Reasonの中でラックに入れて電子楽器のように使える一つ一つの物をインストゥルメントと言います(英語で楽器という意味)が、インストゥルメントには前回のDr. Octo Rex ループプレーヤー以外にも、いろいろなタイプの物があります。
Reasonに付属している物だけでも、これだけある訳ですが、今回のバージョン9.5からは、さらに、VSTという規格に対応している、別売りの音源も追加できるようになっています。つまり、Reasonの会社以外でも興味のある物(初音ミクなどのVOCALOIDが扱えるPiapro Studioなど)を入れたりできるわけです。
これらのインストゥルメントの中で、手軽に使える物として、ID8 インストゥルメントデバイスというものがあります。
前回、Dr. Octo Rex ループプレーヤーを導入した時の手順と同じように、ID8 インストゥルメントデバイスをラックにドラッグするだけで、パネルにはPianoという表示がされ、すぐにピアノの音が出るようになります。パソコンにMIDIキーボード(鍵盤)がつながっていれば、それを弾いてもいいですし、画面に鍵盤を出すこともできます。
その操作は、Reasonの画面の一番下の左側の"KEYS"というところを押します。
Reasonのメニュー、ウインドウの中にある、”オンスクリーン ピアノキーを表示”を選ぶ、あるいは、F4キーを押しても出てきます。
このように、パソコンのキーボードを鍵盤代わりに使えます。これらはマウスをクリックしても操作できますし、サステイン(本物のピアノの機能の一つで、足で踏むペダル。押していれば鍵盤の方の手を離しても音が伸び続ける)はShiftキーでも機能します。ベロシティというのは弾く強さのことです。
ミュートという機能
ラックに入れたインストゥルメントは、それをクリックして選択した状態(青い枠がつく)でdeleteキーを押して取り外す事ができますが、あとで使うかもしれない場合は、一時的に音が出ない状態にしておく事もできます。
それが、下の図で示しているミュートのボタンです。
ID8 インストゥルメントデバイスは、ピアノ、エレピ、ベース、ギター、シンセ、ストリングス、管楽器、ドラム、などの各ジャンルごとに、音色が4つづつ入っている、大変コンパクトなイントゥルメントとなっています。ジャンルは左側の上下のボタンで切りかえ、その音色は右側の4つのボタンで切り替えられます。
○「再生位置を表示」
Reasonのメニュー>オプション、の中にある「再生位置を表示」(あるいはショートカットF)
これは、シーケンサー画面で、現在の場所を自動的に表示するかどうかを決めるものですが、のちのちの作業では重要になるコマンドです。繰り返して聴きながら直したいと思った場合は、これをオフにしておかないと、勝手に画面が進んでしまいます。
そして、録音ボタンを押して「ドミソミドー」と弾いてみると、下のようになります。
このあたりは、他のDAWソフトとだいたいは同じだと思います。弾いた音そのものが録音されるのではなく、楽譜みたいに「どの音をどれくらいの強さでいつ弾いたか」という事が記録されていきます。その情報は直接書き込まれるというより、クリップという枠みたいなものができ、その中に入っていきます。
作業する時は、1、2小節目ぐらいは空けておいた方がやりやすいと思います。
上記画面で、録音された黄色い枠の部分をダブルクリックするか、エディットモードを押すと、下のようになります。
ここで、弾いた時のそれぞれの音の情報を、あらためて調節したりできます。下に出ているのは、それぞれの音を弾いた時の強さ(ベロシティ)です。
ドラッグして全部の音を選び、どれかの音の上で右クリックして出てくるメニューからクオンタイズを選ぶと、音のタイミングをジャストにする事ができます。
ダブルクリックして、音を追加したりする事などもできます。このあたりは、他のDAWと同じような一通りの機能が備わっていると思いますので、他のDAWでの操作も参考になるかもしれません。
ID8 インストゥルメントデバイスでのドラムの打ち込み
演奏情報を入力していく事を「打ち込み」と言ったりしますが、ID8 インストゥルメントデバイスにはドラムの音も入っていますので、これを演奏する事でドラムのパートも表現する事ができます。前回のDr. Octo Rex ループプレーヤーとはまた違った形でのドラム演奏となります。
例えばこのようにドラム用のID8をラックに入れ、下のシーケンサー部分に演奏を書き込んでいく事になります。ドラムの音色もピアノと同じように一つ一つ配置されていますので、ピアノの演奏の入力と、やり方としては同じです。
これも、録音ボタンを押して、鍵盤を弾いたりして録音していく事もできますが、最初に空のクリップを作り、そこに音をマウスで書き込んでいくような感じでも作れます。
クリップを置きたい部分をダブルクリックすると、このように空のクリップができます。そして、このクリップをダブルクリックする、あるいは、左上にあるエディットモードを押すと、音が置ける画面になります。
あとは、ここにドラムの演奏を書き込んでいきます。このあたりも一般的なDAWと同じです。
鉛筆ツールで書き込めますが、実は、選択ツールのままでダブルクリックしても書き込めます。そして、その音をもう一回ダブルクリックして消すこともできます。
ベロシティは鉛筆ツールで数値を変えられますが、その音が選択されていなくても、その付近を鉛筆ツールで横切るように書くと、そういうベロシティに設定されます。
○取り消しコマンド
慣れないソフトを使っていると、思った通りにならない場合がありますので、そういった時に、編集メニューにある”取り消し”のコマンドは覚えておくと便利です。ショートカットでは(Macの場合は)command + Zです。