といったテーマの書籍を読むと、「批判的に物事を考える」ことが、
しばしば重要なこととして強調されています。
「批判的に考える」ということの目的は、
目の前にある意見やアイデアに対して、論理的に考え、
そのロジックにミスがないか?
無理はないか?
を考え抜き、アイデアや施策の実行の精度を上げることです。
このこと自体は、ビジネス活動において不可欠なことで、全くもって異論の余地はありません。
ただ、この「批判的に考える」ということが強調され過ぎるあまり、弊害が出ている気もいたします。
例えば、
どんな意見に対しても粗探しをしてしまう。
批評家のごとく理想論を振りかざし、いたずらに実行のハードルをあげてしまう。
本来は、「プラン」や「タスク」、「アイデア」に対して、
批判的であるべきなのが、「人」に対して批判的になってしまう。
「そもそも、あの人は、思考力が弱いから・・・
(そんな人のアイデアは検討に値しないね。)」
みたいな。
その結果、組織のコミュニケーションが円滑に進まなくなってしまう。
そして、こういう弊害が出ている組織は必ず実行力が落ちてしまいます。
更に、
怖いのが、批判的な意見を言い続けている人自身の実行力も著しく低下してしまうこと。
例えば、こんな風に。
・「批判的に計画を捉えなければならぬ。」
↓
・「計画は完璧でなければならぬ。」
↓
・「俺の計画は、まだまだ穴があるなぁ。」
↓
・「実行に移す前に、もう一度考え直そう。」
↓
・いつのまにかなし崩し的に計画は消滅。行動もできず。
↓
・行動すれば得られていた経験を得られず、成長できない。
本来、実行の精度をあげるための道具に過ぎない「批判的思考」が
いつの間にか実行を縛る見えない鎖になってしまうわけです。
批判的に思考する人の陥りやすい罠かもしれません。
そういう意味で、改めて本質を突いているなぁと思うのが稲盛和夫さんのこの言葉。
「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」
「楽観的」と「悲観的」。
このバランスを常にもっておきたいものです。
■本日の参考書籍
生き方―人間として一番大切なこと/稲盛 和夫

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