宮部みゆき 「三鬼ー三島屋変調百物語四之続」
第一期完と知って、この次の作品「あやかし草子」を読んだら(この前の記事参照)、
未読の三作目、四作目が気になって仕方なくなりました←そりゃそうだろうな。。
で、遡るように四作目を読みましたのでまとめます![]()
第一話 迷いの旅籠
怪異を見たという娘が語る不思議な話。
ある村の領主が、突然毎年恒例の祭りの中止を言い出し、村人たちに動揺が走った。
それをおさめたのは、たまたま村に逗留していた絵描きのアイデア。
領主の希望も村人の想いも一気に叶えられると思われたそれを実行にうつすと、
思いもしないものたちが呼び込まれて・・。
第二話 食客ひだる神
三島屋が贔屓にしている弁当屋、だるま屋は人気があるのに夏場は休業してしまう。
どうしてもその理由を知りたくなったおちかに応え、店主が話してくれたのは、
弁当屋を成功に導いたある存在のことだった。
第三話 三鬼
小藩の元江戸家老の話。
藩主の失政によりお取り潰しとなったその藩は、彼が若い頃から貧しさにあえぎ、
民の心も荒んでいた。
そんな中、彼の家族が語るに堪えない目に遭い、彼は怒りのあまり私闘として
下手人の1人を斬り殺す。
言い渡された仕置きは、過酷と言われる山番士を三年務めること。
現地で彼を待っていたのは、想像以上に厳しい現実と不可解な出来事だった。
第四話 おくらさま
黒白の間にふと浮かび上がるように現れた、老婆が語る話。
ある出来事から心の成長を止めてしまったこの老婆、心の年齢に合わせ、
娘の身支度をしており異様な雰囲気を醸し出す。
老婆はある商家の三人姉妹の末娘で、この商家には守り神の「おくらさま」という
存在があったという。
幼い頃から「おくらさま」のお世話を怠るなと厳しく躾けられてきた三姉妹に、
「おくらさま」が見せた「加護」とは。
そして「おくらさま」の正体とは。
ふいに体に冷たいものを押し付けられた時のような恐怖と緊張を感じる作品が続きます。
一話目は、幻想的な風景の中に亡き者への後悔、恋慕、怨恨がまとわりつく話。
二話目は本作唯一のほっこりムードの作品。
三話目では、日常に潜む「地獄」を見ます。
実直な武士を飲み込もうとするその地獄の正体は。「三」「鬼」とはどういう意味なのか。
気付いた時、ぞっとします。
四話目は一風変わったお話。
この話自体が怪談で、その中でさらに怪談が語られるような入子の構造。
家というしがらみの中で、家族はどう生きればよかったのか、考えさせられました。
本作では、おちかにとってショックなことが続きます。
その中で、百物語を聴くという自分の役割について深く考えるようになります。
「聞いて聞き捨て」とは言えど、そうもいかないこともあり、今までの自分を
意識して変えないといけない事もありました。
そして、胸を引きちぎられそうな別離に、泣かされました。
どうにもならない気持ちって、ありますよね・・。
次は三作目を読みます![]()