こんばん優☆ & こんばんポノック♪
元ジャックスの早川義夫氏が音楽活動から離れて書店主をしていた頃に書かれた本の文庫版。
実はこれ、学生の頃に図書館で借りて読んだことがあります。
その時はジャックスのこととか何も知らなくて、普通に
本屋のご主人が書いたエッセイ本として読んでました。
後にジャックスの音楽を聞く様になり、早川義夫氏がジャックスをやめてから
本屋をやっていて本も出していたと知って、あれ?それってあの本かな?と。
そんなことを正月休みにふと思いだし、久しぶりに読み返してみようと購入。
ちびちび時間かけて読むつもりが、困ったことにめっぽう面白くてすぐ読み終わってしまった。
内容は大きく分けて三部から成っていて、一部は早川書店で
発行されていた『読書手帖』にご本人が書かれたエッセイ。
二部は様々な雑誌に掲載された原稿をまとめたもので、三部は別の本から抜粋・追加されたもの。
あの…30年ぐらいぶりに読み返して、ちょっと反省しました。
欲しい本が書店になくてぶーぶー言うのはお門違いなんだなと。
現在はどうか分からないけど、この本が出た80年代は本の流通システムが相当複雑だった
らしく、店に置きたい本やお客さんから注文を受けた本がなかなか届かなかったらしい。
大半の内容は、そんな状況を何とか理解してもらおうと、これでもか!と筆の
限りを尽くし、どんな流れで書店に本が並ぶかという説明で占められている。
これがまた本当に複雑で…とにかく、欲しい本が届かない代わりに欲しくない本は
届くという何とも不条理きわまりない状況であったことだけはよく分かりました。
それと、どこの世界にもやっぱり面倒くさい客はいるんだなと(自分も
たまに立ち読み目的で本屋に行くから、人のことそんなに言えない)。
しかし、この本の面白さはそういった不満を早川氏独特の味のある文体で書き綴ってあるところ。
あるいは読む人が読んだら湿っぽく受け止められるかもしれない。
でもジャックス解散後に出た早川氏のソロアルバム『かっこいいことはなんて
かっこ悪いんだろう』に通じるものがあって、じんわりと染みるものがある。
「気弱なものが遠慮して、図々しいものだけが得するような、そんな世界は、できることなら作りたくない。」
「僕たちは、気取った人や威張った人に、もっとも弱さを感じた。自分の弱さを認めるのが強さなのではないだろうか。」
この二文には特にグッと来た。全くもってその通りだと自分も思う。
もう一つ、早川氏が書店を畳む日のエピソードは、つい自分と重なり胸が詰まってしまった。
嫌だ嫌だと思っても、そんな中にも幸せってあるもんだよな…と。
自分も不満たらたらで掛け持ちの学校辞めたけど、辞めた
途端に楽しかったことばかり思い出して困ってますから。
早川氏の著者は他にも数冊あるので、折を見て読んでみようと思ってます。
さて、明日は久々のホリスペ。
何とまさかのサバゼロ復活!
男装にエアバンドと不安要素ばっかだし、今回限りなのかマベと
二本で継続するのかも分からないし、とにかく見届けて来よう。
では、今日はこの辺でおやすミサティ★