※ この記事は公開から13年以上経過していることにご留意ください。
2024年追記
製作難易度 ★★★★ お役立ち度 ★★★★★
あの高性能バウンダリーマイクロホン「BLM-fet Dual」 が黒色パンチングメタルのマイクヘッド部を持つヘビーデューティなBLMとして戻ってきました
このパフォーマンスは演劇収音だけでなく究極的PAシチュエーションで救世主となりうる、また想像外の指向特性と耐ハウリング性能を持つためマイクセッティング出来ない場所の音を見事に高品位で収音してくれるリリーフ・エースだ。
(前モデルへのリンク) http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10780462136.html
前モデルでは前方200個、後方200個の小穴を手作業(ミニルータ)で揃えて開ける、2台ペアではトータル800個という気の遠くなるような「ゾッとするような作業だがガタガタに並んだ無数の穴、従って仕上がりはイマイチだ。
しかしその音に触れたとき、そんな苦労はいっぺんに吹っ飛んだ。
そんな魅力にあふれたBLM-fet Dual は海外製定番バウンダリーをはるかに超える素敵なBLMとして実績を知らず知らずのうちに踏んでいたが今回、製作の依頼があり何とかせねばならない。
今回、パンチングメタルの採用によって手作業による無数の穴あけから開放され、顔の表情がそろった。
【旧モデルとの性能差】
PA音比較、ヘッドホン音比較とも新旧モデルに音の違いはない事を確認した。
2012.11.20 Shin
【製作】
ECMカプセルは山形に工場を持つ名カプセルメーカーであるフォーリーフ社 のUEB-5361と5261だ。
おだやかなプレゼンスピークを持ちPA用としては絶品のUEB-5361とあくまでもフラットな5261の両カプセルを切り替え使用できる「夢のBLM」 、それが「BLM-fet Dual」だ。
※ケース材料
・台座(タカチ MX2-10-11BB=薄型アルミケース 110×99×16)
・マイクヘッド部(タカチ SW-90)
・ミニXLR(ピンレセプタクル(オス)3Pin M-XL-3-14)
・1mmアルミ黒色パンチングメタル(あきばエスエス無線や東急ハンズ・ホームセンターなど)
※ふりかえると
前モデル挑戦時このマイクのフォルムはPCC-160を一旦、できる限り把握し、見習うべきは見習い、形状・音質・指向性・ハウリングマージンに至る試験検討の上これを上回るものを目標に、夢中でした。
PCC-160の実寸紙模型を製作し、頭の中で絶えずこれを超えるシミュレーションを何遍も・何遍も繰り返した経緯があります。
※適正な重量
「軽ければよい」ならば「靴拭きのスポンジ」など理想的重量と言えるのか?、中途半端に軽いモノは実にイヤなものだ、道具には「適正重量」が欠かせない。
発泡スチロール性の「コンクリートのかたまりやブロック」なども人間の感覚を逆なでする違和感を感ずる。
「適正な重量」、その意味ではPCC-160は実に良くできている。
※重量調整
重量調整に使ったキャンドゥの「ストレッチウェイト」・・・中身は酸化鉄クズの顆粒。
キッチンはかりで確認中、(326gを指している)
PCC-160同一重量326gになるよう鉄クズ顆粒量を調整(手前のポリ袋入り)
(ちなみにこのマイク、ウェイトなしでは120gだ、持ち上げてみると気持ち悪いだけでなく、知らない間に動いたり、向きが変わっていたりセッティング上の問題も生じるだろう。
※デッドニング
またアルミ製薄ケース(台座)の共振も生じ、音質的デメリットも生じてしまうだろう、その薄ケースは中に酸化鉄顆粒を詰め込むことにより強力にデッドニングされ、「鳴き」は微塵もない。
※製作中のマイクヘッド部 (台座の中にウェイトを入れている)
厚目のポリ袋に入れ台座の中に納めた、ミニキャノン受け側は自己融着テープで露出部を塞いで万一のショートを防いだ。
(この鉄クズ顆粒は酸化皮膜に覆われ、1粒単位で皮膜を剥がさなければ何と「絶縁体」であった。)
マイクカプセルは左φ10のUEB5261 右、φ14(13.7)のUEB-5361を防振して取り付けてある。
基板は従来からの「ファンタム式パナ改」・fetシリーズと殆ど同じ。
※ φ10(UEB-5261)およびφ14(UEB-5361)の切り替えSW部
これにより優れたハウリングマージンの14φ=PA向きとあくまでフラットなレコーディングUSEの10φとを切り替え使用できる。
このマイクの性能・特徴は昨年の「1108:バウンダリーマイク 「BLM-fet Dual」の試作」にて詳細をご案内しております。
http://ameblo.jp/shin-aiai/entry-10780462136.html
ぜひ上記の前モデルの記事を参照しながら今回の記事をご活用くださるようお願いいたします。
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