糖尿病と唾液検査 | ほっこり 知恵袋

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唾液検査を予防歯科で活用しています。定期検診に来られる方は、歯周病の検査をします。

歯周病の程度が詳細にわかるため、糖尿病の方も活用しています。歯周病菌は血糖値やヘモグロビンA1cの数値に影響を及ぼすことがあります。これは、歯周ポケット内の嫌気性菌が内毒素を出し、炎症性サイトカインTNAαを誘発するからです。インスリンの産出を炎症性サイトカインTNFαが阻害するのです。

唾液検査では、歯周病菌、白血球数、唾液の緩衝能、お口の酸性度、虫歯菌、アンモニアが分かるため、歯肉に炎症があるときは状態を把握しやすいです。

 

【唾液検査でわかること】

1.歯周病菌

唾液中に含まれるタンパク質の量から、歯周病菌が分かります。

2.白血球数

歯肉に炎症があると、増加します。

3.唾液の緩衝能

唾液は、食後30分で酸性から中性に戻ってきます。出来るだけ早く、中性に戻る方がよいです。

4.酸性度

唾液のPHが5.5以下になると歯が溶けていきます。これを脱灰(だっかい)といいます。

PH7が中性ですから、7に近づくほど、歯が溶けにくくなります。

5.虫歯菌

唾液中に含まれる虫歯菌が分かります。

6.アンモニア

口臭の原因にもなりますが、唾液のたんぱく質が多いと高くなります。つまり、歯周病菌が多くなると反応します。

糖尿病の方は、その人のセルフケアの程度によりますが、唾液の緩衝能がやや遅いようです。

歯周ポケット内の歯周病菌が多いということです。

 

【オオスメのセルフケア】

1.食後の歯間ブラシ

歯周ポケットが深くなると、歯ブラシだけでは歯垢(しこう)は取れません。

歯間ブラシを使って、歯と歯の間の歯垢を取りましょう。歯間ブラシのサイズが合っているものを選んでください。

隙間の大きさによって、サイズはいろいろあります。

サイズが合っていないと、歯肉を傷つける恐れもあります。

2.洗口剤による洗口

歯垢はプラークとも言われていますが、細菌の塊です。機械的に除去しないと取れません。

洗口剤により、歯周ポケット内を殺菌することも大事です。

お勧めの洗口剤は、コンクールFです。クロルヘキシジンによる殺菌作用があります。

100mlのコップ1杯に5滴ぐらいが適量です。1日3回くらいが理想です。

3.保湿

就寝時、外出時にマスク着用。

 

唾液は毎日変化します。体調の変化に応じてチェックすると、自分の体質や傾向が分かってきます。

セルフケアに唾液検査は欠かせなくなると思います。

糖尿病の方は、口腔乾燥もあり、唾液が少ない傾向にあります。酸性に傾きやすく、虫歯菌も多い傾向にあります。

洗口剤による殺菌はぜひ行っていただきたいです。