下城NY・ニュース、2022年03月

3月に入りもう直ぐ冬も終わるというものの実際にはまだ寒いニューヨークですが、毎年このレストランショーが終わった後で暖かくなる、「International Restaurant & Food Service Show」と同時開催の「Coffee Fest」に参加しました。

3月06日から3日間開催されたこの展示会ですが毎年ジャビッツセンターで行われ、去年はパンデミックで中止になりましたので二年ぶりに開催出来て良かったというこの業界で最大級のショーです。

1月のNRF(リテイル)ショーと、4月のインターナショナル・オートショー等が有名で今年は全て開かれる事になります。 

私はこのショーに毎年参加していますが、今年はおそらく例年の半分程のサイズで、出展ブース数は570以上との発表でした。 

会場内は混み合わず参加者としてはむしろ有難い感じでした。 通常長い列が出来る登録とバッジの受け取りをするレセプションも列はありませんでした。

試食も大きな参加理由であるフードショーなので、開催日の前日にコロナの規制も緩んだ事でワクチンパスポートが不要、マスクも外しての試食や会話なので空いている方が少しでも安全という事です。 実際毎年人気の試食スポットである和牛を含むビーフやホットフードのブースもほとんど列はありませんでした。 

試食と書きましたが、実際には食品や食材企業の出展と試食のデモと共に、このショーはレストランの店作りと開店から、食材調達、包材、清掃メインテナンス、運営・宣伝などに関わる全てが網羅されていて、ブースにはニューヨーク・レストラン協会も出展しています。 そしてレストランに付き物のコーヒーやデザートのショーも同じフロアの一角で開催され全てを見る事が出来ます。

会場はジャビッツセンターですから巨大で、ショーフロアの入り口から入ると奥は見え無い程長い、でも今年は参加者数も少ないので悠々と歩けました。

グリーターのおねえさんは、会場内で開かれるセミナーやトークプログラム+実演等の案内をしています。

アメリカ企業ばかりでなく世界中の食品や関連商品を世界企業が紹介出来る場でもあります。

環境や SDG‘sに関するもの、プラントベース等では海外企業が多かった様に思います。

毎年日本からの出展企業も見られ、実際にJETROなどがエリアコーナーを作っていますが今回はそれもなく、日本企業はSUZUMO等アメリカに進出している企業が出ていた程度でした。

ショーのフロアーとブースの写真をいくつか挙げてみます。

食材のチーズのブースですが沢山のチーズありその多くを試食出来ます。

キッチン機器のブースではその機器で何が出来るかを見せており、ホットフードを試食させます。 この1〜2口で食べられるって、味も分かるし、参加者は沢山のブースへ寄るから大き過ぎちゃいけないので、ちょうど良いのです。

コンベンションに出展するというのは、年に何度も無い製造・小売業にとって最大の宣伝の機会でありこの成功がその年と将来に大きく影響するので真剣そのものであるわけです。 ですから各社は一番良いところを見せたいものです。


日本から出展した企業の笑い話しがあります。 (最後に答えが分かるヒント出します)

 

各社がそういう試食を用意し、ホットフードには人気があり特に日本のもの(ラーメンなど)には列が出来、一口ハンバーガーに習って、小さなポーションカップでフォークをつけて一口ラーメンを試食させているその横で、カレー(レトルト)の試食をやっていた日本企業、そこでは事もあろうに

「爪楊枝でカレーを舐めろ」

とやっていました。 多くの客が呆れた事、周りの関係者が誰もそれを指摘しない事、なんとなく恥ずかしかったのを覚えています。

包材や食器、家具什器のブースも多くあり、試食ではなく各々サンプル品を用意しています。

食器や家具はお見せし切れないほどありました。


日本も同じ事が起きていると思いますが、パッケージングに使う包材の素材制限が変わりました。 要するに世界中でSDG’s対応が強まっているので、東側の諸国は分かりませんが、欧米は揃ってプラスチックやビニール、スチロール素材が使われなくなりました。 紙製品に変えるとコストは上がり性能面でもまだまだ、改善の余地がありそうです。 

ストローは元々がその名の通り麦の穂だったもので、そんな商品が市場に出ています。

ショーの会場から少し離れた話しですが、リユース等も大いに使われており、定期契約の惣菜配送などがそれ、又はマイカップやマイコンテナを持ち込んでの買い物も使われています。

*環境に配慮した食品店、オーガニックやアレルギー対策商品を扱い健康志向のマーケットなどで行われていて、バルクの商品は自前のコンテナを持ち込むか、リユース用の容器を購入する事もできます。

大きなチェーン店では見られませんが、商圏によってはこういう事を実践する店に賛同者が集まる傾向があります。

*コンテナという事ではスターバックスをはじめとする多くのコーヒーショップなどでは、持ち込みマイカップに対して割引きをしています。


ニューヨークにはたくさんの日本レストランがありますが、そのうちのいくつかはコンテナ持ち込みを推奨する店もあります。 日本食の惣菜を定期配送するビジネスがあり、そこでは昔からの仕出しのシステムが使われています。

*家庭料理感覚の作り置き出来る惣菜がメニューで毎週替わり、メニューと好みのサイズも選んでオンラインオーダーし、その翌週の決まった日時に配送してくれるサービスです。 特にこのパンデミックで日々の買い物や外食が不便になり、リモートワークや子育て中の家庭等には非常に有難いものと話題です。

保温バッグの中には密閉のコンテナに入った惣菜が詰められて、冷たいままで配送されます。 そのまま冷凍も出来ますが冷蔵保存で約1週間前後持つように作られたもので、翌週の同じ日に容器を回収してくれます。

これはクイーンズの「My Happy Tummy Club」です。 https://www.myhappytummyclub.com/


そのマイコンテナも、保温水筒等で高性能の三重構造など多く見られました。

出展されている食材企業も大小様々で、一般消費者が知るブランドではなくレストラン用のホールセール企業、又は新規参入のスタートアップがほとんどです。

素材としても必要なきのこ、チーズ、世界のスパイスなどのブースです。


もう少しブースを紹介します。

マイクログリーンは可食の草花やハーブも含み、育った野菜にはない色や味と食感、栄養素等があり相当実用されています。  多くの生産農家は近郊のニュージャージー州です。  値段はハッキリ言いませんでしたがひと瓶数百ドルのバルサミコ酢など出ています。 甘いだけのスイーツ、沢山出ていました。


スムージーやカクテルミックスの材料やシロップです。

今年はリカー(アルコール)のエリアは小さく出ていました。

例年は広い一角で、年齢確認して入れるようにして大きくやっていました。

沢山の試食をしましたが、美味しいとかまずいじゃなくて面白い食品沢山あります。 知ってはいましたが今まであまり気にかけていなかったのがこれ「タヒーニ」、ゴマをペースト状にしたものですが、色々な種類がある中でこれはローストしたゴマをすり潰したものなのでまさに日本の練りゴマと同じです。 非常にクリーミで粒は全くないので、サンプルを自宅に持ち帰ってすりゴマに混ぜて使ってみたら匂いも含め全く違和感無しでした。

タヒーニといった場合はトルコやギリシャで使われるイメージで、ひよこ豆(とオリーブオイル等)のペーストでディップ等に使われるフンムスと共に中東方面やアフリカ、地中海方面の食べ物、健康食品という感覚です。

タヒーニの使われ方はドレッシングやソースに混ぜるなど、野菜にも肉にも合うと言われています。

今までに沢山のタヒーニを見て食べてみて色々な味や食感があり、一部商品はロースト前のゴマのペーストなので匂いと味が違うものも知っており、商品を選ぶ必要がありそうですが、健康食品や植物性などが大いに語られる昨今には面白い商材かと思いました。


もう一つはこちらではPurple Sweet Potatoと呼ぶ紅芋商品です。

このBevivaは現在カリフォルニアで通販で売っているそうです。

この紅芋商品の特徴は何かと言うと、グルテンやナッツなどを使わず、大腸に優しいダイエット食という事です。

創業者「Sylvia Tam」さん自身もIBD(Inflammatory Bowel Disease)の病気を持っていて、日常生活でもトイレに行く回数なども多く不便を感じて、西洋と東洋の医学を研究した上でこの商品を開発したそうです。

私自身はお腹の調子は良いので積極的にアレルギーフリーなどに目を向けませんが、現実としてアメリカには沢山の小麦などのアレルギーのひとがいてグルテンフリーの商品が大いに売れています、しかし日本にも同様にグルテンアレルギーの人が相当数居て、これまで気が付かなかった人にも自身のアレルギー性が認識されてきました。

このPURPOシリアルを朝ご飯に食べてみて、この種のXXフリー商品とは思えない程不自然さもなく美味しい事で驚かされました。  ちょっとネットリしているし甘い、紅芋チップにライスのパフ、そこにクランベリーとかパパイヤのハーフドライのチップが混ざって口の中が面白いのです。 砂糖は使ってないけど甘いのはその辺なのでしょう。

商品バラエティーは少なくて、紅芋チップス、紅芋パウダー等ですが、これなら他の商品も試してみたいくらいです。

 

私はシリアルにも牛乳をかけて食べましたが、牛乳アレルギーの人やお腹が弱い人はプラント系牛乳っていう手があります。 勿論ここにはそれも沢山出展され目立っていました。 ビーガン、グルテンフリーなどを謳うものもあります。

もう何十年も前から日本にもあったのは豆乳ですが、以前の豆乳はそのままでは癖があって飲み物というより薬と思えたものでした。 

アメリカではこの10年程で一気に商品開発され、この2〜3年は特に拍車が掛かり、アーモンド、ココナッツ、オーツ(大麦)、ライス、ゴマ、フラックス等から作られるプラント系ミルクとなっています。 最近の傾向はそれらをフレンドする事で更に牛乳ミルクの味に近付けた商品が出ています。 私自身も時々オーツミルクを使う事もあり非常に違和感がなくなっている事を承知しております。

この写真はショーの会場ではなく、健康食品を中心に展開するホールフーズのプラントミルク売り場ケースですが、ここに列記した種類に加えてカシューナッツのミルクやコーヒー用のクリーマー等も扱っている様です。

ショーの会場では、こんな機会なのでもちろん沢山トライさせて貰いました。

お見せし切れませんがプラントベースミルクのブース幾つかです。

MYLKはイングランドのもので、この会場の多くのコーヒー系ブースでも使われていました。 何故なのか聞いてみたら事前に出展ブースと契約をして、どこを見てもこの黒いパッケージが目立つように存在感を作ったのかも知れません。 

この材料はココナッツクリーム、オーツ(大麦)、そら豆となっています。 大豆(ソイ)をはじめとする色々な材料からプラント系のミルクが作られ味も様々ですが、KYLKを飲んでみたら牛乳と同じではないですが違和感がほとんどないもので、最近のプラント系の進化を感じます。 

ゴマのミルクも飲みました、確かにゴマの味です、嫌いじゃないけど、、、、、。

日米ともにギリシャヨーグルトが流行っていますが、ニューヨークではその第一人者かも知れないChobaniがコーヒー用のクリーマーを出しているというニュースは聞いていましたが、Chobani はヨーグルト商品の中にもプラント系も出していたのでその時点でクリーマーやその他の乳製品に出る計画があったのでしょう。 


レストランのショーですから当然本物の酪農家が家畜から作るチーズもバターも、牛乳やクリームも出ておりました。

沢山のプラント系ミルクを並べて、農家さんが本物をどうぞという宣伝をしていました。


今年のレストランショーはパンデミックの影響で縮小開催でしたが去年はキャンセルでした。  次の大きなフードイベントは6月のファンシーフードショーで、3年前のこの時は入り口から大混雑で、日本企業も沢山出ていたのを記憶しています。

仕入先や取引先を探す事は勿論、交渉もすぐその場で始まります。

日本企業を集めたブースを作っていたのはJETROです。 日本からの産品を世界に紹介するこの機会を、日本からでも使い易いようにサポートしている形です。  きっと皆さんご存知の企業も名前が出ているかも知れません。

世界に日本の食文化を紹介するいい機会でもあるので、是非爪楊枝で試食させるのは止めて欲しいものです。


我々コロナのパンデミックだけでも大変な思いをしている22年3月ですが、1ヶ月前からウクライナへの侵攻など始まり混乱に輪をかけている状態で、それが供給体制への影響やガソリン小売価格や物価に悪影響を与えています。


ニューヨークではオミクロンに一定のめどが付いた事で、多くの人が集まるこういうイベントも制限無しで再開しています。

レストランや屋内施設で行われていたワクチンパスポート提示義務やマスク着用も緩み、最新のニュースでは航空便移動や海外出入国の制限も緩和されてきました。 

次は日本も制限緩和が始まっていると聞いており、あと一息だと思いたいところです。

このファンシーフードショーの開催は6月で、日本企業の参加も予定されています。

世界中からの食品、今話題の食品食材を中心に集める全米最大級の食品のショーです。 

おそらく環境に関わる事、アレルギーに関わる事、プラント系などが多く出展されると期待しております。


このショーの前と後に数日の現地の最新マーケットやハイテクを駆使した業態などの視察と研修を予定していますが、現状を見極めて決めさせて頂きます。

アマゾンフレッシュのニュースがいくつか出ていて、ニューヨーク郊外の数店舗が間も無く開店の予定です。

又、このコンベンション会場のジャビッツセンターには、アマゾンGOのPOP-UPストアが出ています。

ハイテクの正反対の事をしてニューヨーカーの人気を一気に集めるトレーダージョーズの最新店があります。

詳細は全てホームページからご覧頂けます。

https://ny-news.amebaownd.com/


世界各国ではコロナ関連の移動制限を緩めている傾向にある様で、イギリスなどはそれを実行に映しています。

ニューヨークに関しては、日本でかけている入国制限が緩和される事で日米二国間の行き来は一気に回復するだろうと感じています。 今回コロナが収まっていたら来たよとおっしゃる多くの皆さんの声をお聞きしました。

いっときも早くそういう事になる様に願うばかりです。

アメリカの最新情報を含めた「2021〜22年の小売業オンラインセミナー」、「NRF 2022のハイライト」、「レストラン&フードサービスショー」用にパワーポイント資料を用意しております。

こららのトピックを中心に、オンラインのセミナーを開催したく準備します。

セミナーは約1〜2時間で、カバーしますのは:

*2年間のニューヨークで起きた事(パンデミックとBLM暴動の影響も含)

 コロナ対応で店舗側がしてきた事、お客の購買動向が変化した事

*各チェーンにおけるコンタクトレス、ハイテクを使った店舗運営の取り組み

  ステイホームの為にアプリを使って買い物、デリバリー、店頭引取り

*アマゾン・フレッシュの実店舗(シカゴ、ワシントン、ペンシルバニア郊外)

*スーパーマーケット・チェーンによるスモールフォーマット展開

*アルディとリドル(ドイツ発のボックスストアチェーンの展開)

等を予定しています。

下城NYニュースではアメリカのスーパーマーケットと小売業の情報発信として、オンラインのウェブセミナーを行っております。  是非この視察研修プログラムで最新情報をキャッチして、アメリカの優良企業を目の当たりに接し、体験する事で、愛社精神と人間力を培って、この業界をリードするトップになって頂ける事、又、参加されるスタッフさんの感動を引出す事は間違いありません。

このニュースレターに沿った情報のフォロアップと最新情報をお伝えしたくオンラインミーティングを開きたく考えております。

ミーティングとセミナー詳細など後日ウェブサイトにてご案内致します、ご興味のある方は下城までご連絡下さい。                                                           

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 03/15/2022

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