バブル崩壊の傷跡がまだあった!兵庫県姫路市大塩町 | 日本の歴史と日本人のルーツ

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兵庫県は神戸市と競争するようにバブル経済を突き進んでいたが、まさか、今まで傷跡を隠していたとは!

まとまった土地を有効に使って欲しい。

兵庫県姫路市大塩町


参考

兵庫・姫路の巨大リゾート破れ 世紀構想、バブル崩壊で頓挫 月末にも正式廃止

神戸新聞(2019.7.15、参考)

「住・遊機能を備えた21世紀海洋理想都市」をうたい文句に、兵庫県姫路市臨海部に広がる甲子園球場約45個分の敷地で計画されたリゾート開発が、半世紀ほどの時を経て廃止される見通しとなった。ヨットを係留するマリーナや水族館、ホテルなどの集客施設に、4千戸超のマンションなどを備える壮大な構想。高度成長期に動きだし、バブル崩壊で頓挫しながらもなお、計画だけが生き続けた。そして今、検討される道路計画によって土地の将来性に再び脚光が当たりつつある。(小川 晶)


姫路市によると、開発計画は山陽電鉄大塩駅の南に広がっていた塩田開発の跡地利用として始まった。敷地面積は約174ヘクタールで、市が主導し、兵庫県は港湾管理者として関わった。

1971年3月、県の港湾計画に盛り込まれ、12月に市が開発の基本計画を策定。市のほか、銀行や鉄道会社、百貨店など大手企業24社からなる調査会が検討を進めた。

構想をまとめた90年5月の調査会の報告書によると、同年に開業したゴルフ場を取り囲むようにマリーナや水族館、ショッピングモール、ホテルなどの施設が集積。500戸の一戸建てと3600戸のマンションの住居区画が併設する。

総事業費は、現在の姫路市一般会計予算の約6割に当たる1350億円で、集客施設の年間利用者数は、姫路城の入城者数の3倍近い450万人と試算。市の担当者は「バブル期とはいえ、計画先行でよくここまで描いたものだ」と驚く。

構想が公表されて程なくバブルが崩壊し、計画は暗礁に乗り上げる。93年の港湾計画では、マリーナを陸地に造成する「掘り込み」から海上へ広げる「沖出し」に変更。陸地部分の計画面積は29ヘクタールと大幅に縮小された。

県港湾課によると、用地買収の難航も背景にあったという。担当者は「今なら構想自体が即中止になるはずだが、バブルを引きずり、形を変えてでも残そうとしたのでは」とみる。

だが、景気低迷が長引き、95年に調査会が解散。事業主体も決まらず、用地買収も滞ったが、市は2010年代に入っても調査費300万円の繰り越しを続けた。地権者への配慮のほか、実現を前提に用地の一部を取得した企業があったことなどから廃止の決断がずれ込んだとみられる。

構想に終止符を打ったのは、今年6月の県港湾審議会姫路港部会。県と市が調整し「経済情勢やニーズの変化」を理由に港湾計画から削除する方針が固まった。国の手続きをへて、今月末にも正式に廃止される見通しだ。

一方、“塩漬け”が続いた予定地は現在、草地を埋めるように産廃施設や太陽光パネルが広がる。市によると、新たな開発計画もなく、土地利用に大きな変化はなさそうだが、将来性を評価する声もある。

国が検討を進める「播磨臨海地域道路」(神戸市-太子町)で、予定地周辺を道路が通るとの期待が高まっているためだ。地元の関係者は「都市圏の臨海部でこれほどまとまった土地が残っているのは全国でも珍しい。地域道路の整備が進めば、さまざまな活用策が出てくるだろう」と話す。