家屋について、豚小屋やトイレを主屋から離して清潔である。結婚についても日本と同じ一夫一婦制で、男系相続であった。
同族のハニ族は天まで棚田を作って稲作をしている。ミソや納豆といった発酵食品、焼畑農耕の歴史、歌垣の文化など日本との共通点も多く、日本人起源説もある。
参考
① チャン族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/13 17:58 UTC 版)
宗教
アニミズム
チャン族は古代羌族の時代から脈々と受け継がれてきた原始宗教である精霊・多神崇拝(アミニズム)を信仰している。彼らの精霊・多神崇拝というのはいわゆるアニミズム的観念であり、全ての人間には霊魂が宿っていて、それが外界の物事に推し及ぼし、あらゆる物,場所に精霊が存在し、行動していると考えた。しかしながら、歴史的に他の外来宗教の流入によってアニミズムにいくらかの影響があり、とくに1月9日の「上元会」、4月8日の「仏祖会」、7月19日の「玉皇会」といった道教の行事が強制されたこともあった。彼らの宗教は多神教であるため、数多くの神が存在する。
その中でも彼らがもっとも崇拝してきたのは「天神(太陽神)」である。天神は万物を主宰し、人間と家畜に禍福を及ぼす神であると考えられた。この天神を主神として山の神,火の神,羊の神,水の神,土地の神と続き、全部で10数種類もの神が存在するが、「万物有霊」の考えから「着物の角」から「体の垢」、「吐息」にいたるまで、ありとあらゆる万物に霊が宿ると信じられている。
このように形あるものから形のないものまで崇拝するのであるが、形のない神々に対しては「白石神」といって石英をその神々に見立てて崇拝する。これは彼らの「白石伝説」に基づく考えなのであるが、伝説では強敵の戈基(ガァチィ)人を神の啓示によって倒したチャン族は戦勝を記念して神を祀ろうとしたが、神に形がなかったため、夢(神の啓示)で見た石英を神の象徴として崇めるようになったという。この「白石伝説」はチャン族の儀式で必ずシャーマンによって唱えられ、彼らの神話として語り継がれてきた。
チャン族の宗教で欠かせないのがシャーマン(巫師)である。シャーマンはチャン族の言葉で「許(シュイ)」と呼ばれ、生産にも従事している宗教職能者であり、神と通交し、悪魔とも接触するので、人々が祀る神々以外に彼自身の保護神を持っている。彼は民族の歴史や伝説に通じ、さまざまな神話物語と故実の由来などを暗誦しており、各種の記録されていない呪文を唱えることができ、神通力を発揮する法器をもっていた。そのため人々は彼が自然を自在に操る才能を備え、風雨を呼ぶことができ、家畜と作物を繁殖させ、運命の吉凶を変える能力をもっていると信じた。シャーマンはさらに医者でもあり、どのような病気も治療できるとされた。それゆえにシャーマンは長年にわたってチャン族の社会生活で重要な地位を占め、人々の精神上の指導者というべき存在であった。
シャーマンは徒弟制によって養成され、経典がなく、一切の呪文は師匠の口伝にたよる。弟子の数人に制限はなく、伝授は多く夜間に挙行される。その時間は労働後の余暇でもあり、神秘性を添える時間でもあった。その学習は通常3年ないし5年を要するが、全ての呪文を暗誦して使用することができ、一切の儀式を熟知すれば「謝恩儀礼」を挙行して正式に「卒業」が申し渡される。その時になると弟子は師匠を宴会に招き、靴,靴下,衣裳などを謝礼として師匠に贈る。師匠も法器一式を弟子に贈り、弟子が独立することを許可する。