「ANTCICADA」馬喰町
〜美食としての昆虫食の可能性〜
(2020/10/30)
※感染拡大が懸念されていますので、皆さまもご注意して訪問されてください。
ある日Twitterで気になる投稿があった。その店をGoogle マップにメモしていた。この東京遠征で行きたい店をリストアップしてたときにふと思い出して調べた。
コオロギの出汁を煮つめたもので作ったチップス。コオロギを醸造に使ったクラフトビール。
かすかに独特の苦味、カニやエビの殻のような風味はあるけど、言われないと気付かないレベル。
正直ゲテモノ料理みたいな感じで行けない出てくるかと思いきや、今風なアミューズで逆に戸惑う笑
「穴子、ざざ虫、きゅうり」×「桑の実を発酵した蒸留酒×蚕の糞のスピリッツ×ソーダ割り」
一口食べたらソースがマジで美味い!でも「えっ?たらこソースじゃん。」と思ってしまった。どうやら、このたらこ味がざざむしらしい!ざざ虫はたらこ味だ!いや、タラコよりもっと美味しい!たらこよりもっとコクがあって、生命感がある。第一感はたらこスパゲッティのソースだけど、それ以上にマジで美味い!
びっくりしていると、サービスの方がざざ虫は昔から日本で食べられてきた食材で、漁協で許可証を発行されるほどポピュラーな食材だった説明をしてくれる。美味しさと歴史を知り、舌と頭から虫料理への偏見が崩れていく。。。
ペアリングの蚕の糞のスピリッツ、というと抵抗はあるけど、蚕は桑の葉のみを食べてるから、分解された桑の葉だと考えればOK。薬草系のリキュールみたいな感じ^_^
「白カジキ×コオロギ醤油」×「柑橘のブランデー」
(追加:2024/07/13)
今となっては僕の野食面での大きなターニングポイントとなったアントシカダ。
この時は特に大きな考えもなく、「単にジビエの次に来る食材として、昆虫が来るんじゃないか!」「安全な食材なら虫も食べてみたい!」という超単純な好奇心で訪問しました笑
ただいざお店に来ると、ビジネス街の端にある窓もない店舗。スタッフさんも20代の若者たちが、独特の雰囲気で自信満々に準備している。年齢層もバラバラなのに、全員が独特の熱気を持ったゲスト。
今までのレストラン経験の中でも、全く異なる異様な空気感だったので、「やばいなぁ。東京のアンダーグラウンドなちょっとグレーなお店に来てしまったかもしれない」と、内心ヒヤヒヤしてました。
ただ、ざざむしのお皿を食べたときに、超おいしいタラコ風味のソースに驚き、昆虫食に対する偏見が一気に落ちました。そして、ざざ虫が実は昔から食べられており、日本で採集免許もあるくらいのしっかりした伝統食だったと言う説明に、さらに自分の常識がボロボロと崩れ落ちました。
今から考えると、白鳥くんの料理スキル、篠原くんのプレゼンテーションの魅せ方の上手さ、両方のコンビネーションが素晴かったですね。
続きます!
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