「床下温水蓄熱ヒートポンプ全館暖冷房」蓄熱について説明しましょう。

(1)深夜の安い電気代を活用できる。

夜間にタイマーを作動させ温水を循環、床下の土間コンクリートの温度をあげておくと

日中は気温上昇と相して暖房を休止することが出来ます。

東北電力「よりそう+ナイト8」の場合、夜23時~朝7時までは1KWH10・92円

日中の電気代の1/2~1/3(21.69~34.19円)となります。

実際床下の土間コンクリートの表面温度は30℃程度、床下空間は27℃程度

これが床ガラリ(循環スリット)を通して室内に暖気が上昇してきます。

極寒期に夕方室温が下がってきたら、室内機を利用して暖房ないし床下温水を循環。

(2)温度変化の少ない安定した暖房である。

季節初めに暖房を入れるとタイマーで自動運転、土間コンクリートは運転時一定の温度となります。

室温の微調整は換気や室内機の運転で調整出来ます。

蓄熱の良さは緊急時に発揮されます。先日秋田の「強風・寒波」の時に停電がありました。

その時、多くの県民が無暖房で夜を極寒で過ごしたという記事がありました。

この暖房システムだと暖房機が止まっても一晩ぐらいは平気ですごせます。

東日本大震災は2~3日電気が止まりましたが、この蓄熱で寒さはしのげたそうです。

(3)建物の熱環境に優位に働く。

志村建設の建物は高断熱で熱容量が多いことになりますが、

このような建物は、省エネルギーに有効ではないかとの研究があります。

空気調和・衛生工学会論文集 NO260 2018年11月 宇野義隆他

https://www.jstage.jst.go.jp/article/shase/43/260/43_1/_pdf

今後の実証が期待されます。

またゼロエネルギー住宅に必須となる蓄エネルギー装置

蓄電池だけでなく蓄熱体も有力な候補です。

「床下温水蓄熱ヒートポンプ全館暖冷房」温水について説明しましょう。

床下暖房にはいろいろな方式があります。

床下空間利用型だと、FFストーブ設置・エアコン設置・電気蓄熱暖房機設置

温水パネル設置などがあります。

床下土間利用型だと、スラブヒーター(電熱線)埋設・温水パイプ埋設などがあります。

志村建設の暖房は床下土間利用型の温水パイプ埋設方式を標準としています。

その理由としては

(1)音が静かである。

エアコンの室内機(吹き出し)を床下に入れる床下暖房も行っていますが、

動作音がネックとなります。FFストーブも同じです。

電気式(蓄暖・スラブヒーター)も静かですが電気代が高額となります。

(2)温度むらが生じない。

暖房機設置の場合、暖気吹き出し口の配置を慎重に検討しなければなりません。

基礎内部の障壁を少なくして、隅々まで暖気が届くようにします。

温水パイプの土間敷設の場合、土間すべての面で放熱します。

低温水なのでコンクリートにも負担をかけません。

スラブヒーター埋設の場合はヒーターが高温となりコンクリートへの影響が心配。

(3)熱源(ボイラー)を自由に選べる。

放熱部と熱源部が別なので、電気・ガス・灯油・薪などを熱源としたボイラーが使えます。

ボイラーは故障すれば交換可能です。

志村建設の基本仕様の暖房についての話をします。

基礎工事(2)で土間コンクリートにパイプ配管していると書きました。

「床下温水蓄熱ヒートポンプ全館暖冷房」これが正式名称です。

聞いたことがないと思われますが、私が名付けました。

と言っても機能や形式名の羅列、解説しないとわからないと思います。

床下とは床直接でなく、土間コンクリートを温めることを意味します。

床面から床下土間まで50㎝程の空間があります。

温水だったら床に配管して床暖房にしたらと思われるかもしれません。

しかし次の理由で床暖房にしていません。

(1)床表面温度は室温と同じ、20℃程になる。

床の表面はスウェーデンは27℃以下、ドイツでは29℃以下という判断基準があります。

これは足裏が人間の体温調整のセンサーとなっていて、床面が高温だと

「暖かいとすぐ感じるが、長時間接していると体温調整のバランスを崩す」という知見によるもの。

(2)1階床面全面が均一な温度になる。

床暖房は床暖パネルを入れるところだけ暖かく(高温)なりますが、それ以外は冷たくなります。

(3)コストダウンができ、施工性に優れる。

床暖房のネックは床暖パネル、高額となります。土間のパイピングは自社施工。

また床の施工時や改修時に床暖パネル(放熱電気フィルムや不凍液が充填)を痛めません。

(4)床下空間が暖房空間として利用可能。

給排水温水配管スペースになっていますが、凍る心配がありません。

また掘りごたつや暖かい土間スペースとしての活用が可能です。

ほかにも床下方式のメリットは沢山ありますが、次はなぜ温水か?に移ります。

志村建設の基礎には暖房のシステムが組み込まれています。

コンクリート基礎がすっぽりと断熱材に覆われていますので、蓄熱に最適。

架橋ポリエチレン管を、コンクリート打設時に埋め込みます。

 

写真の白い管がそれ、一回路100mの長さです。

その中を30~40度の低温水が巡り、土間全体を温めます。

熱源は、ガス・灯油でも暖房用温水をつくれるなら何でもOK。

志村建設が標準仕様としているのは、深夜電力利用のヒートポンプ式熱源機。

エアコンで温水をつくれる優れものです。

 

なんたって室内の音が静か、しかも夜間電力メインなので電気代がエコ、足元が暖かいなど

寒冷地のベース暖房としてはベストと思っています。

更に夏季、室内機は冷房としても使えます。

なにより10年来、数10台の実績・ユーザーの高評価が実証。

床下エアコンでローコスト全館暖房を推奨する新住協の鎌田先生にこのシステムの話をしたところ、

「高価なシステムだろう」と言われましたが、標準仕様です。

それは志村建設が長府の販売代理店であり、自社施工であるからに他なりません。

明けましておめでとうございます。


 昨年は、新築住宅を4棟、大改修2棟納めることが出来ました。
若い人が中心となって施工してますので、私の出番は少なくなりましたが、
地球規模の気候変動の話や、工務店の役割の話をすることで、
住宅建築で未来に貢献できるよう心がけています。


 ペシャワール会の故中村哲先生の話によると、
アフガニスタンの荒廃の最大の原因は
地球温暖化による高山の融雪、国土の砂漠化だそうです。
豊かな国でのエネルギーの浪費、資源の使い捨ては
中東の戦争をはじめとした様々な弊害をおこしています。
パリ協定の温室効果ガス排出削減は緊急の課題です。


 最近自ら余命宣告をしました。「あと二十五年」
仕事はあと十年続けられそうです。
建築できる住宅は一年で四棟、十年で四十棟でしょうか。
 これからもご指導、御鞭撻の程宜しくお願いします。


      元旦         専務

  

秋田東通りの家 設計 (有)西方設計 施工 志村建設㈱

住宅の基礎工事の価格が高騰して大変という話が

建築家や建築業者から聞こえてきます。

土木や左官の人材不足(若手がいない)や、資材の高騰が原因ですが

志村建設の場合10数年ほど前から自社施工、施工もかなり合理的に工夫して

水密・気密・断熱・コストダウンに優れた基礎施工を行っています。

  

写真は弊社の標準的な基礎ですが、高性能・高級住宅にふさわしい仕様と自負。

水密=べた基礎のコンクリート一体打設・気密シート等で地盤の湿気防止

気密=土台気密パッキン・べた基礎で隙間なし

断熱=外部EPS特号防蟻100ミリ+内部50ミリ・土間下50ミリ

この内容を社員大工が施工しています。

設計者からは他社に比較すると、同様の仕様・性能値であれば1/2~2/3の価格と

コストダウンを評価してもらっています。

もっとも、鉄筋は多量に使うので有資格者のいる鉄筋業者に依頼。

これで、耐震等級の最高3レベル、Q1住宅のレベル2まではOKです。

写真上左は、外部断熱・土間下断熱・防湿シートの段階

上右は長期優良住宅の為の先行配管、スリーブと言って実管はこの中を後施工です。

配筋完了時の写真。配筋はすべて構造計算に基づいています。

地中梁部分・独立基礎の配筋が写真でわかります。

これから内枠(浮かし枠)を取り付けてコンクリート打設。

20m3近いコンクリートをポンプ車で一回で打設します。

打設後数日、型枠脱型前の状態。パイプ等は外しています。

土間に少し水が溜まっていますが、基礎の水密・気密が良い証明となります。

10数年前には、この工法を確立・公開して同業者にも勧めたのですが、

最近の近所の住宅建築現場を見ると、相変わらずチープな基礎が多いのは、

コストの安い床断熱が多いのと、基礎工事を外注するからでしょう。残念…です。

なお、弊社の基礎にはもうひと工夫がありますが、それは後程のブログで。

 

世の中コロナ騒ぎで、ここ秋田にもその影響が出てきました。

外食は極力避けてとの通知、食べ歩きの人はもちろん

地域の食文化もたいへんな状況ですね。

そこで落ち着いたら伺いたい、秋田の食事処をひとつ

千秋公園の中にある「松下門」料亭です。大正時代の料亭「松下」のリノベ―ション。

大きな建物を2分割して、東側は秋田舞妓の「松下」西側がここ「松下門」です。

夜に伺いました。「松下」を右手に見て奥に進むと入口が見えます。

アプローチは庭を大きく左に廻りこみます。

世の中 毎日新型コロナウィルスの影響のニュースが流れています。

 

日頃地方の田舎都市にいて、東京の暮らしの危うさには気が付いていましたが、

大地震や大洪水、富士山噴火による災害の前に思わぬ危機が訪れました。

医療崩壊…アメリカやヨーロッパの実情を聞くにつれ大変な事態だと思います。

マスク着用の重要性も認知されましたが、いかんせん絶対数が足りない。

「あべのマスク」の提供も始まるようですが、数や性能にもう少し工夫が必要な気がします。

https://twitter.com/punxjk/status/1245347220259393537

これは本荘瓦谷地、鶴舞会館前にある「Lead本荘」障害者の就労支援施設製作の「手作りマスク」

 

なかなか本格的です。みなさんのアイデアや行動で、この難局乗り越えれたら良いですね。

ホテルを出てバスで中心部へ向かいます。旧市街の夜の街を散策

 

もう暗いし、寒いので観光客はいません。通行人もまばら…でも歴史ある建物がそこかしこ

 

神聖ローマ帝国時代の街づくりでしょうか。

 

そして、レストランに到着。予約済みだったのでしょう、コーナーにメンバー全員着席。

雰囲気のあるレストランですね。

工場を出ると山が夕焼けに輝いていました。バスは一路インスブルグを目指して走ります。

 

暗くなってから ホテル到着

 

アルプホテル インスブルック 街中です。ホテルの客室はこんな感じ。

 

ビデはないのですが、トイレ用の掃除ブラシが備え付けてあります。