「一本歯を喪うと.....?」局所的な影響
歯の移動(歯は近心へ移動します)近心とは歯の前歯の方向を指します。
歯の傾斜(喪った分の隙間を埋めようと歯は近心へ傾きます。)
歯並びが出ッ歯になる(隣の歯も前歯側に押されるので、全体的に出っ歯になります。)
傾斜した歯が歯周病、虫歯になる歯が傾斜すると、歯を支えている歯周組織が影響を受けます。歯周組織の内、歯根膜(歯と歯槽骨を結びつけている繊維)が力を受けている側から破壊しています。歯根膜が破壊されると、歯槽骨も吸収されてきます。つまり、歯周病が悪化してきます。
また、歯が傾斜することで、歯根が露出して、根面う蝕にも罹り易くなります。歯根は、エナメル質に覆われていないため、象牙質からの刺激が直接きますので、知覚過敏にもなりやすいです。
全身的な影響
噛み合わせが変化する噛み合わせた時の力が均等に分散されないため、偏った噛み合わせになる。(偏心位咬合と言います。)
噛み合わせに関係する、筋肉や神経にも影響する顎を支えている、筋肉(特に咀嚼筋)、顎関節、首、肩のコリや痛み。顎に通っている最も重要な神経である、三叉神経の影響を受けるため、頭痛や耳鳴り、眼の痛みもあります。
体幹の歪みにより、不安定な姿勢になる身体の重心がずれるため、脚腰も不安定になるため、転びやすくなる。
嚥下がしにくくなるため、誤嚥性肺炎の原因にもなります。
発音しにくくなるお口周りの筋肉、特に表情筋に影響が及びます。口角が下がったり、シワが深くなったり、左右不均衡になります。
心理的影響
非社交的になる人と話したり、食事しにくくなると、人前に出るのが億劫になってきます。
まとめ「一本の歯」を喪うことで、これだけの影響が考えられます。「たかが、、、。」と思っていた方、要注意です！人間の身体は、無駄なものなどありません。どの部位でも大切です。一本が及ぼす全身への影響、とても大きいですね。大切にしていきましょう。