第1067話 剣客商売雑感(2)鐘ヶ淵の理由 と 大阪とんぼ返り | 時代劇本舗

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時代劇と食べ物と酒などのことを徒然に綴る予定でござる。

大阪へ行く理由は、大叔母の葬儀でした。

96歳の大往生ですが、とにかく子供の

頃には一杯お世話になったお方です。

岐阜近くでは、田んぼに雪が残っており

ました。今日は振って居なくてラッキー

であります。

大阪、堺市斎場でお通夜に参列です。

 

そして、新大阪駅にとんぼ返り。月曜日

は出勤しなければなりません。21時台

ののぞみ号に滑り込みます。

帰りの夕飯は、遅めの時間に肉の弁当。

東海道肉づくしという、なんとも肉食

系の弁当でした。この肉を肴にワイン

をいただき、陶然とした気分で帰京を

いたしました。

 

 

【時代劇こぼれ話】剣客商売雑感

        (2)鐘ヶ淵の理由

 

秋山小兵衛が隠居先として選んだ場所は

鐘ヶ淵。今、鐘ヶ淵駅前にはカネボウの

大きな工場があるのみで、当時の雰囲気

は全くありません。しかし、小兵衛が住

んでいた時代には隅田川の支流が流れ、

静かな町外れという感じだったようです。

 

では、なぜ江戸市中ではなく、江戸の外

れの田舎っぽい場所に住まいを移したの

でしょうか?それは、ある人物の生き方

に共感したからのようです。剣客商売の

中でも、なかなか明らかにならなかった

のですが、シリーズから外れた特別長編

の中で、その説明がされています。

 

まだ四谷に住んでいた小兵衛が、碁敵の

医師小川宗哲のところへ通っていた時、

絵師(だったと思う)をしていた人物と

知り合います。この人物の飄々とした雰

囲気と、人柄に惹かれた小兵衛はすぐに

友達になり、行き来をするようになりま

す。その人が住んでいたのが鐘ヶ淵の元

百姓家で、下女一人を置いて、悠々自適

の生活をしていたのでした。これを見て、

羨ましく思っていた小兵衛ですが、その

人物はトラブルに巻き込まれて殺害され

てしまいました。その後、四谷の道場を

引き払った小兵衛は、鐘ヶ淵に同じよう

に隠居所を定め、おはるを下女として雇

用し、隠居生活に入ったというわけです。

 

江戸の外れですから静かですし、を使

えばどこへでも行けるという便利さもあ

ります。しかも「おはる」は船頭の真似

事が出来るというたくましい少女であり

ました。ここを拠点にして、江戸のあち

こちに出かけ、自らの好奇心のままにい

ろいろな事件に首を突っ込むようになっ

た、小兵衛隠居でございました。

 

お読み頂き、有難うございましたm(_ _)m