日本国内で個人がお酒を作る事は法律で禁じられています。
当ブログは「自家製の梅酒の製造」を推奨するものではありません。
あくまでも当店では“このように仕込んでいます。”ということを知っていただきたく、紹介させていただきます。
梅酒、果実酒を作ってみたい!という方は、管轄の税務署への相談した後、自己責任のもとお願いします。
せっかくなので、お酒について少々説明いたします。
「どうしてお酒を自家製でつくるといけないの?」
日本国内で個人でのお酒の醸造、混和は認められていません。
これは“酒税法”という法律にもとづいています。
個人でお酒を作った場合は“密造酒”とみなされ、違反した場合製造者は、酒税法第54条により5年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。
また製造された酒類、酒母、もろみ、原料、副産物、機械、器具又は容器を所有者の如何に関わらず没収されます。
※ 2007年6月14日 「今日の料理」(NHK)で梅酒の作り方を放送したが、
そのレシピに従い、個人が梅酒を作ると違法になるとわかり、
後日、謝罪放送が流れるという自体が発生しました。
「お酒の定義って?」
あくまでも酒税法の見解からですが、「果実や穀物等を発酵させ、全体量の1%以上にアルコールが発生したもの」又は「既存のお酒に果実や穀物を入れ、もともとのアルコール度数よりも1%以上高くなったもの」が「お酒」とみなされます。
1%以上アルコールを含むものは課税対象になります。
「味噌」や「醤油」は醸造工程でアルコールが発生します。が、これらのアルコールは全体の1%に満たないために自家醸造が認められています。
「“課税対象”ってことはお金さえ払えば個人でお酒は作れるの?」
結論から言うと、個人でお酒を作る事は難しいでしょう。
これは技術的な問題もありますが、酒税法による醸造免許の交付できる施設は
年間の生産量が、日本酒・ビール等は60,000リットル以上。ウイスキー・果実酒等なら6,000リットル以上なければならない。という規定があります。
これらの量を個人で製造するには事実上不可能といえます。
「梅酒を個人で作ったらダメなの?」
ダメではありません。
ただ使用できるお酒の種類や入れる果実(梅はOK)は法律で制限があります。(←この事は後ほど詳しく書きます。)
ただ、作ったとしてもこれは製造した個人が楽しむ事に限定されます。
※2007年 北海道ニセコ町のペンションの経営者が宿泊客に自家製の果実酒を有料で提供していたことで、国税当局から「酒税法違反」とされ、酒の廃棄等を求めた事件がありました。
当時の酒税法は梅酒は個人で作って、販売してならない。というものでした。
「梅酒を作ってはいけない」←常識的に昔から日本では各家庭で作られているわけで…
それに梅酒を作る時に使うお酒は製造者が買った時にすでに納税済なわけで…
そのような酒税法の矛盾点が浮き彫りになった事件でした。
その後、一律に違法とするのは実態に合わない、として
自家製の果実酒を近所におすそ分けしたり、友人にごちそうしたりするのは違法ではない。
と司法が判断し、租税特別措置法が改正されました。
これにより自家消費目的で作った果実酒について「無償で知人等に提供することは販売にあたらず、酒税法に違反しない。」としました。
翌2008年には租税特別措置法が改正され、飲食店等でも製造申告書を税務署に提出すれば条件付でお客さんへの提供も可能になりました。
とはいえ、家庭で作る梅酒は自家消費用が前提となっており、家庭内で飲むこととしています。
最近では手作りビールキット等も発売されていますが、これも自家消費用が前提となっています。
販売してはいけません。
「どうしたら“自家製の梅酒”を合法的に作れるの?」
お近くの税務署にご相談ください。
飲食店や旅館などにおいて販売を目的とした場合は税務署より「特例適用混和の開始・休止・終了の申告手続き」を提出しましょう。
ただし、飲食店や旅館等の館内で飲んでいただくことに限定されています。
瓶詰め等をして店や館の外に持ち出すことはできません。
また使用できる酒類・物品ですが
酒類は一定の蒸留酒類に限定されます。
「甲類焼酎(連続式蒸留焼酎)・乙類焼酎(単式蒸留焼酎)、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ、原料用アルコール。
以上です。
つまり使用できるのは「蒸留酒」であり、「醸造酒 (ビール・ワイン・日本酒類)」は禁止されています。
物品に関しては禁止されているものが以下のとおりです。
米、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ、でんぷん又はこれらのこうじ
ぶどう (やまぶどうを含む)
酒類
アミノ酸、ビタミン類等
これによると「ぶどう (やまぶどうを含む)」以外の果実類は広く認められています。
これらのことを踏まえて、果実酒を作りたいと思います。
それでは、次回「自家製 梅酒 (1日目)」をお楽しみに。