通るたびに振動のノイズが拍手と一緒に録音されてしまいます。(下図は左右の録音波形です。指揮者が下手から中央に移動すると向かって左の補助マイクが歩いたときの振動ノイズを拾った波形です)
この振動ノイズを抑えることができるのがマイクサスペンションです。本格的なものはかなり高価であり、残念ながら探した限りでは今回の補助マイクにはそのままでは使えません。そこで見つけたのが ニトリルゴム(NBR発泡体)とよばれるiteck社から発売されているスポンジカバー(¥90円程度)です。
半田ごてと真鍮パイプの加工ができれば30分で簡単にマイクサスペンションが完成できます。
ニトリルゴムはとても手触りが柔らかで振動を吸収するのに優れておりとても素晴らしいサスペンションが出来上がりました。
(お知らせ)
fetⅡ、fetⅡi、fet3など、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください (オリジナル・パーツで製作) (Shin)
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