shin-1さんの日記

〇田舎の財産なんか要らない
　世の中の考えが変わりました。私が子どもの頃は「便所の糞もクﾄﾞの灰も全部長男のもの」とおだてられ、長男に生まれたことに少し優越感を持って育ちました。

　ところが遺産は民法によって遺留分が決められ、長男の特権はなくなったばかりか、便所の糞は水洗でシャーと流れ、クﾄﾞなど殆どなくなり煮炊きしたあとの灰など見ることもなくなりました。

　今私たちの住む田舎は過疎と高齢化と少子化の波が押し寄せ、今まで財産と言われていた農地や山林は荒れるに任せで、住む人のいなくなった空き家も目立つようになってきました。

　年老いた両親の一方が亡くなって独居になると、自分の住み慣れた家の畳の上で死にたいと思っていても、否応なしに高齢者福祉施設へ入れられ、人生の旅路を終えるのです。

　先日近所の独居老人が亡くなりました。新型コロナの影響が尾を引き葬儀は家族葬でしたが、さてお墓、先祖伝来の財産をどうするか葬儀の後話し合いが持たれました。漏れ聞けば現金分配には手を出すものの、位牌やお墓は長男がいやいや引き取ったそうですが、畑や山林などは貰っても税金を払わなければならないので、要らないと背を向ける人ばかりでした。

　嘆かわしい世の中です。私は長男ゆえ当然親父や母親の位牌や先祖のお墓は守っていますが、日本の田舎は日本列島沈没の危機に瀕しています。嘆かわしい世の中になったものです。