今回は、大阪の谷口医師の

メルマガの転載です。

 

あまりに衝撃的な内容なので、

かなり長いですが、

省略せずに転載します。

(著作権に関しては末尾に記載)

 

谷口恭の「その質問にホンネで答えます」

2023.2.20【Vol.092】

(以下転載)
〇最近の医療情報

 今回は、一般のメディアでは

ほとんど報道されていない

「ある医師の重罪」を

取り上げたいと思います。

 後述するように、先日(2月15日)に

鹿児島地裁でおこなわれた裁判では

この医師に「有利な判決」が出ました。

司法がどのように判断するかに関係なく、

医師は「医師の掟」に背いたのだから

決して許されることはない、

と僕は考えています。

 そして、この事件の被害者と

同じ被害に遭う人がこれからも

出てくる可能性があるだろう、

と僕は推測しています。

それらについて詳しく述べたいと

思いますが、まずはこの鹿児島の

おぞましい事件を振り返ってみましょう。

 2022年10月27日の南日本新聞に

よると、鹿児島県の精神科医から

パワハラなどを受けて自殺に

追い込まれたとして、元従業員の女性

(当時32歳)の遺族が慰謝料約2,200万円の

損害賠償を求めた訴訟の

第1回口頭弁論が10月26日に

鹿児島地裁でおこなわれました。


 これだけを聞くと、「似たような

パワハラ事件は他にもあるよな」

としか感じられないと思います。

しかし、この事件の本質は

(狭義の)パワハラではありません。

 この医師に関する報道や出版物、

それから僕が直接関係者から

聞いた情報を合わせて判断すると、

この事件は「悪質極まりないセクハラが

原因の、他殺とも呼べるほどの自殺」です。

 自殺した女性(ここからはA子さん

とします)は、2015年5月から

精神科医(以下X氏とします)が

運営する2つのクリニックで勤務し、

2016年8月16日に自宅で命を絶ちました。

 妻子あるX氏とA子さんは恋愛関係に

ありました。医療者どうしが職場で知り合い

恋愛関係を結ぶことは、それは不倫や

他の「許されない恋」も含めて

いくらでもある話です。よって、

X氏とA子さんが恋愛関係にあったこと

自体は問題が(皆無とは言えないにしても)

そんなに大きくはありません。

 では何が問題なのか。X氏がA子さんを

患者として精神領域の薬剤を処方して

いたことにまず1つ目の問題があります。

一般に医師は自分の身内に対する診察を

おこないません。これは法的に禁じられて

いるわけではないのですが、身内が患者に

なるとどうしても冷静な判断に

欠いてしまうことがあるのです。

 もちろんこれは程度の問題であり、

僕自身も親類や友人・知人に対して

簡単な病気や怪我の診察をすることは

あります。けれども、僕が身内に絶対に

おこなわない「症状・疾患」があります。

それが「精神疾患」です。

 谷口医院は精神科を標榜して

いませんが、総合診療を実践している

こともあり、実際には多数の

精神疾患の患者さんを診ています。

そういったこともあって、ときどき

同級生や昔の知り合いから

「精神症状の治療をお願いしたい」

と言われることがあります。

 そして、そのような依頼のすべてを

僕は断っています。なぜなら、

精神疾患を診るときには医師・患者間の

”境界”を常に意識していなければ

ならないからです。医師が患者の

プライバシーに踏み込み過ぎて

感情移入してしまうことは

絶対に避けねばなりません。

 特に男女(時に男男・女女)の場合は

なおさらです。精神症状を有する

患者さんからみれば、医師は

「自分を幸せに導いてくれる

(かもしれない)存在」であり、

ともすれば「天使」あるいは「神」

のように目に映ることすらあります。

 誤解を恐れずに言えば「(男性の)

精神科医が若い女性患者を

たぶらかすことなど朝飯前」なのです。

「自分のことは誰も分かってくれない、

自分の本心を打ちあけられる人など

どこにもいない」と考えていたときに、

満面の笑みを浮かべて

「僕はあなたの味方だよ。何でも

話してごらん」とささやかれると、

「この人があたしの救世主だ……」

という思考に容易に陥るのです。

 それだけではありません。

精神科医には強力な”武器”があります。

「薬」です。ひとときであっても

幸福感をもたらす薬があり、

そしてそれには「依存性」があれば

最強の”恋愛兵器”となります。

 

 

 最も簡単に使えるのが

ベンゾジアゼピンです。ベンゾジアゼピンが

あれば、医師でなくても簡単に

女性を(男性を)堕とせます。

”ターゲット”が何かに悩んでいるときに

近づいて、話を聞いて、「幸せになれる

薬があるよ」と言って内服させれば、

その女性(男性)を手にしたも同然です。

 ベンゾジアゼピンはほとんど例外なく

誰にでも効きます。もしも「効き」が

悪ければ強いベンゾジアゼピンに

替えればいいわけです。そして、ある程度の

時間がたてば確実に薬の効果は切れます。

すると、再び苦しさに襲われるために

また薬がほしくなります。つまり簡単に

薬の依存症にすることができるのです。

 本メルマガが「悪の手引書」となっては

困るわけですが、僕はこのベンゾジアゼピンの

実態を世間に周知させるべきだと思っています。

「飲めばすぐに不安感やイライラが払拭され、

多幸感が現れる。しかし効果はすぐに切れて

またほしくなる。安価で、日本では多くの医師

(精神科医でなくても)が簡単に処方している」

のがベンゾジアゼピンなのです。

 だから僕は患者さんからお願いされても

簡単にベンゾジアゼピンを処方することは

ありません。そして、ここ数年間は

「ベンゾジアゼピンを処方してください」

ではなく「他院で処方されてきた

ベンゾジアゼピンをやめたい」を訴えに

受診する人が増えています。

 話をX氏に戻すと、問題点の

1つ目は従業員のA子さんに

「精神疾患の治療をしたこと」

そしてもう1つの問題が「いわば薬漬けに

して性的搾取をしたこと」です。

『文春オンライン』が暴いたX氏とA子さんの

ラインのやり取りは読むに堪えません。

単なる痴話げんかでは

とても済まされない内容です。

 

 


 特に、X氏がA子さんに

「別の男性スタッフとセックスするように

指示した」は狂気の沙汰と言えるでしょう。

X氏はA子さんに「エッチは●●(スタッフの

苗字)としろ」(2016年5月28日)

と指示したそうです。

 そして、驚くべきことに、すでに洗脳されて

しまっているA子さんはX氏の指示に

従ったようです。文春オンラインは

次のように報道しています。

    ********
 しかし指示通りに(A子さんが●●に)

キスなどをしたことが判明していくと、

(X氏は)「他人に揉まれた体には

もう興味はない」(2016年6月12日)

「最低女」(7月4日)「ケツの穴専用」

(7月6日)と罵った。元同僚のY子さんに

よればX氏は「自分のことは棚に上げて、

A子さんと●●がやったと職員に

言いふらしていた」という。
    ********

 鹿児島地裁に起こした裁判で

A子さんの遺族は「セクハラで

性的自由が侵害された。依存性が高く、

自殺企図の副作用がある薬を処方され、

高圧的な態度や言動などで

自殺に追いやられた」と訴えました。

 そして2月15日、鹿児島地裁が出した

判決は「A子さんの遺族の訴えを棄却する」

というものでした。なんとX氏は

この件については”無罪”となったのです。

 正確に言えば、裁判官はX氏の

「過失」は認めています。この判決を報じた

医療系ニュースサイトのm3.comによると、

X氏がA子さんの自殺直前に

スマートフォンで送ったメールについては

「女性の人格をいたずらに否定するものだった」

と過失を認定しました。しかし、

破産者にも賠償を請求できる

「重過失」には当たらないとしました。


 補足しておくと、X氏はすでに

自己破産をしています。実はX氏は、

A子さんが自殺をする2年前の2014年12月にも、

当時27歳の女性を自殺に追い込みました。

この女性は従業員でなく患者です。

患者であったこの女性をやはり

「薬漬け」にして自殺に追い込んだのです。

この事件については、『もう一回

やり直したい』米田倫康氏著(萬書房)で
詳しく紹介されています。

 

 

 

 

 また、X氏は2020年に、診療報酬を

だまし取った詐欺罪が確定され、

2021年に厚生労働省から「業務停止3年」

「保険医登録取り消し」の行政処分を受け、

同年に破産手続きで京都地裁から

免責許可を受けています。ただし医師免許が

剥奪されたわけではなく、3年後には

医師として働くことが可能です。

 話を戻すと、X氏は「自己破産」を

しているという理由で、過失が認められたと

しても賠償請求は免れるのです。

自己破産をした者にも請求するには

単純な過失ではなく「重過失」が認められ

なければなりません。鹿児島地裁は

X氏の悪事は「重過失とまでは

認められない」と判断したのです。

 司法がどう判断するかはさておき、

このような医師としての倫理、常識、

あるいは「掟」に背いた者を医師に

復帰させるわけにはいきません。

 また、あなた自身やあなたの周囲の

大切な人がこのような精神科医の

餌食になるようなことは

何としても避けねばなりません。

 最近、転職を契機に受診しなくなった

30代女性の患者さんがおよそ5年ぶりに

やってきました。元々精神的に

ナイーブな女性でしたが、僕は

この女性の精神症状に薬は使うべきで

ないと判断していました。

ところが半年前に新たに受診し始めた

精神科クリニックで治療を受け

「薬のおかげですごく調子がいいんです」

と言います。

その女性が放った次の言葉に驚愕しました。

 状態がよくなったからお祝いに

二人で飲みに行こうって、その先生から

誘われてるんです……

(この記事終わり、他の記事は略)

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記事の著作権は谷口恭及び

(医)太融寺町谷口医院に帰属します。

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責任を取りますので、引用、転載、

雑誌掲載などはおこなってもらっても

かまいません。ですが、出典(メルマガ名、

日付)は必ず付記するようお願いいたします。
(転載終わり)

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