福江駅、JR西日本 | 日本の歴史と日本人のルーツ

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かつての山陰本線の福江駅にも駅員さんがいた。切符の販売、降車のお客の切符の受け取り、単線運転の列車のタブレットの受け渡しなどを担当していた。しかし、極小の駅の一つとして、無人化されてしまった。

現在では大きな駅でも合理化が進行しているようだ。ITに慣れた現代人には特段の不自由は無いとは思うが、寂しい限りである。


参考

① JR西日本 福江駅(wikiより)



② JR西「みどりの窓口」大幅削減はそこまで問題か

東洋経済(2019.4.5、参考)

杉山 淳一:フリーライター

券売機と窓口の両方がある駅。券売機の役割は今後さらに高まるのだろうか(写真:akira/PIXTA)

2019年2月19日、JR西日本は定例の社長会見で「みどりの窓口」を大幅に削減する方針を明らかにした。現在は180の駅にあるみどりの窓口(対面窓口)を2030年までに30駅程度に減らすという。なんと150駅もの削減で、報道各社が一斉に報じた。しかも記事の見出しに「2030年までに」を入れなかったから「すぐにでもなくなる」とか「3月16日のダイヤ改正で実施か」という誤解があちこちで生じたようだ。もちろん報道側の問題であってJR西日本に非はないのだが。

JR西日本社長会見は、公式サイトに動画と書き起こしがある。確認してみれば「2030年までに30駅程度にする」つまり今後11年間かけて徐々に減らしていく。また、代替手段として「みどりの券売機プラス」は現在の50駅から100駅程度へと倍増させる。さらに「高性能券売機」は現在の70駅から、ほぼすべての有人駅に設置する。JR西日本の有人駅は、先日開業したおおさか東線の放出―新大阪間を含めて516駅ある。全1173駅の約44%だ。

券売機で不便を解消できるか

対面窓口が減り、機械に置き換わる。さて、これで利用者側は不便にならないか検証してみよう。まず、ほぼすべての有人駅に設置される高機能型券売機だ。これはJR西日本の関連会社、JR西日本テクシアの「HT50-II型」だ。前モデルの「HT50型」は乗車券購入のほか、ICカード乗車券のチャージ、定期券の購入・継続ができる。クレジットカードの決済にも対応する。「HT50-II型」はその上位版として機能が追加されるようだ。

「みどりの窓口」の機能のうち、定期券についてはすべての有人駅で対応可能となる。ただし通学定期券の新規購入、4月をまたがる通学定期券の継続は不可。通学証明書を提示し、窓口で確認する必要がある。

証明書の確認機能が付いた券売機は「みどりの券売機プラス」だ。従来の指定席販売機能を持った「みどりの券売機」のバージョンアップ版で、特徴はオペレーターとの対話機能だ。スピーカー、マイク、受話器、モニターのほか、書見台とカメラが付いている。この書見台に通学証明書を載せれば遠隔操作で確認できる。ジパング倶楽部の割引証も使える。券売機の操作がわからないときもオペレーターを呼び出して相談できる。オペレーター呼び出しで依頼すれば、従来の券売機で購入できなかった寝台券も購入可能だ。

機械の操作を苦にしなければ、いままでみどりの窓口でできたことは、「みどりの券売機プラス」で可能。2030年までに対面窓口約30駅、みどりの券売機プラス約100駅、合計約130駅になる。現在、180の「みどりの窓口」のサービスは、機能的には約50の減少である。そして、みどりの窓口のうち、主な扱いが定期券だった駅は高機能型券売機で対処することになる。みどりの窓口のなかで、指定席券需要のない50駅が閉鎖、高機能型券売機へ置き換えと考えていい。

「機械で十分な対応ができる」というと「機械に不慣れなお年寄りはどうなのだ」と反論がありそうだ。しかし、10年後のお年寄りはどうか。私のような50代が60代のお年寄りで、現在の60代が70代。テレビゲームやマイコンを経験した世代である。機械に不慣れなお年寄りなんてほとんどいない。現在70代、10年後に80代以上の世代は家族がサポートしてくれるし、独居であればたいていのことは自分で解決できた人である。もちろん、対面販売のほうが細やかな対応ができるし、人に優しい。それは当然で、だからこそ対面窓口は約30駅が残る。こちらを使えばいい。

救済手段も用意している

「みどりの窓口」の2030年までの段階的な削減予定数は定まっていない。「お客様のご利用状況や周辺環境などを総合的に勘案しつつ、段階的にみどりの券売機プラスへの置き換え、みどりの窓口の廃止を進めてまいります」(JR西日本)。

みどりの窓口を継続する30駅については「まだ検討中で、個別の駅の計画は言えない」とのこと。しかし会見では「拠点駅や新幹線停車駅」と発表している。JR西日本の新幹線停車駅は山陽新幹線で19、北陸新幹線の既開業区間で6。2020年度開業区間が6。これだけで30を超える。在来線駅のほとんどは対面窓口が消えるという勘定になる。山陰地域が空白になりそうだ。

私のような「乗り鉄」にとっては、券売機が複雑な経路の切符に対応するか不安だ。私は経由地が多い乗車券や、それに付随する特急券について、図を作って持参し説明する。こういう注文に対しては「書見台に載せていただければみどりの券売機プラスでも発売可能です」(同)とのこと。ただし、「券面にすべての経由地が入らないなど、経路を手書きで対応しなければならない場合は駅係員による対応になります」(同)という。オペレーターの指示を受けて、事務室の駅員が手書き対応してくれる。対面窓口のある駅へ足を運ぶ必要はない。

それでも対面する必要がある場合はどうか。JR西日本の都合で対面窓口を廃止しておきながら、対面窓口のある駅まで切符を買っていかなくてはいけないか。

「切符の発券等でお困りの際はお近くの駅係員やオペレーターがお手伝いさせていただきます。そのうえで、みどりの券売機プラスで取り扱えない場合に限り、お越しいただいた駅から近隣駅の往復を便宜的にご乗車いただく取り扱いを行っております。その運賃等につきましてはお客様にご負担いただくことはございません」(同)

近隣駅のみどりの窓口に出向く可能性があることを考えると、JR西日本としては、山陰地区にもみどりの窓口は残しておく必要がありそうだ。

旅行会社にも「みどりの窓口」はある

みどりの窓口など対面販売の縮小はJR西日本だけではない。JR東日本、JR東海も対面窓口の券売機転換を進めている。JR北海道、JR四国、JR九州は駅そのものが無人化される傾向だ。そこで頼りになる存在が大手旅行会社の支店や営業所だ。

私自身は、みどりの窓口を利用する機会が減っている。私鉄沿線に住んでいるため、わざわざJRの駅まで出向くよりも、最寄りの私鉄駅付近の旅行会社で切符を作ってもらう。駅から離れたショッピングモール内にも営業所があるから、クルマで買い物に行くついでに切符を買える。とても便利だ。

旅行会社はツアー商品や航空券、宿泊の手配を組み合わせた乗車券を扱うところだけれども、大手旅行会社はJRの切符だけでも販売する。しかも余分な手数料はかからない。その理由はJRとの契約による。営業所にJRのオンラインシステム「マルス」の発券端末を設置する場合は「マルスを置いた場所をみどりの窓口とする」からだ。かつては旅行会社のカウンターにも「みどりの窓口」の看板があった。

旅行会社は手数料ビジネスだ。交通や宿泊を仕入れて販売し仲介料や手数料を取る。ゆえに旅行代理店とも呼ばれてきた。そして、ほとんどの旅行会社は利用者からも手数料を得る。旅行業法第12条の4に準拠した料金だ。例えば「宿泊機関と、運輸機関・航空券・観光券等の複合手配旅行の場合」は「旅行費用合計額の20%以内(下限1620円)」だ。「運輸機関1件1手配につき費用の20%以内(下限1080円)」とも定められている。

ところが、マルス端末を持つ旅行会社は前述のとおり、JRの切符を単独で手配する場合に限り利用者から手数料を取れない。その代わりJRから手数料を受け取る。しかしそれは数%以下だ。2万円の新幹線の切符を買っても1000円以下。ちっとも儲からないから、旅行会社はJRのみの販売には消極的にみえる。乗りたい列車が定まらず長居するJR切符購入者よりも、数千円の日帰りバスツアーをグループ客に売りたくなるだろう。

そんな事情がわかるから、私はなるべくわかりやすい行程図を作り、全行程の切符を一括で購入して単価を上げる。招かれざる客だろうと思って、かえって気をつかう。そのほか、駅に比べて窓口の営業時間が短い、相談客が多いから待たされるなど、利点ばかりではないけれど、JRの駅が遠ければ旅行会社は役に立つ。

チケットレスが進めば窓口は不要

みどりの窓口が減っていく。でも旅行会社を活用すればいい。そういう話だけれども、実はそんなに困らないかもしれない。2030年まであと10年以上もある。10年も経てばITは確実に進化する。日本でiPhoneが発売されて10年あまり。いまやスマートフォンで電車に乗れる時代だ。鉄道も新幹線や大手私鉄の特急などでチケットレス化が増えてきた。

2030年は「券売機やチケットレスサービスが主流になり、対面窓口などいらない」という時代になっているかもしれないし、いまは絵空事のようなMaaSとやらが当たり前のサービスになっているかもしれない。

「みどりの窓口を減らし、その代わり券売機を増やします」という施策に対するツッコミどころは、むしろ「2030年になってまで、まだ紙の切符を買わせるつもりか」といえそうだ。