製作難易度 ★★★★★
OEB-1451 に目をつけました、近接効果の低域盛り上がりはUEB-5361に比較し、おとなしい特性ですが、オフマイク特性が素晴らしい為、クラシックのワンポイント収音では申し分ない実力を発揮してくれます。
これはガンマイク用のカプセルですが「オムニ単一」という指向性を持つカプセルです。
低域・中域・高域では正面/背面の感度比が‐2~4dB程度で推移し、10KHZ以上では‐10dB程度と、逆に大きくなる。
普通の単一指向性なら2KHZあたりで20dB~30dBの背面比をピークに低・高方向にゆるくなる「V字カーブ」を描くがこの場合は背面感度は正面感度と平行して推移している。つまり「両指向性マイクの片側の感度をやや落としたような特性です。
☆ オフマイク適正をなど、評価中でしたが、この独特な指向特性の為か反射音を含めたオフ特性はなかなか美味しいものがあり、海外製高級マイクとの比較でも負けないポテンシャルを持っているようです。
ここではケースを含めた「単一指向性マイク作り」のプロセスをすべてご覧いただくことに致します。
【短小マイク、fet-uⅢを作るゾ】
フォーリーフ の14φシリーズはどれでも同じ工作方法が適用できますので他のカプセルで製作したり、「fet-uⅠ」 にチャレンジされるのも良いと思います。
1年前ご紹介した「fet-uⅠ」 の使い勝手のよさは全長5cmという短小サイズにも関わらずAKG C-451互換としてあらゆる場で使えることにあります。
fet-uⅠに使ったUEB-5361 はやはり多くの方が高い評価をされています。
マイクロホンはジャンルによって、またオンマイクにフィットするマイクが必ずしもオフマイクでも気に入った表情を見せるとは限りません、その逆もしかり。
また大口径には期待するものの、構造限界があります。
極めて小口径無指向性マイクの圧倒的パフォーマンスにドギモを抜かされる場面もあります。
マイクとは生き物の様、一番幸せな使い方があるはず、それを見つけたり見極めてやるのも私の仕事だと思います。
ブログ更新の締切り後になんとか完成形になりましたので写真追加しました。
OEB-1451は「オムニ単一指向性=ゆるやかな前後比を持つ単一指向性」のカプセルです。
そういえばShinさんの昨年の記事、複数のWM-61Aを使った単一指向性マイク「ワイドカーディオイド」 というゆるやかな指向性のマイクをご紹介していましたが、これも同一傾向のマイクでありますがWM-61Aはワイドレンジとなっています。
【水道部品はマイクと相性がイイ】
マイクスタンドだけでない。
マイクケース材料選びはそれは大変な作業、ひらめきや直感が大きく占めるが「水道材料・部品が案外使えることがあるので今回も頼った、XLRコネクタとこんなにジャストフィットし、自作の難所であるマイクのフロント部までも・・・
fet-u1 は「軸方向単一指向性マイク」の筐体を正攻法で挑戦した見本の様なマイクでした。
とはいってもあの筐体工作を見ると「ちょっと・・・」とおっしゃる方も多いでしょう、
今回は使用カプセルをOEB-1451(オムニ単一)に換え、fet-u1 と同一形状のマイクを試作することにしました。
※今回は工作の肝心部分をお見せしながら2回に分けて掲載いたします。
(材料)
①M150銅管ソケット :マイク1本あたり2個 1個60円位
②SANEI PM28-13水栓泡沫器またはPM282G-13節水泡沫器 1個350円位
ネットでも入手可能です。
【工作】
製作難易度はかなり高いです、ご了解ください。
※金属の安全性を考えてからSTART します。
◎金属精密加工の秘訣は精神統一、それで決まる。
①まず銅管ソケット(18φ×25mm)2本をロウ付けして50mm長にすることから始めます。
ガス火を使い半田によってロウ付けを行った。(想像以上に強固です)
②XLRコネクタ勘合部を彫刻で作ります。
ミニルータを使用して彫刻加工する(作業はさほど難しくない)
コネクタが「カチッ」と音を立てて刺さるのは快感です。
XLRコネクタ数種類を使用して勘合具合を見ながら丁寧に作業してください。
あらゆるXLRコネクタがドンピシャ勘合できるようコネクタ現物を使って微調整してください。(ガイド溝・ロック溝をミニルーター加工)
③単一指向性マイクの速度孔を加工します、XLRコネクタ止めネジ孔も忘れずに、
穴あけは丁寧にゆっくりケガのないように
左は昨年のfeu-u1 、 右は今回作業中のモノです。イメージ伝わりますか?。
④フロントガード(スクリーン)を今回は水道部品でまかなうことにした。
深めにポンチを打ち1mm以下の下穴から序々に広げていくとうまくいく。
内側のバリ取りはミニルーターで、外側は10mmφ程度のドリル刃を使用して「手モミで丁寧に仕上げる。
しかし「銅」ってこんなに綺麗なんですね、ファインダー越しに「オッ」と感じた。
ここはマイクの外観表情を決める部分、Shinさん渾身の手作業、このころになると両手は妖怪人間のように真っ青、銅のサビ(ロクショウ=緑青)の為のものです。
この安全性については【工作】の冒頭のリンクでご確認ください。
これは「SANEI PM28-13水栓泡沫器」を分解して取り出したものです。
これ1個分解すると黒色ワク1個、メッシュスクリーンは荒いのが1枚、細かいのが3枚類取り出せる。
つまりこの黒キャップとメッシュスクリーン部が3~400円というわけだ、果たして高いのか安いのか。(私には適価に感ずる)
このあとボディを黒塗装しますのでシックリとまとまるはずですが、これがまた心配。
時がたてば過去のモノではあるが、まだ見ぬ完成品を想像しながらこうしてブログを書くのは初めてです、このリアルタイム進行をしばし味わってみてください。
(失敗したら笑ってやってください)
※ブログ更新翌日、完成形写真を加えました
(おしらせ)
fetⅡ、fetⅡi、measurement-fetⅡほか、ご注文により人気機種の製作を承っておりますのでお問い合わせください Shin
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【おことわり】
★ここで公開している回路・写真・説明文などは音響家の方、アマチュアの方でハンドメイドまたは試験評価なさる場合の参考として考えております。
★製作物・加工物の性能・機能・安全性などはあくまでも製作される方の責任に帰し、当方(Shin)ではその一切を負いかねます。
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