※「精神医療を考える」シリーズ一覧
https://ameblo.jp/shimpo-shiho/theme-10112062998.html
こちらの続き、というか関連記事です。
【精神医療の問題3】合法的な薬物依存
「デパス」の何とも複雑な事情
~ズルズルと飲み続ける患者を
https://ameblo.jp/shimpo-shiho/entry-12578876655.html
20年間「デパス」を飲み
続ける彼女の切実な事情
服用患者は確かな効果を
得ても続かず不安に
メディカルジャーナリズム勉強会
2019/12/03 5:30
https://toyokeizai.net/articles/-/316660
例によって、一部引用とコメント等など。
(できましたら、上記から全文を
ぜひお読み下さい。)
「デパス(エチゾラム)を服用し始めて
からもしばらくは寝返りを打てなかったり、
自力でトイレにも行けなかったり
したんです。ひどいときには、
食事も手づかみでとても人間らしい
生活はできていませんでした。
だからこそ症状を改善したかったので、
お医者さんに言われたとおりに
服用していました」
⇒治療を受ける以上、
「医師を信頼して」となりますが、
信頼の結果がこのケースでは、
悪い結果になってしまいました。
⇒デパス(エチゾラム)だけを
やめなかったのは、一定の効果が
あることに加え、このとき、
沙智さんが調べた範囲では
自身が気になる副作用が
表記されていなかったからだという。
⇒これもやはり、厚労省の
薬事行政の怠慢ではないでしょうか?
デパス(エチゾラム)には
効果として筋弛緩作用がある。
しかし、沙智さんの場合は
その作用の真逆で、服用すると
「力が湧く」が、度が過ぎると
筋弛緩作用が強すぎて
外出もままならなくなったようだ。
⇒薬の怖いところですね。
個人差もあるし、量を越すと、
副作用が出たり、あとは、
多剤の場合の弊害なども…。
一方でデパス(エチゾラム)の依存性に
ついて医師や薬剤師から
説明はあったのだろうか。
「最初の病院では、『依存する薬』とは
聞いていません。もともと処方される量も
少なかったからでしょうかね。
服用しなかったときのものを
ストックしていて、不安が治まらないときは
多めに服用することもありました」
⇒医師・薬剤師も、添付文書に
その旨が無いと、分からない
のではないか?(素人の見解)
とも思いましたが、
この点については後述されています。
ところが徐々に効き目が
薄れてきたと感じるようになった。
訳もなく漠然と死を望む
「希死念慮」が生じ始めた。
⇒これ、麻薬と同じような気がします。
(禁断症状ですよね。)
デパス(エチゾラム)は薬学的には
ベンゾジアゼピン受容体作動薬と
称されるグループに属する。
実はベンゾジアゼピン受容体作動薬は、
長期間服用すると人によっては、
薬の効き目が低下する「耐性」が
生じることも知られている。
その結果、1回に10錠を服用する
という状況にすら陥った。
いわば完全な乱用である。
結局、沙智さんはデパス(エチゾラム)の
乱用と診断され、精神病院の閉鎖病棟に
約3カ月間入院し、デパス(エチゾラム)の
離脱が行われた。
⇒本来は、病気を治すはずの薬のせいで、
逆に入院となってしまいました。
北方さんの服用当時は、
デパス(エチゾラム)が麻薬及び
向精神薬取締法の対象として
指定を受ける前だったが、
すでに向精神薬指定を受けていた
ほかの薬も併用していたため
30日おきに医療機関を受診した。
デパス服用中に接した主治医は2人。
いずれの医師からもデパス(エチゾラム)の
依存性について聞かされた
ことはなかったという。
⇒これは違う方の話ですが、
やはり他の薬も飲んでいたようですね。
そして、説明がなかったことも
何度も出てきました。
「正直言って不安が強くて1日に10錠を
服用したこともありました。
完全なオーバードーズですね。
外出時もお守りのように
頓服分を持ち歩いていました。
持っていないことが不安になるのです。
ただ、次の受診日までに足りなくなる
ということはなかったですね」
その意味では北方さんはいわゆる
常用量依存に当たるかもしれない。
そして服用から約10年を経て
医師の勧めもあって最終的に
デパス(エチゾラム)の服用をやめた。
⇒結局止めるまで10年もかかるという
恐ろしい薬だった、ということです。
「今振り返れば、自分はデパスの
常用量依存になっていたのかも
と思うことがあります」
合法的な医薬品が依存症となる
服用経験者の証言に共通するのは、
何らかの精神的な悩みを抱えて
医療機関を受診したこと、そして
デパス(エチゾラム)を処方され、
それまでになかった確かな
「効果」を実感したということだ。
しかし服用を続けている間に
その実感が薄れていき、薬がないと
不安に感じたり、決められた用量を
超えて服用したりするようになる。
「依存症」が形成される、
典型的な流れともいえる。
⇒ここで問題がまとめられています。
そして同時に、「依存性について
説明されることはなかった」
という証言も共通する。
デパス(エチゾラム)の添付文書
(薬の効果や注意点などをまとめた文書)
に「重要な基本的注意」として依存性が
記載されたのは2017年のことだが、
それ以前も医療関係者の間では
依存性は周知の事実だった。
それにもかかわらず、少なくとも
「患者本人の記憶に残る形」での
説明はなされていなかったことになる。
⇒前述のとおり、添付文書に記載
されていないという問題と、
それでも現場では知られていたのに、
漫然と投与を続けたという、
2つの問題があるようです。
覚せい剤やアルコールに依存性が
あることは、広く知られた
いわば「常識」ともいえる。
しかし医療機関で処方される
合法的な医薬品で依存症に
なってしまうことは、一般的な
「常識」とまではいえないだろう。
⇒はい、これが大きな問題です。
だからこそ、十分な配慮をもって
患者側に伝達されるべき依存のリスクが、
なぜ「伝わっていなかった」のか。
医療従事者はどのような意識で、
薬の処方や説明を行っていたのだろうか。
⇒さらに、この反省を基に、
現在の精神医療は本当に
改善されているのか?
これも問いたいところです。
(取材・執筆:村上和巳/ジャーナリスト、
渋井哲也/フリーライター)
⇒貴重な情報を取材して頂き、
ありがとうございます。