製作難易度 ★★★
トランス不使用の ファンタム動作電子式平衡出力回路のコンデンサマイク(ECM)を考えた場合、ありとあらゆる方式が頭に浮かび楽しい。
DIRECT-3 マイクロホンに向かって「あー」を発声入力したオシロ波形。
上:GND~②
下:GND~③
文句なしの平衡波形だ。
ただし(②~③間にプローブをあてても合成波形は観測できません)
このファンタム動作コンデンサマイク平衡出力の方式、については
Shinの経験では「単純に考えるが吉」 という法則があるようです。
反対にOP-AMP回路を駆使した考えすぎたに回路に足をつっこむほど現実性と実用性、そして「音の面白さ」から遠ざかっていく事を味わっています。
「シンプル・イズ・ザ・ベスト」という言葉はマイク設計者も口にする。
「大きさ」というハードルをどんな方法で乗り越えるかが腕のみせどころだからでしょう。
私の「ファンタム式パナ改マイク」についてよくこんなご指摘を受けます。
http://ameblo.jp/shin-aiai/image-10465233115-10466136991.html
「これ、差動回路でもなんでもないよ」と読者の方からのご意見だ。
よく見てほしい、この差動回路はとんでもなくデカイことを・・・・・
伝送回路・卓入力回路という遠方まで含んだ途方もない回路構成をしているので「変な回路」に見えるだけだ、これを「インピーダンス・バランス方式」と呼ぶ。
マイクロホンメーカー各社も電子式平衡回路はOP-AMP路線は避け、ディスクリート回路が主に用いられている。
その中でも現在は「インピーダンス・バランス方式」がスタンダードになりつつある。
そういう誤解とは一線を画す目的で「DIRECT‐Ⅱ 」の改良版を考えたが・・・
「この回路、非対称だね」と友人から突っ込まれ、それでエンジンがかかった。
従来の「DirectⅠ・Ⅱ」の回路にこだわらずもう一度「抵抗・コンデンサ」による回路を1から考えて試作、SN比の一段と優れたものが出来たので喜んだのもつかの間。
すぐ回路変更~実モニター~波形観測へ 数時間後には素晴らしい結果が出たたため友人に「出来たヨ !」と連絡した。
「C・R平衡型」はECM内臓FETのみを唯一のアクティブ・デバイスとする省部品でこのような単純な回路であっけなく完成した。
DIRECT-3
fet Ⅱ(New)などShinさん共通デザインです。
(音)DIRECT-I・Ⅱまでに見られたどこか「コンデンサのリーク雑音のようなランダムノイズが不安なことは一切なく、たとえばfetⅡとは同一の音を狙った。
(基板)
(30分もあれば楽々完成する)
このとおり抵抗とコンデンサ以外になんにもないのが特徴です。
WM-61Aの高感度、-35dBという高出力が支えになっていますのでどんなECMカプセルでもうまくいくとは限りません。
(動作)
ちょうど真空管のP-P回路の「P-K分割」のような位相反転を行い、②~③間から合成信号を出力させる、という仕掛けです。
出力インピーダンスは1.2kΩとやや高いことが気になるが同クラスの抵抗を出力側にパラに入れることでレベルは約3dB落ちるが遠距離伝送も問題なくなるのでおすすめです。
使用コンデンサで音が変わりますのでBP(無極性)ケミコンにこだわらずお手持ちのコンデンサを含め何でも試してほしい。(耐圧と極性だけは注意して)
以上
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