こんにちは。
このブログでも記事にさせていただいた劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」が、公開から24日間で興行収入204億円を突破し、歴代興行収入ランキング5位になったそうです。いったいどこまで記録を伸ばすのでしょうか。

さて、話題は変わって・・・
ここ茨城県筑西市とは関係ありませんが、前回の記事、10月下旬に行った「六本木ヒルズとテレビ朝日」の続きです。

六本木ヒルズを過ぎて、ソニーミュージック六本木ミュージアムに着いた わたくし臣(しん)、目的はこちら↓


「DOUBLE FANTASY – John & Yoko」(ダブル・ファンタジー ジョン・アンド・ヨーコ)です。
この展覧会は、元ビートルズのジョン・レノン生誕80周年にあわせて、ジョンとオノ・ヨーコの軌跡を、彼ら自身の言葉や作品でたどるもの。平成30年5月から令和元年11月まで、ジョンの故郷であるイギリス・リバプール博物館で行われた展覧会を、場所を東京に移して開催しています。

それでは館内へ↓


展示はジョンやヨーコがまだ小さい頃、原子爆弾投下など戦争の記憶から始まり、2人の歩みを時系列で追っていきます。

安田財閥系の裕福な家庭に育ち、コンセプチュアル・アートの世界に飛び込んだヨーコ(1933-)。1961年には既に、ニューヨークのカーネギーホールでパフォーマンスを行っています。
下の写真は、初のコンサートである「オノ・ヨーコの作品」のプログラムなど↓


ジョン・ケージのパフォーマンスへの参加や、カット・ピースなど自身の独創的なパフォーマンス(観客をステージに上げて自信作の衣装にハサミを入れさせた)により、ジョンと出会う前からヨーコは、アーティストとして一定の評価を得ていました↓



一方、イギリスの港町・リバプールで生まれたジョン(1940-1980)。幼い頃に両親は離婚、叔母であるミミのもとで育った彼は、やがてポール・マッカートニージョージ・ハリスンたちとバンドを組み、1962年にはリンゴ・スターを加えてザ・ビートルズとしてレコード・デビュー。ヒット曲を連発して世界のアイドルになります。
下の写真は、ジョンが少年時代に描いた絵や、ビートルズ時代の作品「イン・マイ・ライフ(In My Life)」の手書きの歌詞など↓



対してヨーコは1964年、詩集「グレープフルーツ(Grapefruit)」を出版。会場には、ヨーコがジョンにプレゼントした「グレープフルーツ」の現物が展示されていました(日本初公開)↓



「Imagine one thousand suns in the sky at the same time(想像しなさい、千の太陽が同時ににのぼるところを)」。
後にジョンの代表曲となる「イマジン(Imagine)」のインスピレーションを、彼はこの「グレープフルーツ」から得たと明言しており、実際にヨーコは2017年、同曲の共作者として認定されています。

1966年、ヨーコはニューヨークからロンドンに渡り、インディカギャラリーで個展「未完成の絵画とオブジェ(Unfinished Paintings and Objects)」を開催↓


この時ジョンが同展の内覧会を訪れたことで、2人は出会います。
会場には、入場者がそれぞれ自由にキャンバスに釘を打つことで最終的に作品として完成するという「Painting to Hammer a Nail(釘を打つための絵)」という作品が展示されていました。
ジョンは、釘を打たせて欲しいと願い出ましたが、その日は正式オープン前の内覧会だったためヨーコは断ります。ジョンはすぐに機転を利かせ「それじゃあ、想像のお金を払うから、想像の釘を打っていいか」とたずねたといいます。

美術学校時代に東洋文化を専攻していた友人がいたこともあり、ジョンは日本や東洋文化に興味を持ち、禅や空の概念に強い好奇心を寄せていたそうです。そして、ヨーコのアートの中に、それらが反映されていると感じ、強い興味を示したようです。

こちらは、同展で展示された作品「天井の絵(Ceiling Painting)」と「釘を打つための絵」の再現↓


はしごを登り↓


吊るされた虫眼鏡で天井のキャンバスを覗き込むと↓


そこには、小さく「YES」の文字が。
ジョンはこの「YES」というポジティブな言葉に、いたく感動したようです。

1966年の北米ツアーをもって全てのツアー活動を中止していたビートルズは、1967年、ロック・アルバムの最高傑作とも言われる「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」をリリース。同アルバムの録音期間、ヨーコの個展にジョンが資金援助するなどして、2人の距離は縮まっていきます。

下の写真は「サージェント~」のレコード、1967年9月にリバプールで開催されたヨーコのイベント「ミュージック・オブ・ザ・マインド」のポスターなど↓


翌1968年5月、ジョンは妻シンシアの旅行中にヨーコを自宅に招き入れました。以後2人はともに暮らし始め、ジョンとシンシアは11月に離婚。この初めての夜に2人で録音・制作したのが、同年11月にアルバムとして発表される「未完成作品第一番トゥー・ヴァージンズ(Unfinished Music No.1 Two Virgins)」です。アルバム・ジャケットに使われたのは、2人の全裸写真。イギリスのEMIやアメリカのキャピトル・レコードからリリースを拒否されるなど、物議をかもしました。



【ジョン】「『この日本人魔女が彼を狂わせた。彼は頭がイカれてしまった』でも、彼女がしたことっていうのは、僕がそれまでずっと抑制してきた イカれている部分 を引き出しただけなんだ」
こうして、ジョンとヨーコの波瀾に満ちた旅が始まったのです。




■DOUBLE FANTASY – John & Yoko(ダブル・ファンタジー ジョン・アンド・ヨーコ)
会期 令和2年10月9日(金) ~ 令和3年1月11日(月祝) 予定
場所 東京都港区六本木5-6-20 ソニーミュージック六本木ミュージアム
通常チケット料金(税込)
前売券 一般2,500円、大学専門学校生2,000円、中高校生1,000円 
当日券 一般2,600円、大学専門学校生2,100円、中高校生1,100円
※小学生以下は無料、障がい者は半額
※そのほか各種特典付チケットあり
主催 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
メディアパートナー 朝日新聞社