同シリーズの前記事無料で3人の弁護士に法律相談しよう!~弁護士を選ぶ(女性の方へ)・3-3の続きです。
同シリーズのその前の記事3人の弁護士をふるいにかける4つの視点~弁護士を選ぶ(女性の方へ)・3-2で,弁護士を選ぶ4つの視点を紹介しました。
1 まずは視点その1。本記事のタイトルのとおりです。
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「ストレスを感じず」は,これまで私が繰り返し書いてきたこと,すなわち,DV被害者の場合,DV加害者の夫による「パワーとコントロールの車輪」の関係が,専門職による「パワーとコントロール」の関係に横滑りしやすいということから特に重要です。
この記事から読まれた方は,さしあたりこちらの記事をお勧めします。
金払って頼んだ弁護士が敵になる?~弁護士を選ぶ(女性の方へ)・1
まあ,DVでなくても離婚でなくても,長時間の打ち合わせとかもありますので,その弁護士と話をすること自体ストレスで一杯ということだと問題です。
悩ましい調停や訴訟の道のりがさらに苦しくなります。
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「救済者でもなく」は,この記事で初めて書くことです。分かりにくいので説明します。
離婚の問題に限らないことですが,とても苦しかったり悩んだりしている最中にあっては,弁護士の言葉に希望を見いだしてそれにすがりつきたくなることがあります。特に,これまで弁護士に相談してきて,あまりいい対応をしてもらえなかった場合とか厳しい話ばかりを聞かされてきた場合とかですと,希望を与えてくれる話に一気に救われる感じになり,その弁護士に傾倒してしまうこともあります。そして,すぐにでもその弁護士に依頼したいという気持ちになります。
「持っていかれる」のですね。
そういうときは,立ち止まって落ち着きを取り戻すことが大事です。
私は,法律相談で,相談者がそういう心理になっているかも?と感じたときは,次のように話すことにしています。離婚の問題に限ったことではありません。
これまでつらい目にあってきて,他の法律相談でも失望することが多かったため,本日の相談では,あなたは,暗闇に一筋の光が差したように感じているのかもしれません。
しかし,そんな心理状態で大事なことを決めるのはあなたにとってよいことではありません。1週間くらい時間を置いて,本当に私でよいのかゆっくりお考えいただけますか。
弁護士は,キャッチセールスやアポイントメントセールスや霊感商法のようなやり方で依頼を引き受けてはいけないと思うのです。
もちろん,あなたが1週間くらい熟慮した後に私に依頼されるなら,私はそれをお引き受けしたいと思います。
その弁護士が「救済者のように感じられる」ということで,ただちにその弁護士がアブナイということを言いたいのではありません。その弁護士は,もしかしたら素敵な弁護士かもしれませんし,他方で,霊感商法のようなコントロールでぐいっとあなたを引きつけることを意識的にやっているのかもしれません。
落ち着いて前者に近いのか後者い近いのかを落ち着いて考えてみましょう。
素敵な弁護士さんが「救済してくれる」なら,これほど嬉しいことはないではないか?と思われる方,その考えは間違っていると私は思います。
これまでの記事で強調してきたこと,それは,「自分で決める」ということの重要性です。自分で決めて歩いて行くその道のりこそが,あなたの誇りや自尊感情を回復していくものなのです。弁護士を含む専門職は,そのようなあなたを横で支えてあなたの決定を手助けしてくれる伴走者に過ぎません。
このことについては,例えばこの記事を。離婚の道のりと目指すもの・3-3~当事者の権利vs専門職支配②
専門職に向けて書かれた本でも,「救済者感覚」を持ってはいけないということが強調されています。「救済する」「援助してあげる」「助けてあげる」といった感覚で当事者に接することは,その方ご自身が本来持っている力を奪っていきます。当事者ご本人が本来持っている力を信頼し,それが発揮できるように情報を提供し,複数選択肢を紹介してメリット・デメリットを伝え,一緒にあれこれ考えて,その上で,ご本人に決めていただくことが大切なのです。
「持っていかれそうな」自分を感じたときは,立ち止まり,時間を置いて熟慮しましょう。その後,その弁護士に依頼したとしても,そういう期間を置いてご自身で選んだということはとても大きいのです。なぜなら,その後のあなたとその弁護士との間の関係,距離感を適切なものとするのに役立つからです。
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「お友達」というのは,
3人の弁護士をふるいにかける4つの視点~弁護士を選ぶ(女性の方へ)・3-2 の記事の中では, 「あなたが気のゆるせる友人と話しているのと近い感覚で話ができるのは誰か。 」という表現をしていました。
もう多くの説明を要しないと思います。
もちろん,専門のパワーがあり,「お友達の感覚」というのはなかなか遠いものがあるでしょう。そのことを自覚しつつ,なるべくそれに近い感覚,リラックスできて,対等の関係で話し合いができるような感覚が大切だと思います。
では,このシリーズの次の記事は,視点その2
それぞれの弁護士で見解が一致するところと見解が食い違うところについてどのように考え,どのように相談を進めるか。」
について書いていきます。
つづく・・・・
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