赤紫蘇の下処理をしてから10日が経ちました。


梅干用に使う梅が入荷しました。



霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

梅を選ぶポイントですが、


1、とにかく大きい梅の実を選ぶ。


2、出来るだけ傷や打っているところのないもの。虫食いのないものを選ぶ。


となります。


といっても傷や虫食いはどうしても混ざってるものです。

5kg仕入れて、使えるのは正味4kgくらいだと考えておいた方がいいと思います。


これらの梅を柔らかい布などで表面を拭いたら、ザル等に広げ、日陰の涼しいところに置いて梅の実を追熟させます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

これは、青い梅の状態で梅干を仕込むと仕上がりが固い梅干になってしまうからです。


このまま3日~4日放置します。


続きは3~4日後に




今日の作業工程はこれだけです。


せっかくなのでこの梅干についてふれたいと思います。


当梅干のレシピは「野島家(祖母の旧姓は野島)」に伝わる梅干を参考にしたものです。


もともとは僕の祖母の母(ひいお婆さん)が考案しました。


この梅干を祖母が受け継ぎ、(僕の母や叔父・叔母は作らないので)、僕が受け継ぎました。

母から子へ、親子三代1世紀をまたいだレシピです。


ひいお婆さんは6年前に他界してしましたが、このような優れた食品が途絶えてしまうのは惜しいと思い、僕も作ることにしました。

今は夏になると祖母と一緒に相談しながら作っています。


祖母も高齢です。梅干作りは体力が必要なので、この先作れなくなってしまうかもしれません。

僕がこの先この梅干を作り続けるとしても、いつかは作れなくなってしまう日が来ると思います。

ひょっとしたら僕の代で途絶えてしまうかもしれません。


それも仕方のない事だと思います。

手間はかかる。時間はかかる。コストがかかる。現代のニーズに沿ってないと思います。


しかし、本当に優れた食品とは何なのか?考えさせられます。


もし、このブログで梅干に興味を引かれた方、是非作ってみてください。

手間、時間、コストはかかりますが、きっと貴方の想いが伝わる食品になることでしょう。





小さい方の紫蘇の葉を洗って乾かした後です。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

ここから適量を桶にとり、あらかじめ量って置いた塩を入れます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

紫蘇に塩を入れしばらく揉むと、紫蘇から黒い液体と泡が出てきます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

これらは灰汁なので捨てます。

紫蘇は固く絞って別のボウルに入れておきます。



霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

1度に全ての紫蘇を揉むのは難しいので、数回に分けて行います。

この時、計量した塩は全て使いきるようにしてください。


ここで、梅(分量外)を用意します。

この時の梅はできるだけ青く、固いものを用意し、洗って水分をしっかり拭き取ります。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

これを種と実の部分に分け、実の方をフードプロセッサー等でペースト状にします。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

ペースト状になった梅の実と先程の固く絞った紫蘇を合わせます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

これらを揉むようにしてしっかり混ぜます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

混ぜていると梅の水分が出てきます。この時は赤い液体が出てきます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

これは「赤梅酢」と言われるものです。

絶対に捨てないでください。


よく消毒した容器の底にガーゼで包んだ大きな紫蘇の葉を置きます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

この上から、梅と紫蘇を混ぜ合わせたものを汁(赤梅酢)ごと入れます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

表面を押して、平らにならし、よく洗った落し蓋をして重石をします。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

ホコリなどが入らないようにラップ、又はフタをして冷暗所に保存します。


これで赤紫蘇の下処理が完成です。


この状態で梅の実の入荷を待ちます。




次回は梅の入荷から仕込みを再開しようと思います。




梅は中国が原産であることから、梅干は中国から伝えられました。



梅干はもともと「梅酢(うめす)」を作った後の副産物です。


古代の利用法としては、梅干を黒焼きにして、腹痛の治療、虫下し、解熱、腸内の消毒を目的としていて、現在の食用というよりは漢方薬として使われていました。



梅干の歴史は古く、紀元前200年ごろの馬王堆からも梅干が入っていたと考えられる壷が出土しています。


奈良時代には既に日本に伝わり、東大寺の大仏の金の酸化皮膜による防錆処理として梅酢が使われたとされています。


梅酢は青酸が登場する昭和中期まで大量にに使われていました。


平安時代には村上天皇が梅干と昆布茶で病を治したという言い伝えが残っています。


戦国時代には梅干は保存食だけでなく、傷の消毒や食中毒や伝染病の予防としてなくてはならないものになりました。


各地の戦国武将は梅の植林を奨励しました。これは現在でも梅の名所や梅干の産地として残っているそうです。


また、越後(新潟)の武将・上杉謙信も酒の肴に梅干を好んで食べたと言われています。


江戸中期になり醤油が広く庶民まで使えるようになるまでは、「煎り酒(いりざけ)」という日本酒に梅干を入れ、火にかけアルコールを飛ばしたものが調味料として使われていたそうです。


この頃は庶民の調味料は塩・味噌・梅干という質素なものだったそうです。



「塩梅(あんばい)」とは具合・加減・程度を意味する言葉ですが、元々は塩と梅酢を合わせた調味料を意味していて、その味の加減がよいものが「塩梅」と言われることから語源になったそうです。




梅干は日本人にとって切っても切れない関係と言っても過言ではないでしょう。




(調味梅干は置いといて)梅干の作り方は塩、紫蘇の量・割合などは各家庭によって差がありますが。


日本全国ほぼ共通しています。



当店のレシピは


梅 1


赤紫蘇 0.5


塩 「梅+赤紫蘇」の重量の15%


焼酎 適宜


です。



あらかじめ梅の量を決めてから仕込みに入ります。

地域により梅干の仕込み時期は多少変わりますが、新潟の場合6月の上旬から中旬に始まります。


この頃、梅よりも先に赤紫蘇が市場に出てきます。


梅が市場に出る前に赤紫蘇を処理して梅を待つ感じです。


当ブログでは時系列順に紹介したいと思います。




まず、材料の選定です。



赤紫蘇を選ぶポイントですが、


1、大きな葉がたくさんついているものを選ぶ。


2、平らなものより、ちりめん状の葉が多いものを選ぶ。


3、晴れた日に収穫したものを選ぶ。


以上です。



2と3は赤紫蘇の色素が多くでるものを選ぶ。ということです。


平らな葉よりちりめん状の方が色がよく出るそうです。さらに雨の日に収穫した紫蘇は色が出にくいそうです。




赤紫蘇が手に入ったら、まずは葉と茎を分けます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

ひたすら葉をむしります。


この時大きな葉と小さな葉に分けていきます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

この作業は1日で終わらない場合もあります。

葉を茎から分けたら、よく水で洗います。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

洗ったら、よく乾かします。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

サラダドライヤーなどで水をきり、ザルに広げ乾かします。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

2~3時間乾かしたら計量し、目標の梅の重さの半分になるように赤紫蘇の重さを量ります。


※今回は梅を4kgという設定で仕込んでいます。

 なので、紫蘇の葉 2kg と 塩 900g ということになります。


先に別にしておいた「大きな葉」は洗って乾かした後、ガーゼの上に1枚1枚広げながら重ねていきます。

重ねる時に途中、少々塩を振りながら重ねていきます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

ある程度まとめたらガーゼで包みます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

大きな葉を全て1つにまとめず、10~15枚ずつ重ねてはまとめるようにします。





続きは後編で。




「僕はこの梅干を作り続ける為に、この仕事をしているのかもしれない」


こう思ったのはお店を立ち上げて間もなくで、そして今も考えています。



梅干を作るにあたり、いろいろな食品を作るにあたり、考えさせられることが多くなりました。


僕は一つの小さな料理店のオーナーであり、料理人であります。


「美味しい料理を作りたい。」

「美味しい!ってお客様に言ってもらいたい。」


おそらくほとんどの料理人がこのように思い、日々奮闘しているのだと思います。

もちろん僕もその中の一人です。


しかし、ふと考えてみると「美味しい」って何だろうと思ってしまいます。


例えば、僕が「美味しい」って思っても、人によっては「しょっぱい!」、「すっぱい!」

さらには「美味しくない。」なんてこともあることです。


僕が思うに、「美味しい」という感覚ほど曖昧なものは無く、つまりは主観でしかないのだと思います。


お店に立っていると、稀に

「今日のオススメはなんですか?」

「はい、○○です。」

「それって、美味しいんですか?」


と聞かれることがあります。

僕は決まってこう言います。「わかりません」と。


「美味しい」というのは感想であり、評価であります。

「美味しいですよ。」と言うのは店側から「美味しいでしょ?」って聞いてるようなものだと思うからです。


もちろん「美味しい」と思って、メニューに載せています。

しかし、僕の「美味しい」とお客様の「美味しい」には誤差があります。

絶対的な「美味しい」は存在しないし、それがお客様にとって「美味しい」という保証もありません。


かなりネガティブな前置きですが、僕が考える「美味しさ」とはこのようなものです。



しかし、毎日「美味しい料理を作りたい。」

「美味しい!とお客様に言ってもらいたい。」と思い、日々奮闘しています。


矛盾していると思いますよね。


万人が美味しいと思う塩分濃度で料理を出せば「美味しい料理」なのでしょうか?

万人が美味しいと思うまで旨味成分が入っていれば「美味しい料理」なのでしょうか?


ちょうどいい塩分がお好みならば料理に塩味はつけず、テーブルの上でお好みの塩を振ればいいと思います。

旨味が少ないならば、お好みの味になるまで旨味成分を添加すればいいと思います。


僕の考える「美味しさ」は塩分濃度や旨味成分の含有量で決まるものではありません。

実際「しょっぱいけど美味しい」「しょっぱくて美味しい」という食品もあります。


僕の考える「美味しさ」とは「手間」であり「時間」であり、「そこに込める想い」だと思います。


※ これを読んでいる方に勘違いして欲しくないので申し上げますが、

  これが全ての答えではありません。


  料理人、一人一人に答えがあり、そのどれもが正しいと思います。

  これは僕が考えた一つの答えだと思ってください。

  どのケースにもあてはまる訳ではありません。



もし、その料理が「手間と時間、造り手の想い」が伝わるのなら、それはきっと「しょっぱい、すっぱい、味がしない…」を越えて「美味しい」となることを信じています。


また「美味しさ」とは、「ノスタルジー」である。とも思います。


その食品を食べると、何かを思い出すような…

例えば子供の頃とか、家族や友達だったりとか…


「この料理はとてもしょっぱいけど、昔はこういうのだったよな…」とか

「田舎に帰るといっつも食べてたっけ…」


もちろん思い出を共有することはできませんし、ノスタルジーも主観なので僕とお客様の間には誤差があります。


でも、こんな風に思ってもらえる料理を僕は作りたいのです。


その為には手間や時間は惜しみません。それが『霜鳥のクォリティー』です。




それでは次回はこの霜鳥の全てが詰まった最高傑作「謹製 梅干」です。



“当ブログは梅酒(又は果実酒)作りを推奨するものではありません”


自家製で梅酒(又は果実酒)を作りたい方はお近くの税務署までご相談ください。



また、製造の際には衛生管理は慎重に行いましょう。

長期の熟成の間にトラブルが起きないわけではありません。

「おかしいな?」と思ったら破棄する勇気を持って下さい。

思わぬ事故につながる場合もあります。

法律に従い、自己責任のもとお願いします。




梅酒のレシピはネットで紹介されているものや、どの料理の本を開いてもほぼ同じです。


基本的な分量ですが


梅 1kg

ベースとなる蒸留酒 1升(1.8リットル)

氷砂糖 200g~1kg


です。

梅を多く入れれば、梅のエキスが多く出るというわけでもないようです。(あくまで個人的な見解ですが…)


砂糖の量は好みにより調節してください。


「基礎知識・酒税法編」 に述べたように、果実酒に使う材料には制限があります。

「それでは個性が出しにくい。」と悲観する方もおられるかもしれませんが、

砂糖の量、梅の品種、ブレンド、蒸留酒で変化をもたせる、熟成期間等…

個性的な味にする様々な方法があります。

(当店の場合は「蒸留酒」でいろいろ変化をもたせる。に特化していますが…)


また、梅酒を作る時はできるだけアルコール度数の強いもので作ることをオススメします。

アルコール度数が低いと、梅が腐敗し、失敗することがあります。

できればアルコール度数が25%以上のものを使用した方がいいでしょう。


「お酒があまり得意じゃない」という方は作ったものを水割り、ソーダ割り等で楽しまれてはいかがでしょう?

「お酒が全くダメ」という方は、この梅酒のレシピの「蒸留酒」を「酢」に置き換え、水割り、ソーダ割りで「梅サワードリンク」を楽しまれてはいかがでしょう?

ただ、酢で作る場合は(好みもありますが)砂糖の量も多くした方がいいようです。




最初に梅を用意します。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

梅はできるだけ青く、固いものを選びましょう。

また、ひどい傷や虫食いはそこから腐敗する可能性があります。

これらの梅は使わない方がいいでしょう。


ヘタの部分を竹串などを使って取り除きます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

次に水で洗います。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

洗ったら柔らかく清潔なタオル等で水分をしっかり拭き取ります。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

さらに、綿棒を使ってヘタのくぼんだ部分に残っている水分もしっかり取ります。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」


このようにしっかり水分を切る事で、カビの繁殖を防ぎます。

梅酒作りにおいての失敗は「梅からカビが生えた!」という場合が1番多いのです。


この梅をボウルに入れ、焼酎(又はウオッカ)をかけ、梅全体に馴染ませます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」


これは表面の殺菌を目的としています。


全体に馴染んだら、ザルで切り、キッチンペーパーで拭き取った後、よく消毒した瓶に入れていきます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」


梅の上からお好みの量の氷砂糖を入れます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」


さらに、ここに蒸留酒を注ぎ入れます。

(画像はラム酒を使用しています。)


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」


このまま直射日光の当たらない涼しい場所で梅のエキスを抽出、熟成させます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」


冷蔵庫に入れると熟成が遅くなります。

当店の場合は常温で保存します。

それ故腐敗しないようにアルコール度が高めのお酒で作る事が多いです。


このままの状態で3ヶ月程このままにして置きます。





日本国内で個人がお酒を作る事は法律で禁じられています。


当ブログは「自家製の梅酒の製造」を推奨するものではありません。

あくまでも当店では“このように仕込んでいます。”ということを知っていただきたく、紹介させていただきます。


梅酒、果実酒を作ってみたい!という方は、管轄の税務署への相談した後、自己責任のもとお願いします。



せっかくなので、お酒について少々説明いたします。




「どうしてお酒を自家製でつくるといけないの?」


日本国内で個人でのお酒の醸造、混和は認められていません。

これは“酒税法”という法律にもとづいています。

個人でお酒を作った場合は“密造酒”とみなされ、違反した場合製造者は、酒税法第54条により5年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。

また製造された酒類、酒母、もろみ、原料、副産物、機械、器具又は容器を所有者の如何に関わらず没収されます。


※ 2007年6月14日 「今日の料理」(NHK)で梅酒の作り方を放送したが、

そのレシピに従い、個人が梅酒を作ると違法になるとわかり、

後日、謝罪放送が流れるという自体が発生しました。





「お酒の定義って?」


あくまでも酒税法の見解からですが、「果実や穀物等を発酵させ、全体量の1%以上にアルコールが発生したもの」又は「既存のお酒に果実や穀物を入れ、もともとのアルコール度数よりも1%以上高くなったもの」が「お酒」とみなされます。

1%以上アルコールを含むものは課税対象になります。


「味噌」や「醤油」は醸造工程でアルコールが発生します。が、これらのアルコールは全体の1%に満たないために自家醸造が認められています。





「“課税対象”ってことはお金さえ払えば個人でお酒は作れるの?」


結論から言うと、個人でお酒を作る事は難しいでしょう。
これは技術的な問題もありますが、酒税法による醸造免許の交付できる施設は

年間の生産量が、日本酒・ビール等は60,000リットル以上。ウイスキー・果実酒等なら6,000リットル以上なければならない。という規定があります。

これらの量を個人で製造するには事実上不可能といえます。




「梅酒を個人で作ったらダメなの?」


ダメではありません。

ただ使用できるお酒の種類や入れる果実(梅はOK)は法律で制限があります。(←この事は後ほど詳しく書きます。)

ただ、作ったとしてもこれは製造した個人が楽しむ事に限定されます。


※2007年 北海道ニセコ町のペンションの経営者が宿泊客に自家製の果実酒を有料で提供していたことで、国税当局から「酒税法違反」とされ、酒の廃棄等を求めた事件がありました。


当時の酒税法は梅酒は個人で作って、販売してならない。というものでした。


「梅酒を作ってはいけない」←常識的に昔から日本では各家庭で作られているわけで…

それに梅酒を作る時に使うお酒は製造者が買った時にすでに納税済なわけで…


そのような酒税法の矛盾点が浮き彫りになった事件でした。

その後、一律に違法とするのは実態に合わない、として

自家製の果実酒を近所におすそ分けしたり、友人にごちそうしたりするのは違法ではない。

と司法が判断し、租税特別措置法が改正されました。


これにより自家消費目的で作った果実酒について「無償で知人等に提供することは販売にあたらず、酒税法に違反しない。」としました。


翌2008年には租税特別措置法が改正され、飲食店等でも製造申告書を税務署に提出すれば条件付でお客さんへの提供も可能になりました。


とはいえ、家庭で作る梅酒は自家消費用が前提となっており、家庭内で飲むこととしています。

最近では手作りビールキット等も発売されていますが、これも自家消費用が前提となっています。

販売してはいけません。



「どうしたら“自家製の梅酒”を合法的に作れるの?」


お近くの税務署にご相談ください。

飲食店や旅館などにおいて販売を目的とした場合は税務署より「特例適用混和の開始・休止・終了の申告手続き」を提出しましょう。


ただし、飲食店や旅館等の館内で飲んでいただくことに限定されています。

瓶詰め等をして店や館の外に持ち出すことはできません。


また使用できる酒類・物品ですが


酒類は一定の蒸留酒類に限定されます。

「甲類焼酎(連続式蒸留焼酎)・乙類焼酎(単式蒸留焼酎)、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ、原料用アルコール。

以上です。

つまり使用できるのは「蒸留酒」であり、「醸造酒 (ビール・ワイン・日本酒類)」は禁止されています。


物品に関しては禁止されているものが以下のとおりです。


米、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ、でんぷん又はこれらのこうじ

ぶどう (やまぶどうを含む)
酒類

アミノ酸、ビタミン類等


これによると「ぶどう (やまぶどうを含む)」以外の果実類は広く認められています。


これらのことを踏まえて、果実酒を作りたいと思います。


それでは、次回「自家製 梅酒 (1日目)」をお楽しみに。



最初に申し上げておきますが、この料理はフランス・パリの3ツ星レストラン『Arpege(アルページュ)』の料理を参考にしたものです。


アルページュのシェフ「アラン・パッサール」は僕のもっとも尊敬する料理人の1人です。


まず、アラン・パッサール氏について簡単ではありますが、ご紹介させていただきます。


80年代から90年代にかけて、肉料理のスペシャリストとして“肉の魔術師”、“ニクヤキスト”(←こういう名前って誰が考えるんでしょうね?)との異名をとるも、脂が最高に乗っていた2000年、肉や魚から、野菜をメインにした料理スタイルに切り替えた。1996年よりアルページュは3ツ星。


現在、パリでもっとも予約の取りにくいレストランとして君臨しています。



野菜、野菜料理というのは高級フランス料理において、その地位はあくまでも肉や魚の付け合わせであり、スポットを当てられる食材では決してありませんでした。


エスコフィエの「ギッド・キュリネール」を開いてみても、野菜の章はかなり後ろに…


総ページ数900のうち50ページ足らず。掲載種もたった50程です。


その中にはトリュフやキノコ、粟、米まで一緒に扱われています。


そんな食材だった野菜を、高級フランス料理の主役の座に導いたのは「アルページュ」のオーナーシェフ、アラン・パッサールだということに異論を唱える人はまずいないと思います。


フランス料理の世界において、野菜が主役になることはある種、事件でした。


今回のテーマ「アスパラガスのヴェーティカル (仏:Asperge a la verticale)」はそんなパッサール氏の料理を垣間見れる野菜料理の真骨頂だと思っています。

(※仏:verticale = 垂直、高さ)




アスパラガスはできるだけ太いものでしっかり水分を含んだものを選びます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

下を切り、長さを均等にします。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

パラフィン紙にハーブとアスパラガスを一緒に片方からグルグルと巻いて包み、

さらにタコ糸で縛ります。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

鍋に有塩バターを少量溶かし、先程のアスパラガスの束を立てたまま極弱火で2時間~2時間半加熱します。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

1時間経過。鍋の底ではバターが焦げてきています。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

約2時間半が経過しました。アスパラガスの水分とバターで先端まで熱が伝わっている事を確認し、

根元の方を切ります。根元は使いません。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

温かい状態で皿に盛り付ければ完成です。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

アスパラガスの根元から熱い有塩バターが這い上がり、ハーブの香りを取り込みながら、優しくしっとりした熱を加えることで、誕生するのはアスパラガスの風味を完全に残しつつ、バターやハーブで絶妙に香りを加えた「極上のアスパラガス料理」。


こちらの料理は「コース内」又は「御予約のみ」の受付になります。

2時間~3時間お待ちいただく訳にはいかないと思いますんで…


またアスパラガスの入荷状況から考えると8月の中旬くらいまでのメニューになります。

何卒ご理解ください。



某有名少年誌に連載中の大人気漫画「○ンピース」の作者の方が言ってました。


「いつも15歳の自分に向けて描いています」


なるほど。

だからあんなに夢のある、ファンタジックな世界観、仲間や友情、夢や希望等盛りだくさんで描けるわけですね。

僕ももう少しそういうところを見習いたいと思います。


さて、15歳の頃の自分はというと、毎日毎日Hな事ばっかり考えていたような気がします。


もし僕が漫画家だったら、15歳の自分に向かって描いていたならば、きっと下ネタのオンパレードだったことでしょう。


「風俗王に俺はなる!」


15歳に向けて描いたはずが、18禁という矛盾が出ますね。


う~ん。僕は漫画家にはなれそうもありません…。




さて、本日は「トマトウォーター」の後編です。


前回 のキッチンポットはこんな感じです。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

ザルを取ってみると…


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

透明な液体が出てきています。


これをペーパー等で漉して1度沸騰させ、アクを取ります。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

そしてコレを冷ませば「トマトウォーター」の完成です。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

透明度を見ていただきたいのでこのような器に入れましたが、飲み物としてはお出ししていませんのであしからず。

でもこのまま飲んでもおいしいですよ。


透明ですが、トマトの香り、旨味はしっかりとあります。

このトマトウォーターは様々な料理の可能性があると思います。

もちろんトマトのグレードや完熟度で味は変わります。



このトマトウォーターを使って、この夏のコースの〆は↓こちら。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

「氷茶漬け(こおりちゃづけ)」です。

※こちらはコース料理のみとさせていただきます。



トマトウォーターと1番ダシを使った冷たいお茶漬けでさっぱりと。

新しい夏の定番になりそうです。



※ 「トマトウォーター」と言う言葉から洋風なイメージがありそうですが、実はこちらの「氷茶漬け」、京都の老舗料亭に100年前から伝わる列記とした日本料理なんです。

おいしい料理は時代を越えるんですね。






本日のテーマは「トマトソース」です。


イタリア料理のパスタ、ピッツァ、肉・魚料理に用いられ、

今や説明不要なくらい日本に浸透しています。


イタリア料理だけでなく、スペイン、南フランス、ギリシャなどの地中海料理には欠かせません。


トマトの原産は南アメリカ・アンデス山脈といわれています。


これが16世紀にヨーロッパに伝えられたそうです。(食用になったのは18世紀に入ってから)


ヨーロッパでも様々な品種の改良がなされました。

今回はトマトソースによく使われる「サンマルツァーノ種」を取り上げます。

(その他のトマトはまた追々と説明したいと思います。)


サンマルツァーノ種のトマトは、よくホールトマト缶にかいてある長楕円型のナスのような形のトマトです。


サンマルツァーノという名前はイタリアの地名で、イタリア半島を左足に例えると、ちょうど土踏まずのてっぺんにサンマルツァーノという都市があります。

ここで出来たのでサンマルツァーノ種ということです。


しかし、純粋なサンマルツァーノ種は結実数が少なく、病害を受け易いため、現在はラウンド(丸型)との交配種が主流となっています。この交配種はローマ種と呼ばれ、今やイタリアの楕円型トマトの生産量の97%を占めています。


サンマルツァーノ種(ローマ種)の特徴としては長楕円のナス型、見た目よりも軽く、中身がスカスカ、生食ではあんまり美味しくない…。と、一見いいところが無さそうですが…。

加熱調理にはむいていて、火を入れると驚くほど味わい深いものになります。

丸型のトマトでは出せない甘味があります。


丸型トマトでトマトソースを作ろうとしてもうまくいかないのはこの為なんですね。


トマトソースはどの料理の本を開いてもトマト缶を使うレシピになっています。

実際イタリアでもトマトソースはトマト缶から作ることが主流になっていて、生のトマトから作る場合は「伊:salsa pomodoro fresca (フレッシュトマトのソース)」と言って区別したりします。


当店はフレッシュのサンマルツァーノ種(ローマ種)を使ったトマトソースを作ります。

したがってトマトソースのパスタは「夏季限定」ということになります。



これが新潟・白根産のサンマルツァーノ種です。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

最初にトマトの表面をよく洗い、ヘタの部分をとります。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

次に沸騰したお湯に入れて湯むきします。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

鍋にオリーブオイルと潰したニンニクを入れてから火にかけて、ニンニクがキツネ色になったら取り出します。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

ここに先程のトマトを手で潰しながら入れます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

沸騰するまでは強火で、沸騰したら弱火で30分ほど煮込みます。

底が焦げ付かないように時かき混ぜます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

また、出てくるアクを取り除きます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

煮込んだあとは目の粗いザルなどで漉します。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

これを冷ませばトマトソースの完成です。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」


使用例としてこんな感じです。


ベーコン とトマトソースのアマトリーチェ風スパゲッティー」


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

夏だけの特別メニューです。


是非是非。








『雪国』


トンネルを抜けるとトンネルだった。


そのトンネルを抜けるとまたトンネルだった。


そのまたトンネルを抜けるとまたまたトンネルだった。


どこまでもどこまでもトンネル、トンネル、ずーとトンネル。


私の人生…。


トンネルを抜けるとトンネルだった…。





本日のテーマは「トマトウォーター」です。


「トマトウォーター」というのはおそらく料理用語で、実際はトマトに含まれる水分を抽出したものです。


この活字による説明だけでピンとくる人は少ないと思います。


起源はわかっていませんが、フランス、イタリア料理のヌーベルキュイジーヌ(新しい料理)では使用される素材です。

あまり家庭的とは言えませんが、様々な料理に活躍します。


意外と思われるかもしれませんが、日本料理にもこの「トマトウォーター」は深く浸透しています。




まずトマトはよく洗って水気をきります。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

次にヘタの部分を切り取り、適当にブツ切りにします。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

このトマトをフードプロセッサーなどでジュースのようにします。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

清潔なキッチンポットにザル等を置いて、その上にガーゼを2枚重ねでセットします。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」 霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

このガーゼの上に先程のトマトを入れ、自然に落ちてくるトマトの水分を抽出します。

ギュギュっと上から力をかけるとトマトウォーターが濁ってしまいます。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

フタをして、冷蔵庫の中で抽出します。


霜鳥の「当店は自家製の多い料理店ですからどうかそこはご承知下さい。」

3日間くらいはこのままにします。


というわけで続きは3日後です。