弁護士に依頼した方がいいのかしら?~弁護士への依頼① | 金沢の弁護士が離婚・女と男と子どもについてあれこれ話すこと

金沢の弁護士が離婚・女と男と子どもについてあれこれ話すこと

石川県金沢市在住・ごくごく普通のマチ弁(街の弁護士)が,日々の仕事の中で離婚,女と男と子どもにまつわるいろんなことを書き綴っていきます。お役立ちの法律情報はもちろんのこと,私自身の趣味に思いっきり入り込んだ記事もつらつらと書いていきます。


 この「弁護士を選ぶ」のシリーズでは,これまでは,弁護士に委任することを前提に,どんなふうにして弁護士を選んだらいいのかをお話してきました。
 この記事では,そもそも弁護士を依頼しないでご本人でやった方がよいのか,それとも弁護士に依頼した方がよいのかをお話したいと思います。


 ま,端的に答えるならケースバイケースです。


 弁護士は敷居が高いです。
 でもね,ちょっと考えてごらんなさい。他の士業の方々,探偵業の方々,各種カウンセラーの方々。事務所をね維持していく,つまり,賃料払って,水道光熱費払って,従業員給料払って,自分の収入も得て……
 大きな差なんてないんです。

 たとえばね,債務整理,過払金返還……司法書士の先生方の報酬水準と弁護士の報酬水準と大して変わりません。あ……首都圏の弁護士の報酬設定は~…え!?と思うの多いです。たとえばですね,金沢の弁護士は,破産事件で,免責で成功報酬請求する人なんて,まずいません。はい,いませんん。たぶん,どの先生もね,司法書士の先生に,書類作成を依頼するのと同レベル…首都圏ってなんか別世界…。

 あとね,法テラス利用について,
法テラス・経済問題はこれでクリア(女性) のシリーズで記事を書いて,弁護士費用の負担を少なくしつつ自分が依頼したい弁護士を利用する方法について具体的に紹介してきました。うん,法テラス,頑張れ!

 でもね,格安法テラスと言っても,庶民のお財布感覚からしたら高いです。
 この日本の離婚の圧倒的多数は協議離婚であり,別に弁護士に依頼してません。
 ご自身でハンドルできることはご自身でハンドルするのが一番いいのです。
 法テラスの無料法律相談や市役所の無料法律相談で法的な助言を受け,あとはご自身で対処する。
 それはそれで,ご自身の現実対処能力がきちんと生かされているわけです。


 その一方で,専門は専門だけあるだけで,その専門の力を上手く使うことができれば,とても有用だという場合はそれなりにあります。
 私,よくこんな譬え話をします。

 ちょっと身体がだるいかな,風邪ひいたかもってとき,慎重な人は医者のところへ行く。
 まあ,忙しかったりなんかすると,市販のお薬で対応したり,人によっては卵酒飲んでグーと寝て直したり。
 心臓の弁がおかしくなったときに市販の薬で治す人いません。家庭の医学で直そうとするのは非合理的です。そういうときは,まあ石川県だったら,金沢大学付属病院とか県立中央病院とか行くんじゃないですかね。


 4月8日にアメブロを始めましてね。
 とんでもない弁護士にぶちあたってしまったという記事を読むことがあります。
 他方で,素敵な弁護士に出会ったという記事を読むこともあります。
 本来であれば,そういう当たり外れは,ない方がいいです。
 でも,あるんでしょう。
 相性の問題もありますし。
 特にDVとかモラハラとかは,分かってる人,分かってない人の落差が大きいかもしれない。

 全ての弁護士がOKだなんて言うつもりはありません。
 かく言う私だって,私と相性の合う人,合わない人,いると思いますよ。本当にそう思います。


 ただね,私,いろんなブログを見てましてね,ここで事実としてはっきりと専門職を利用するみなさんにお伝えしておきたいことがあります。

① 
 離婚について,保護命令,調停,訴訟,強制執行を,当事者の代理人という立場で経験しているのは弁護士だけです。弁護士以外は取り扱っちゃいけないんですもの。

 このことは,とても大きいんです。
 実務感覚というのは,馬鹿にできないんですね。
 
 ネットの世界を見てますと,司法書士の先生方,行政書士の先生方,探偵業の方々,各種カウンセラーの方々,離婚について,さまざまな情報発信をされてます。
 かなり法律問題に踏み込んだ記事をあげている方々もおいでです。

 困ったことに,実務でまず採用されていない少数説をそれが通説的見解のように紹介されている方もいます。じゃあ弁護士が情報発信している法情報が全て妥当かというと,これまた,うーんという記事があったりしてね。そこは結局はその内容によるんですけどね。

 でもね,実際に,調停や訴訟を代理人という立場で経験できないということはとても大きいことなんです。
 例えば,私,法テラスに関しての記事をあげまくりました。こういう記事ね,弁護士は,書こうと思えば書けるんですよ。だって普段の仕事でやってることですもん。
 司法書士の先生方は,書類作成援助だったかな,その領域で法テラスに関わっている。だから,その点では書ける。代理援助は,離婚の事件では,完全に権限外ですから。書けませんよ。
 行政書士の先生方,法テラス利用はできません。事実としてそうです。だから,離婚協議書の作成に法テラスの利用は最初からできません。そのこと,HPで告知されている行政書士の先生方がいたら,私,尊敬します。本当に,尊敬しますよ。

 まだ記事にしてませんけどね,調停だってそう。実際に,依頼者と一緒に調停へ生き,待合室で長々と依頼者と一緒に待っていて,そこでもいろんな話をして・・・・そういう弁護士だから分かる当事者の思い悩みとか思考整理のポイントってあるんですね。

 訴訟を実際に経験しているから,訴訟化した場合のメリット,デメリットもきちんと依頼者に説明できるんです。
 経験していない人が抽象論で語ることは,一般に浅薄です。一面しか見ていない。自分の扱っている分野に肩入れし過ぎて,他の領域のメリットを見ることができなかったり。迅速解決のためには調停が一番ですよ。円満解決,いい言葉です。でもね,DVだ,モラハラだでね,苦しんできた被害者の切実な感情は,円満解決,合意調停では収まらない場合だってある。訴訟化をあおるかとかじゃなくってね,その人自身の意思にどれけ寄り添えるか,そして,全ての手続きを代理人として経験しているのは誰か?。現行法では弁護士しかおらんのです。


 個々の記事を読みますと,司法書士さんでも,行政書士さんでも,探偵業の方々でも,各種カウンセラーの方々でも,よく勉強されていて,やたら細かい法律問題まで正確に記事にされている方もおいでです。

 それはそれで有用なのですけれどね,私ね,ひとつお願いしたいことがあるんです。

 相談を受けていてですね,問題が調停とか訴訟とかでしか対応できなくなったら,自分たちはそれはできないんだということを,でかでかとHPをごらんになる皆さんに告知してほしいです。

 自分たちは,調停や訴訟を当事者として経験したことはなくて,たとえば離婚協議書を作成するという離婚の法律紛争のごく限られた範囲での実務経験しかないんだと,しっかりHPで書いてほしい。

 それが利用者の利益のためでしょう?
 

 DVとかモラルハラスメントとか子どものこととか,法律や法的手続ではないところで情報発信される分には,私は,何もいうつもりはありません。そういう分野は,私自身も素人ですもの。
 実際,なるほどなぁと思う記事ありますし。

 いわゆる離婚弁護士さんのHPとかブログとかであまり情報発信されてない分野ですし。
 実際,私も,うーん,なるほどと勉強になることが多いです。

 でもね,調停や訴訟で,そういうDVやモラルハラスメントの実態をどう説得的に主張立証していくか・・・・離婚の法律問題の一応の解決を考えた場合,これはとても大きなことなんですね。
 「DVの精神的暴力やモラルハラスメントは見えにくい,警察や裁判所にはなかなか理解されない。」でストップしちゃ,当事者は,路頭に迷うわけですよ。じゃあ,どうすりゃいいの?ってなっちゃいます。

 現状がこうだ,心理の面ではこうだと分析し,情報発信することはとても大切なことです。
 でも,皆さんが,実際にその渦中にある場合,そのような情報によって,気づいたとして,じゃあ,その次は,ご自身の決意を固め,いろんな外部に働きかけていかないといけないんですね。
 この外部に働きかけるという行為を各段階,各場面でノンストップで行えるのは弁護士しかいません。当然,その実務経験を蓄積しているのも弁護士だけです。

 例えばね,警察の対応について言いますとね,私ね,警察は,一応,プラス評価です。
 そりゃ最初はね,いろいろあります。まあ傷つけられた人も多いですよ。はい。多い。私が扱ったケースの依頼者もそう。

 でもね,私の経験上はね,最初のボタンのかけ違えです。
 警察の限界とその権限行使の有用性をしっかり分かって,いかに警察の権限行使を引き出すか。きちんとした関係を築き,依頼者のために警察に頑張ってもらうようにもっていくか。それが弁護士の実務経験なんです。

 これまでのところね,ストーカーやDVで警察介入をお願いしたケースでは,依頼者の方々は,皆さん,警察に感謝してますよ。最初はね,行き違いがあったり,警察への不明不満があったり…。でもね,権限があるところはしっかり利用しなといけない。警察だって,いろんな限界を頑張って突破できればね,県警本部長表彰とかもあるんです!したたかに警察とつきかって,win-winになることが依頼者のためなんです。

 だって,戦う相手は警察じゃないんですもの。
 きちんと敵を見定めて,そして,警察に味方になってもらなわないといけない。そのために,警察ときちんとつきあえる弁護士って有用なんです。


 くれぐれも誤解しないで下さいね。
 私,弁護士が弁護士という資格があるだけでOKだって言うつもりはないです。
 ブログでいろいろ言われているトンデモ弁護士さんたち,実際にあるんだろうと思いますよ。

 また,私に関しても,私があらゆる面でOKだなんて傲慢なこと言うつもりないです。至らないところ,沢山あります。うん,あるかも。

 私ね,他の士業の方,各種カウンセラーの方々の情報発信,参考にしてますよ。
 うーん,なるほどとか,うん,これはいいとか言うの沢山ありますよ。
 ただね,私は,私自身の経験に基づいて取捨選択してます。

 ネット情報は,有用な情報も不正確な情報も有害情報も溢れかえっているように思います。
 情報リテラシーなんて言葉もありますけどね……
 
 そんな情報の洪水の中に投げ込まれているからこそ,ご自身でいろんなn情報を集め,前提知識を得て,可能な限り正確に判断するということが大切になってくるように思います。

7 
 うん,なんかまとまらないな。
 まあ,こういう雑文があってもいいじゃないですか。

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