こんばん優☆ & こんばんポノック♪
先日、オアシスのドキュメンタリー映画『オアシス:スーパーソニック』を見て来ました。
これがもうメチャクチャ面白かった。映画を見ていて
しばらく眠っていたロックンロール魂が甦りました。
まずは96年にネブワースで行われた大規模な野外ライブに始まり、そこから
一気に時間を巻き戻し、オアシス結成前夜から語られるバンドの成功物語。
当時、雑誌の記事などを通して見聞きしていたエピソード(ほとんどは
バンド内のゴタゴタ)に加えて、初めて知るエピソードも沢山あった。
そんなエピソードの数々を見ながら思ったのは、彼らは延々と繰り返されて来た
ロックンロール神話を地で行く最後のバンドだったんじゃないか?ということ。
ごく普通の若者たちがバンドを組み、ベテランバンドをこき下ろし俺たちは
世界最高のバンドだと大口を叩き、実際その通りに世界を制服してしまう。
もちろんいいことばかりがあるわけでもなく、メンバー間の確執(彼らの場合は兄弟間の
確執も)やら成功に伴うストレスやらでバンドが崩壊寸前にまで追い込まれたりもする。
しかし、素晴らしい音楽というのは得てしてそんな状況から生まれたりもするもの。
ジョン・ライドンも「お手て繋いでちゃいい音楽は作れないぜ」って言ってるし。
次から次へと繰り出される名曲たちは、いま聞いてもあの頃と同じ様に
新鮮に耳に響く(確かに歌詞は何が言いたいかサッパリ分からないが)。
もしかしてノエルにはロックの神様が降りてたんじゃないかなんて、そんなことを考えてしまうほど。
そして最終的にはネブワースに25万人もの観客を集めるに至り、映画は終わります。
こここそがオアシスの頂点だとの解釈からか、映画はそれ以降の活動には全く触れていません。
個人的には三枚目の『BE HERE NOW』に関するエピソードも聞きたかったし、
アンディ・ベルとザック・スターキーの話も聞きたかったんですけどね…。
それにしても、これだけ兄弟間でいがみ合って、またトラブルに
見舞われながらも、よくバンドが続いたよな~と思ってしまう。
恐らく四角四面に音楽に取り組むだけでなく、彼らの間にユーモアがあったからではないかと。
オフショットでふざけ合うノエルとリアムの姿からもそんな様子が窺えます。
思えば90年から96年頃は、音楽を聞いてていちばん楽しかった。
オアシスとかブラーみたいな時代を代表するバンドもいたし、音楽雑誌とフジテレビの
深夜番組『ビートUK』だけを便りに無名の新人バンドのCDを買うのもスリルがあった。
また出て来る新人出て来る新人、いいバンドが多くて。シーン自体も活気づいてて勢いがあった。
今の音楽シーンを見てみると、チマチマと小さくまとまってしまっている様に感じられてならない。
『俺たちは楽曲配信はしねえ!俺たちの曲が聞きたきゃCDを買え!ライブも配信しねえ!
俺たちが見たかったらライブ会場に来い!』なんて、気骨のあるバンドはいないものか。
ストーンズやポール・マッカートニーといったベテラン勢が現役なのはいいことだけど、
後に続く若者たちがいないと、本当にこのままではロックは死んでしまうのではないか?
…と、そんなことも考えさせられる一本でした。
では、今日はこの辺でおやすミサティ★