本当の豊かさはどこにあるのか | 淡路島のカメラマン・清水翔平

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淡路島を拠点に活動するカメラマン・清水翔平のありのままの日常を綴ったブログです。

先日の淡路島・デジタルデトックスリトリートでの

気づきを書きたいと思います。

 

 

僕が今回のデジタルデトックスで

強く感じたのは、

 

ノイズを減らすことの重要性です。

 

 

スマホやテレビから

無尽蔵に提供される情報。

外から聞こえてくる車の音。

パトカーや救急車の音。

夜でも煌々と光るお店の看板。

 

明るすぎる照明。

移動中ずっと聞いている音楽。

作業中にかけているBGM。

 

あるいは

口が寂しくなったと感じれば

口に放り込むお菓子。

 

喉が渇けば、水で十分なところ

お茶やコーヒーについ手が伸びる。

 

ご飯と味噌汁と

質素なおかずがあれば十分なのに、

 

もう1品、もう2品と

手軽で美味しい加工食品を

追加したくなったり。

 

 

 

あげたらきりがないですが、

 

とにかく

現代の暮らしというのは

さまざまなノイズに囲まれているなと思います。

 

 

ノイズというのは、

言い換えると刺激です。

 

 

刺激を求め続けるのが

エゴの性質なんだと思います。

 

 

最初は少しの刺激で満足していたものが、

だんだん飽きてきて

少し強い刺激が欲しくなり

 

それにも飽きてきて

またさらに強い刺激を求めてしまう。

 

 

ついには

刺激がないと不安になり、

刺激にどっぷり依存していく。

 

 

例えば、

 

「テレビがついていないと不安」

 

というのは典型的な「刺激依存」なのだと思います。

僕も以前はそうでした。

 

 

なんとなく一人で家にいると

寂しい気がしてテレビをつけたり

音楽をかけてしまう。

 

 

静かで何もない空間が耐えられないのです。

 

 

空白を埋めてくれる

世の中のさまざまなサービスは

便利な反面、

 

それが単に

エゴに餌を与えるだけになっていないか?

というのは

 

注意したほうがいい気がします。

 

 

 

今回のリトリートでは、

「スマホ」というノイズから

離れてみました。

 

 

今回のメンバーの中には

元々テレビを見る人はいませんでしたが、

 

今回宿泊した古民家をリノベした宿には

テレビがありませんでした。

 

照明は最小限の明るさの

白熱灯がメインだったし、

 

周りはびっくりするくらい静かで、

車もほとんど通らず、

 

あるのは

 

外の風の音や虫の声

お湯の沸く音

ほんのりとした光だけで

ライトアップされた日本庭園

 

 

そういった、

ノイズに囲まれていては気がつけないような

静かで微細な情報だけでした。

 

 

そして、

 

その微細な情報が

いかに豊かなものか?

 

ということに

僕は今回とても驚いたのです。

 

 

ふとした隙間の時間に

 

何もせず

何のBGMもかけず

話すことさえせず

 

ただ静かに座って

ぼんやりとライトアップされた日本庭園を

 

メンバーみんなで

しばらく鑑賞していました。

 

 

その時間が

驚くほど豊かであると感じたのです。

 

 

利用した古民家宿「茶聞堂」に

置かれていた案内文には

 

「部屋の電気を消し、わずかにライトアップされた庭園の

幽玄な気配を感じてみてください」

 

と書かれていました。

 

 

僕はそれをみた時、

感銘を受けました。

 

 

日常の中において

「幽玄な気配」の存在を認識し、

それに耳を傾けるようなことは

したことがなかったのです。

 

 

「幽玄な気配」というものを感じ取り、

それを味わい・楽しむためには、

 

部屋の電気という「ノイズ」を

取り払わなければならないのです。

 

 

 

電化製品というものがなかった時代の人は

この豊かさというものが当たり前にあったのでしょう。

 

 

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ノイズに埋もれてしまって

現代社会ではほとんど見えなくなってしまっているもの。

 

 

それは、

情報をシャットアウトしたときに

自然と浮かび上がってきたのです。

 

 

スマホや車や便利な家電製品に

囲まれた暮らしが豊かであると

僕は思い込んでいました。

 

 

けれど、

本当の豊かさは

 

 

それらのノイズを取り払ったときに

自然と目の前に浮かび上がってくる

ものなのだと知ったのです。

 

 

 

それが僕にとって

最大の学びでした。

 

 

 

1泊2日のリトリートが

終わったとき僕は

とても穏やかで、満たされた気持ちになりました。

 

 

エゴとは反対にあるものが

満たされたような気がしました。

 

それは今までの旅行やリトリートでは

感じられなかったものだったのです。

 

 

定期的に

デジタルデトックスを

取り入れていきたいと思った

素晴らしい体験でした。

 

 

Location: 茶聞堂(南あわじ市)