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お江戸☆脳内さんぽ

いつの頃からか江戸物小説に夢中♪
今日もしっぽり江戸にひたります

 

宮部みゆき 「泣き童子ー三島屋変調百物語参之続」

 

 

「あやかし草子」を読んでから、未読分を遡って読んできて、

遂に最後の三作目にたどり着きました~ビックリマーク

本作は、収録話数が多いためか、「じっくりじっとり怖い」というより

「さらっとしてるけどぞっとする汗」読後感です。(この感じ伝われ~(笑))

 

 

魂取の池

おちかと同じ年頃の娘が語り手。

近く幼馴染との婚礼を控え、雲の上を歩くような気持ちでいる娘は、

母親から祖母の身に起きた奇妙な出来事を教訓として聞かされる。

祖母の故郷にあるという「魂取の池」の水面に男女が姿を映すと、

男女は必ず別れるという。

勝気な祖母は、相手の気持ちを試そうと姿を映すが・・。


くりから御殿

大病が回復したばかりの老店主が語り手。

幼い頃、山津波にあい、親類縁者を皆亡くした彼は、その後

引き取られた屋敷で、不思議な出来事に遭う。

友達とかくれんぼをする夢を見ると、その時遊んだ相手の遺体が数日中に

見つかるのだ。

自分だけ生き残ったことに罪悪感を持つ彼を「生」に引きとめたのは・・。


泣き童子

三島屋の店先で倒れこんだ老人。

必死の看病を受け回復した彼は、瓦版で三島屋の百物語を知り、

どうしても話したいと来たそうだ。

差配をしている彼が縁あって引き取った赤子は、三つになっても

口を利かず、突然泣き出して止まらないことがあった。

赤子の周囲で起きる出来ることから、赤子が泣く理由を知った彼は、

赤子の泣き声に次第に追い詰められていく、という話。


小雪舞う日の怪談語り

前の語りが後味の悪いものであったため、気がふさいでいたおちか。

そんな時、黒子の親分に「心の煤払い」にと、札差が主催する

「怪談語りの会」に誘われる。

会にはおちかが密かに心を寄せる青野も行くということで、重い腰が上がった。

そうして始まった会では、様々な人が様々な「不思議な話」をしたが、

道中でおちかにも不思議な出来事が・・。


まぐる笛

まだ江戸に慣れない北国出身の若い侍が語り手。

彼の母の故郷の村では、「まぐる」という怪物が出て、人を喰らうという。

退治できるのは、ある条件を満たした女性だけ。

彼の母は丁度そのお役目に就いていた。

閉鎖的な村の伝統や定めと、その意味を身をもって知った彼は、母の死、

そしてその役目を継ぐことのできなかった妹への複雑な心境を吐露する。


節気顔

ある商家の内儀が語り手。

彼女が幼い頃、家を出ていた放蕩者の叔父が急に心を入れ替えて帰ってきた。

憑き物が落ちたような叔父の様子に家族は驚き、扱いに悩んだ結果、

彼女の父が引き受けることになった。

叔父は三両を彼女の父に差し出し「一年養ってほしい」と言う。

住むところは物置、仕事も店の表に出ない下働きで、と、まるで以前の叔父とは違う

様子に面食らう家族。

その上、自分の住む物置には近づいてくれるな、二十四節の節日は外出させてほしい、と

不可解な要求をする。

そもそも、なんで「一年」なのか?

わからないことばかりで、自然と腫れ物に触るように叔父を扱っていたが・・という話。

 

 

本作は「小雪舞う日の怪談語り」の中で怪談が4つ語られることもあり、

冒頭で書いたように、他の同シリーズ作品よりも収録話数が多いんですね。

それでも、印象がだぶる話やいまいちな話はなく、飽きることなく読むことができました。

特に印象に残っているのは、タイトル作の「泣き童子」と「節気顔」です。

「泣き童子」は、語り手の老人が心理的に追い詰められていく様が苦しいくらいに伝わり

ぞっとしましたし、「節気顔」は叔父の秘密に大きな衝撃を受けました。。

 

人の話を「聴く」ということは、その人を受け止めることにもなり、

その話が重ければ重いほど聴き手は消耗するんですよね。

消耗するだけならまだましで、時にダメージを負うことも。

「泣き童子」の後、おちかはダメージを負って、暫く百物語を休むことになります。

こういう経緯があって暫く休んだら、私だったら再開させるのちょっと怖いです。。

さほど間をあけず再開したおちか、強くなったな~と感動しました。

そういえば、元々この百物語の聴き手という役目は、おちかの叔父である

三島屋店主から心のリハビリとして提案されたものでしたね。

厳しいリハビリだなあ・・。