こんな記事がありました。

(どちらも同じ記事と思います。

上が元記事のようですが。)

 

【怪死事件】ドン・ファンの妻が

詐欺の疑いで刑事告発されていた

https://friday.kodansha.ne.jp/sn/u/event/112109

 

https://news.livedoor.com/article/detail/18726885/

 

 

この件については、亡くなられた

野崎氏の死因の問題や、

残されていた遺言の真贋の問題

……などが報道されておりますが、

その辺のことは私は分からないし、

それほど興味もありません。

 

今回、上記記事を取り上げたのは、

会社の登記の問題も

記事中に出ていたからなんです。

 

例によって、一部引用してコメントします。

 

夫の怪死から2ヵ月後、Sさんは

臨時株主総会での決議により「アプリコ」の

代表取締役に就任したとされている。

「アプリコ」のような

取締役会設置会社の場合、

臨時株主総会は取締役会の

決議で招集される。

 

まあ、この部分は良いのですが…。

ちなみに「取締役会設置会社

とあるので「非設置会社」も

あるのだな、と思われた方、正解です!

 

実は、長い間、

「株式会社=取締役会設置会社」

でしたが、今は任意となりました。

 

また「取締役会設置会社」の場合、

その旨の登記がなされています。

 

それはともかくとして、この報道

(取締役会設置会社であること)が

正しいとして、次に行きます。

 

つまり、竹田さんとM氏が

臨時株主総会を開かなければ

Sさんは代表取締役に就任は

できないわけだが、竹田さんらが

株主総会を招集した形跡は一切ない、

というのだ。ちなみに、竹田さんも

本誌の取材に、「取締役会の話なんて

聞いたことがない」と答えている。

 

なんか、ここで、株主総会

取締役会と2つ出てきて、

分かりにくくないですか?

 

そもそも、取締役会設置会社の場合、

(ヒラ)取締役株主総会で選任

代表取締役取締役会で選定

……と会社法に規定されています。

 

なお、

株主総会株主全員で構成

株主=会社に資本金等を出資している人)、

取締役会取締役全員で構成

……でもあります。

 

こういう風に補充してみましょうか?

(補充部分は斜体緑字

 

つまり、竹田さんとM氏が

まず取締役会を開いて、そこで

株主総会の招集を決議して、

そしてその召集を基にする

臨時株主総会を開かなければ

Sさんは(ヒラ)代表取締役に

就任はできないわけし、

取締役であることが前提の代表取締役にも

就任はできないわけだが、

竹田さんらが取締役会を開催して

株主総会を招集した形跡は一切ない、

というのだ。ちなみに、竹田さんも

本誌の取材に、「株主総会招集のための

取締役会の話なんて聞いたことがない」

と答えている。

 

次へ行きます。

 

取締役ではないSさん自身が

臨時株主総会を招集したのだとすれば、

裁判所の許可を得ていなければ

なりません。しかし、Sさんは

それもしていません。

 

これも、間違いではないのですが、

実務上、招集手続抜きで、

株主総会が成立する場合があります。

 

それは、

株主全員が出席している場合

です。

 

招集手続がいい加減だと、

株主全員に通知や資料が

事前に行かなかったりして、

反対意見を言えなかったり、

不公正な決議が行われる可能性もあります。

 

しかし、株主全員が集まって、

総会を開くことにも同意しているなら、

もう何も問題ないよね、という考え方です。

 

次に、選任機関は上記のとおりですから、

株主総会では(ヒラ)取締役は選べるけど、

その後にまた取締役会を開かないと

代表取締役にはなれないのでは?

という疑問もあります。

 

ただ、これについても、実は、

最高裁の判例がありまして

(平成29年2月21日第3小法定決定)

詳しい理屈は省略しますが、

株主総会で代表取締役を

選んで「も」良い、とされています。

 

そうなると、この会社の株主は誰で、

その株主が全員集まったのか

についても取材しないと、

片手落ちではないでしょうか?

 

さて、おそらくは亡野崎氏が、

株の大部分(または全部)を

所有していたと思われます。

 

そうすると、その株式も、

相続の対象なので、

(以下うろ覚えの過去の報道から)

もし「全財産を田辺市に……」という

遺言が有効なら、亡野崎氏所有の

株式は、田辺市のものです。

 

次に、その遺言が無効であれば、

妻が4分の3、兄弟姉妹が4分の1の割合で、

とりあえず全部の株式が共有となります。

 

(例えば40株あった場合でも、

30株が妻、10株が兄弟のそれぞれ

単独所有、とはならなず、40株全部が

相続分の割合で共有となるのです。)

 

そして、最終的に誰に帰属するかは

遺産分割協議(または調停)

で決しますし、それまでの暫定としては、

共有者間で「議決権行使者」を定めます。

 

ところが、これは過半数の持分で決するので、

4分の3の権利を持っている妻が、

亡野崎氏のすべての株式につき、

「議決権行使者」になれちゃいます。

 

そうなると、亡野崎氏が100%株主であって、

しかも、遺言が無効であるとすればですが、

妻1人だけで株主総会を開催でき、

そこで自分を代取に選ぶことも

できることにはなります。。。

(別に、この「妻」の方とは面識もないし、

応援もしておりませんが…念のため。)

 

 

なお、余談ですが、アプリコというのは、

東京・蒲田に同名の

コンサートホールがあるので、

関東圏のクラシックファンなら、

そちらを思い出したのでは

ないでしょうか?(このご時世で、

すっかりご無沙汰しておりますが。)

 

アプリコで検索したら、このホールや

他の会社などがヒットしますが、

「和歌山」を付けると、古い記事ですが

こんなサイトが出てきて、

色々知ることができました。

 

アプリコ社長の野崎幸助が経営する

会社の仕事内容は?住所は和歌山県

田辺市のどこかと資産についても!

https://jiyugaoka-minami.com/1896.html

 

 


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