森のことを気にかけてください!!


忘れないでください!!


木が好きだから何とかしたい


兵庫県佐用町で2009年8月に

兵庫県西、北部豪雨(台風9号災害)で起こった

豪雨での河川氾濫と、植林された森林との関係について

自分なりに思ったことを書いて行こうと思います。


去年の暮れに三回目の撮影に行ってきました。

毎日木を扱っているものとして、木を中心にした目線で見ています。


周りの山の様子から

切り捨て間伐された杉の木がいったい2年半でどうなったのか?

この場所は水害が起こった場所の近くの森林です。


2009年8月、水害が起こった一週間後に撮影しました
木工教室探検隊
いったい切り捨て間伐されてどれ位の

時間が経過しているのかは全く分かりません


1年後2010年7月 同じ場所
木工教室探検隊 木工教室探検隊
時間が止まったかのように

全く変化がありませんでした。


1年半後2011年12月 同じ場所
木工教室探検隊-IMG_2116.jpg 木工教室探検隊-IMG_3235.jpg

今回は冬に撮影しました!

不思議だとは思いませんか?

夏でも冬でもどちらも下草がない


切り捨て間伐はされているのに


冬は分かりますよ!

夏もあれだけ生命力のある雑草さえも生えてないんです

光が入らない森林だから


間伐された杉も苔が増えたかな~?としか思えない変化

詳しいことは分かりませんが、

光が入らないと微生物による木の分解も遅れるのでは?


2年半でもここまで変わらないものだとは

正直驚きました


木工教室探検隊-IMG_7026.jpg 木工教室探検隊-IMG_6906.jpg

いったい何年かかるんでしょうね

分解されるのに


直径200㎜を超える木まで切り捨て間伐されています

搬出さえすれば買う人は必ずいるのに

分解されるのを待つんですね


こんな状態で放置された木が

大雨で山から川に流れ出て被害を発生させる原因になるのに

何年も放置するんですね



進む復興と見ようともしない森


上の写真の場所から少し下流で

実際に木が川をせき止めて水害が起きた場所の様子


木工教室探検隊 木工教室探検隊
2009年8月の写真

山肌が崩れ木と土で完全に小川を堰き止めています

木工教室探検隊 木工教室探検隊-IMG_9269.jpg
2010年7月の写真(同じ場所)

土砂はそのままでしたが

倒れた木は取り除かれていました。


木工教室探検隊-IMG_2012.jpg 木工教室探検隊-IMG_8152.jpg
2011年12月の写真(同じ場所)

山肌はそのままですが

土砂が取り除かれ川沿いの木の根が見える状態に

右の写真の4本の木は葉っぱを見ると


木工教室探検隊-IMG_9265.jpg 木工教室探検隊-IMG_8588.jpg
枯れていました。

緑色の中に白色の木が

推測ですがこの枯れた木は、元はこの場所に立っていたのではなく

立ったまま地滑りで動いて根が切れてしまったのではないでしょうか?

同じ場所で、同じ木で、この周辺の木だけが枯れているので

木工教室探検隊-IMG_4703.jpg 木工教室探検隊-IMG_6265.jpg
他にも立ち枯れした場所がこの周辺には何か所かあり

その奥の森には、水害で倒れた木と、

切り捨て間伐された木が

混じってそのまま放置されていました。


この場所は杉だけしか生えてない場所で

まだ細い木も多いので、植林された森だと思います。


上の場所と道をはさんだ反対側では
木工教室探検隊-IMG_2107.jpg 木工教室探検隊-IMG_7281.jpg
2010年7月の写真

水害から1年が過ぎても林道は土砂で埋まっていました。

左の写真、右上に小さく見えるのが人です。

一年で杉は枯れてしまいこんな状態に


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2011年12月の同じ場所

枯れた木と土砂は取り除かれ、林道が開通


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崩れた周辺は直径15㎝ほどの若い植林された杉林


木工教室探検隊-IMG_0656.jpg 木工教室探検隊-IMG_2754.jpg
途中から雪崩の様に土が滑っています

この崩れた場所の上に立っていたの杉でした。

その奥へ進み崩れた場所が途切れたのは


木工教室探検隊-IMG_7919.jpg 木工教室探検隊-IMG_3603.jpg
松や楢の木が生えている雑木林

しっかり下草も生えていました。


植えやすい道の近くだけ雑木林を皆伐して杉を植林したんでしょうか?


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崩れた場所を近くで見てみると

下草は全く生えてないし

木の根も表面だけで地中深くには伸びていません!!


もし杉を植えていなければ・・・しっかり木を管理していれば・・・・

どうなっていたんでしょう?


深層崩壊で木は関係なかったんでしょうか?


詳しく調べてみたい



この場所の周辺では水害前から土砂対策も


木工教室探検隊-IMG_7015.jpg 木工教室探検隊-IMG_6386.jpg
土石流を防ぐための、砂防ダムも設置されていました。

砂防とは

そのまま放置すれば危険のある土砂の流れを抑制、

調整して、自然になじませながら、無害な土砂の流れにすること


2年半前の豪雨で土石流が起きその時に倒れた木なのか?

枯れた木が散乱していており

やはりこの場所も

植生は雑木林ではなく植林された杉林でした。


このまま放置していていいのか・・・・・



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この二か所の場所も

はっきりとは覚えていませんが、

災害後に設置された砂防のための物だと思います。


ここも植林された場所でした。


この森の周辺には、雑木林と人工林があり

砂防施設がある場所はすべて人工林で

土砂災害が起こった場所もそれと同じでした。


斜面崩壊は、降雨、地質、地形、地質等

さまざまな要因が関連して発生することから

植生だけが原因とは言えませんが・・・・・

因果関係が全くないとは思えません



今まで説明してきた場所より下流

住宅が近くにある川では現在大規模工事が行われています。

水害で川が氾濫した場所や、

川幅が狭く氾濫のおそれがある場所は
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川幅を広げ、

護岸をコンクリートブロックを積み上げ保護する工事が

何キロにもわたって急ピッチで行われていました。

2010年7月に訪れた時には何も始まっていませんでした。


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この場所もコンクリートブロックで護岸補強されます。

ここはまだまだ上流で川幅が狭い場所での工事

下流の方ではこんな工事も


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大型重機が何台も導入され

どこまでが川幅なのか全くわからないほど

大規模な工事がどこまでも続いていました。


ここまでが2011年12月に見てきた場所です。


感じたことは

確かに復旧はすごいスピードで進んでいて

河川に関してだけ言えば

この先起こりうる集中豪雨にも耐えれる構造に

大きく変化していると思います。


しかし、川に流れ込む土砂や木材、水を受け入れる

器が大きくなるだけで、根本的な解決にはなっていないでしょう


川に流れこむ土、木、水を制御できるのは山だけです。

人間が手を加えていなければ、

当たり前の様に自然が勝手にそれを行ってくれていました。


人間が勝手に植生を変えた時から

その管理も人の手が奪ったはず

いつの時代からか木がお金に変わらなくなった時から

管理に手を抜き管理を放棄し

こんな山にしてしまったのです。


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この現状を直視できますか?


まるで木の墓場の・・・・


ここから全てが始まっているような気がしてなりません!!



さて、ちょっと違う角度から森につい書いて行こうと思います。


今年の初詣は3日の日に伊勢神宮に行ってきました

この場所に行くと巨木に会えるのでワクワクする場所です


外宮では
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杉の巨木が

人の大きさと比べるとよくわかりますよね~


内宮では


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楠や杉の巨木と出会えます


参道から森の中をのぞくとそこには
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普通の大きさの木に混じって巨木が立っていて

木の種類も広葉樹、針葉樹が入り混じっています。


巨木は別としても・・・・これが自然の森では



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川の奥に見える自然豊かな神宮の森も

信じられないとは思いますが

全国から参集するお伊勢参りの人達の燃料として伐採され、

明治期には禿げ山となっていたみたいです。


どのようにして、こんな素晴らしい森を再生させたのでしょう?



伊勢神宮では、20年に一度、社殿等を全て建て替える

「式年遷宮」が行われます。


建て替えで使われる木はすべてヒノキでその数一万本以上

それも選りすぐられた物ばかりです。


皆さんもご存知の通り!

20年ぐらいでは木は腐りませんよね

では

何のために行われるのか?


日本の文化のルーツを伝え

伝統技術を継承する上でも大きな役割を果たすためです。

師匠から弟子へ

その弟子は20年後に師匠となって弟子に伝えていきます。



明治期には、はげ山となった神宮の森から

御用材を供給できるようにするため

大正12年に木材育成の神宮の森林経営計画が決まり

基本方針「ヒノキを主の林材とした針広混合林を仕立てる」と


大正時代から分かっていたのです

混合林にすることによって

水源を涵養したり土砂流出を防いだり、

あるいは生物多様性に富んだ

森林生態的にもバランスの取れた山になるということを


そして今回、平成25年に第62回遷宮が行われるわけですが、

御用材全材積の2割程度は宮域林のヒノキの間伐材を供給する

まで新宮の森は生まれ変わりました。

将来は、この宮域林から100%供給できることを目指した

取り組みは続いて行きます。


人が手を加えても森を育てることができる

と知りました。


手を加えた森は人の思いしだいで・・・・・

どちらの道も選ぶことができると



では


自分が何をできるのか


あなたならどちらを選びますか?



木工教室探検隊-IMG_9010.jpg 木工教室探検隊-IMG_9342.jpg

光が入る森と 光が入らない森 ?


木工教室探検隊-IMG_3981.jpg 木工教室探検隊-IMG_9312.jpg


色んな木が育つ森と 1種類の木しかない森

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放置される森と 利用される森


あなたが選んだ森

ただそれだけの様な気がします。


地球温暖化、森林減少、自然破壊、など難しく考えないで


元気な森は=みんなが綺麗な場所と思う森


みんなが綺麗な場所と思う森にするには=森との関わりを持つこと


森と関わりを持つには=木を好きになること


木を好きになるには=木を知ってもらうこと


木を知ってもらうには=木に触れてもらうこと


木に触れてもらうには=木と楽しめる場所をつくること


これが今の自分にできること

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人が木を好きになって、森に光が入れば


本当に嬉しいです。