歯と健康寿命 | ほっこり 知恵袋

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先週、アクティブシニア向けに「歯と健康寿命」についてお話しする機会を頂きました。歯の本数と噛む力、脳への影響など、お口の機能低下による健康被害などです。

参加者の皆様は、アクティブシニア。
65歳以上でも、現役でお仕事をされている方々です。さすが健康への意識が高く、自分の歯が20本以上ある方がほとんどでした。15人中、30本ある方が2人、28本ある人が1人いました。素晴らしいです。😄
30本ある方は、毎月クリーニングへ行っているそうです。

皆様に是非覚えて頂きたい言葉があります。噛む8大効果です。「ひみこの歯がいーぜ。」(8020推進財団より引用)

ひ:肥満防止
み:味覚の発達
こ:言葉の発音はっきり
の:脳の発達
は:歯の病気を防ぐ(お口の乾燥や歯周病など)
が:がんの予防
いー:胃腸の働きを促進
ぜ:全身の体力向上と全力投球

卑弥呼の時代、弥生時代は一食あたりの噛む回数が約4000回、現代は620回だそうです。クルミや栗、カワハギ、はまぐり、玄米など固いものが多かった時代に比べ、現代はグルメブームもあり、柔らかい加工食品などが増えたこともあると考えられます。食生活の変化は大きいです。

噛むことで、唾液が増え、お口の乾燥や歯周病などを減少させることができます。
噛むと、歯根膜が咬合圧を受けて、その刺激が脳へいきます。歯根膜の圧受容体は、瞬間的に歯根膜繊維を進展させたり、収縮させて、歯槽骨への圧力負担を減らしています。歯根膜は極めて優れたセンサーで、冷温刺激やものが挟まった感覚も(触覚)も感じとります。
その為、噛み応えも感じるのです。発展させると、味覚にも影響があるといえるでしょう。

興味深い質問がありました。
①他医院で自費の治療をした場合、保険ではみてもらえないのか?

保険適応の範囲内ならば可能だが、保険適応外ではできない。

②インプラントは誰でもできるのか?

骨粗鬆症や糖尿病、腎臓疾患などの方は、骨密度が低ため、不適応になる。
他にも、血液疾患や肝炎など感染のおそれがある方も不適応。
CTによる検査など、事前に適応するかどうかを調べる必要がある。

③歯ブラシの硬さは、何がよいのか?
歯周病が進んでいる方や、癌の抗がん剤治療中の方、口内炎のある方などは、柔らかめの歯ブラシがお勧め。
柔らかいと歯茎を傷つけずに磨くことができるため、痛くない。弱い力で十分にプラークは落とすことができる。

④急いでいるとき、効率よく磨くには?

唾液腺開口部が汚れやすい。
上の歯は、奥歯のほっぺた側に、耳下腺乳頭という唾液が出る孔(あな)がある。
下の歯は、前歯の裏側に、舌下小丘(ぜっかしょうきゅう)という孔(あな)がある。よって、上の歯は、奥歯のほっぺた側、下の歯は、前歯の裏側を磨くとよい。

⑤歯を抜いたら、歯根膜はどうなるのか?

歯根膜は、歯と共に抜いてしまうため、顎には残らない。

⑥歯がないときは、噛む圧力をどこで感じとるのか?

顎関節にある、筋紡垂です。アキレス腱にある腱とおなじく、どのくらいの圧力を加えたらよいか圧力のコントロールをします。

⑦歯がなくても顎関節症になるのか?

はい、なります。
どこで噛んだらよいか、噛み合わせの位置認識ができないため、低い位置になれてしまいます。すると、顎関節の中にある、関節円盤(関節をスムーズに動かすためのクッション)が圧迫されたり、変型して顎が動きにくくなります。関節円盤が変形したり、ずれることで、顎関節症が起きるのです。

⑧歯みがきをするタイミングはいつがよいか?

歯みがきは、食後30分ぐらいあけてから行うのがよいです。唾液には緩衝能があり、食後すぐは酸性に傾いているが、次第に中性に戻る働きがある。中性に戻るまでには、大体30分ぐらいかかるそうです。
唾液が酸性のときに、歯みがきなどの機械的刺激を与えると、歯が削れ易くなるのです。

ベル健康寿命を伸ばすには?
⭐よく噛んで、唾液を出す。
⭐よく動くこと。
⭐いつも明るく、前向きに。
⭐お酒は楽しく、会食を。
⭐多少、小太りでもOK❗(ロコモ予防にはよい。)
⭐人のためになることをして、自己肯定。

皆様の健康増進のご参考になれば嬉しいです🎵