トキポナは、カナダの言語学者 Sonja Lang 氏によって、思考やコミュニケーションを簡素化するために作られた人工言語です。このページでは、この「トキポナ」について、詳しく解説していきます。

では、まずトキポナの発音から説明しましょう。

トキポナの母音は a, e, i, o, u の5種類です。
子音は p, t, k, m, l, n, s, j, w の9種類です。
j は y の発音なので、ja は「ヤ」と読みます。
音節は (C)V(n) です。
ただし、ti, ji, wo, wu の発音はありません。

語順は SVO です。修飾語順は NA(後置修飾)です。

簡単な文を作るために、いくつかの単語を紹介します。
mi 私
sina あなた
mije 男
meli 女
lukin 見る

これらの単語を用いて「私は男です」という文を作ってみましょう。

文の作り方
[主語] [述語]

主語が「私」で、述語が「男」なので、mi mije です。
「あなたは女です」は、sina meli です。

では「私は女性を見る」という文を作ってみましょう。

文の作り方
[主語] [動詞] e [目的語]

動詞が「見る」で、目的語が「女性」なので、mi lukin e meli です。
「私はあなたを見る」は、mi lukin e sina です。

動詞に、現在形、過去形、未来形の区別はありません。
時制を区別して表現する方法については、後ほど説明します。

さて、主語が mi の場合や sina の場合は、主語の後にすぐ述語を置けますが、それ以外の場合は、主語の後に li を置きます。

文の作り方
[主語] li [述語]
[主語] li [動詞] e [目的語]

「男性が私を見る」は、mije li lukin e mi です。
「女性があなたを見る」は、meli li lukin e sina です。

では、新しい単語を紹介します。
sitelen 絵/写真
soweli 動物(哺乳類)
lipu 紙/本
kala 魚
suli 大きい
lili 小さい
jan 人
telo 水
waso 鳥
pona 良い/親しい
ike 悪い
ni この/これ
ona 彼/彼女

「動物の絵」は sitelen soweli(絵+動物)です。「魚の本」は lipu kala(本+魚)です。また「大きい魚」は kala suli(魚+大きい)です。「小さい動物」は soweli lili(動物+小さい)です。jan lili は「小さい人」なので「子ども」を意味します。telo suli は「大きい水」なので「海」や「湖」を意味します。jan pona は「親しい人」なので「友達」を意味します。「この水」は「水+この」という語順になるので、telo ni です。meli mi は「女性+私(の)」なので「私の妻」を意味します。mije sina は「男性+あなた(の)」なので「あなたの夫」を意味します。

では、次の文をトキポナに訳してください。
[1] あなたの魚は大きいです。
[2] 彼の鳥は小さいです。
[3] 魚の絵は良いです。
[4] これは悪い動物です。
[5] あなたの鳥は大きな魚を見ます。

解答.
[1] kala sina li suli.
[2] waso ona li lili.
[3] sitelen kala li pona.
[4] ni li soweli ike.
[5] waso sina li lukin e kala suli.

では、新しい単語を紹介します。
toki 話す/言葉
moku 食べる/飲む/食料
pipi 昆虫/虫
unpa 交尾する
kili 果物/野菜

次の文を日本語に訳してください。
[1] mi toki.
[2] sina moku.

解答.
[1] 私は話す。/ 私は言葉です。
[2] あなたは食べる。/ あなたは食料です。

解答が2つずつあるのは、なぜでしょうか?それは、述部が動詞なのか名詞なのか、明確ではないからです。トキポナは、単語数が少ない言語なので、1つの単語が動詞になったり名詞になったりします。普通に考えれば、述部は動詞であり、「話す」や「食べる」を意味するものと思われますが、ひょっとすると「言葉」や「食料」を意味している可能性もあります。トキポナは、このように文脈に依存する言語です。

トキポナの基本的な文は「主語 li 動詞 e 目的語」の形になりますが、この li や e は、1つの文に1つずつしか使えないわけではありません。

pipi li unpa li moku.
虫が、交尾し、食べる。
これは、複数の li をもつ文であり、1つの主語に2つの動詞が付いています。

mi moku e kili e kala.
私は、果物を食べ、魚を食べる。(私は果物と魚を食べる。)
これは、複数の e をもつ文であり、1つの動詞に2つの目的語が付いています。

li と e に挟まれている単語は、必ず動詞になります。たとえば、suli は「大きい」という意味の形容詞ですが、mi suli e ni. と言えば、suli は動詞となるので、「私はこれを大きくする」という意味になります。同様に lili は「小さい」という意味の形容詞ですが、「小さくする」という動詞にもなります。また、telo は「水」を意味する名詞ですが、これを動詞として使うと「洗う」「濡らす」等の意味になります。

moku li suli e mi.
食べ物が私を成長させます。
sina telo e kili.
あなたは野菜を洗います。

動詞の位置に入る単語は、1つだけとは限りません。
ここに複数の単語が入る例を見てみましょう。

新しい単語を紹介します。
ijo 何か/物事
tu 切る
ala 否定形
ken ~できる
wile ~したい/願い
lukin ~しようとする

mi toki pona e ijo.
toki pona 伝える+良く
私は物事をうまく伝える。

pipi li moku lili e kili.
moku lili 食べる+小さく
虫が果物をかじる。

ona li tu ala e kili.
tu ala 切る+否定
彼女は野菜を切らない。
(否定形を作る ala は、動詞の後に置きます。)

mi ken tu e ni.
ken tu ~できる+切る
私はこれを切ることができる。
( ken のような助動詞は、動詞の前に置きます。)

mi wile ala moku e telo.
wile ala moku ~したい+否定+飲む
私は水を飲みたくない。
(否定形を作る ala は、助動詞の後に置きます。)

waso mije li lukin unpa.
lukin unpa ~しようとする+交尾
オスの鳥が交尾しようとする。

lukin には「見る」という意味もあります。そのため「見ようとする」は、lukin lukin になります。
soweli li lukin lukin e kala.
獣が魚を見ようとする。

さて、文の骨格は「主語+動詞+目的語」ですが、これだけでは、まだ不充分です。「私はお金を与える」といっても、これでは「誰に与えるか」が述べられていません。つまり、日本語の「~に」や「~で」に相当する部分も重要です。次に、これらの表現を可能にするための「前置詞」について説明します。

tawa ~に/~に行く/動く(英語の to や for に相当する単語です。)
lon ~で/~にある/存在する(英語の at や in や on に相当する単語です。)
pana 与える/置く
sona 知識/賢い/知っている
mani お金
tomo 家/部屋
ilo 道具/機械
sin 新しい

では、これらの単語を用いて「私は彼に教える」という文を作ってみましょう。「教える」という単語はないので「知識を与える」という表現になります。まず「知識を与える」は、pana e sona です。ここに「彼に」をどのように加えるか、ということです。前置詞 tawa を用いると「彼に」は、tawa ona です。これを文末に追加すればよいのです。よって「私は彼に教える」は、mi pana e sona tawa ona. です。

では「私は彼にお金を与える」という文を作ってみましょう。
mi pana e mani tawa ona.

では「私は家でお金を与える」という文を作ってみましょう。
「家で」は、前置詞 lon を用いて、lon tomo です。これを文末に追加すればよいのです。
mi pana e mani lon tomo.

では次の日本語を、トキポナに訳してください。
(問)あなたの友人が家で新しい道具を彼に与えます。
(答)jan pona sina li pana e ilo sin tawa ona lon tomo.

さて、ここまでは tawa や lon を「前置詞」として見てきましたが、実は、tawa や lon は、動詞のように扱うこともできます。

mi tawa.
私は行きます。(さようなら)
mi tawa sina.
私はあなたのほうに行きます。

mi lon.
私はいます。
mi lon tomo.
私は家にいます。

ここでは、tawa や lon の後に e は付けません。e を付けると、tawa や lon は他動詞となり、その後に続く名詞が「直接目的語」になってしまうので、次のように意味が変わってしまいます。

mi tawa e sina.
私はあなたを動かします。
mi lon e tomo.
私は家を存在させます。

新しい単語を紹介します。
kama ~になる/来る
jo 持つ/含む
moli 殺す/死んでいる

kama は、動詞として「来る」という意味があります。
ona li kama.
彼が来る。
ona li kama tawa tomo mi.
彼が私の家に来る。

kama の後に形容詞や名詞が来ると「~になる」という意味になります。
pipi li kama suli.
虫が大きくなる。
sina kama jan pona mi.
あなたは私の友達になる。

では、次の文は、どういう意味でしょうか?
sina kama sona.

sona を名詞として解釈するなら「あなたは知識になる」ですが、この場合はおそらく形容詞で「あなたは賢くなる」という意味であるか、もしくは動詞(目的語が省略されている)で「あなたは○○を学ぶ(知っている状態になる)」という意味でしょう。

sina sona e toki pona.
あなたは良い言語(トキポナ)を知っている。
sina kama sona e toki pona.
あなたは良い言語(トキポナ)を学ぶ。

sona(知っている)という動詞の前に kama を付けると、kama sona(学ぶ)という別の動詞になります。このような例は、他にもあります。

mi jo e ilo pona.
私は良い道具を持っている。
mi kama jo e ilo pona.
私は良い道具を得る(持っている状態になる)。
ona li moli.
彼は死んでいる。
ona li kama moli.
彼は死ぬ(死んでいる状態になる)。

ついでに言うと、ona li moli.(彼は死んでいる)は、ona li moli e pipi.(彼は虫を殺す)の目的語を省略した形、つまり「彼は殺す」という意味である可能性もあります。トキポナは、このように文脈に依存する言語です。

なお、否定形を作る ala は、直前の単語との結びつきが強いので、否定形を作るときには ala を置く位置にご注意ください。具体的に説明します。

sona 知っている
sona ala 知らない
kama sona 覚える(知っている状態になる)
kama ala sona 覚えない(知っている状態にならない)
kama sona ala 忘れる(知らない状態になる)
kama ala sona ala 忘れない(知らない状態にならない)

jo 持っている
jo ala 持っていない
kama jo 得る(持っている状態になる)
kama ala jo 得ない(持っている状態にならない)
kama jo ala 失う(持っていない状態になる)
kama ala jo ala 失わない(持っていない状態にならない)

moli 死んでいる
moli ala 生きている(死んでいない)
kama moli 死ぬ(死んでいる状態になる)
kama ala moli 死なない(死んでいる状態にならない)
kama moli ala 蘇る(死んでいない状態になる)
kama ala moli ala 蘇らない(死んでいない状態にならない)

では次に、疑問文について説明します。

これは何ですか?
ni li seme?
(トキポナで「何」は、seme といいます。)

英語の場合は、What が文頭に出ますが、トキポナは簡単な言語なので、疑問詞 seme が文頭に出たり、語順が入れ替わったりすることはありません。

ni li mi. これは、私です。
ni li sina. これは、あなたです。
ni li seme? これは、何ですか?

このように、基本的な文形のまま、回答として知りたい部分を seme に置き換えれば良いのです。
また、英語の場合は、What, Where, Who 等、いろいろな疑問詞がありますが、トキポナの疑問詞は seme だけです。

mi lon ni.
私は、ここにいます。
sina lon seme?
あなたは、どこにいますか?
ona li jan seme?
彼は、誰(何の人)ですか?
jan seme li toki?
誰が話しますか?
sina seme e ona?
あなたは彼をどうしますか?
soweli ni li moku e seme?
この動物は何を食べますか?

When, Why, How 等の表現については、後ほど説明します。

では次に「はい」または「いいえ」で回答を求める疑問文について説明します。

新しい単語を紹介します。
mama 親
nasa 変な/狂った
walo 白い
pimeja 黒い
loje 赤い
laso 青い
jelo 黄色い

疑問文は、文末に anu seme? を付けます。

ona li mama.
彼女は親です。
ona li mama anu seme?
彼女は親ですか?
sina wile moku e telo anu seme?
あなたは水を飲みたいですか?

また、
述部(名詞や動詞や助動詞)を、否定形 ala を挟んで繰り返しても疑問文を作ることができます。

ona li mama ala mama?
彼女は親ですか?
sina moku ala moku e telo?
あなたは水を飲みますか?
sina wile ala wile moku e telo?
あなたは水を飲みたいですか?

質問に対して「はい」と答える場合は、「はい、○○です」の○○に相当する部分を繰り返します。「いいえ」と答える場合は、「いいえ、○○ではありません」の○○に相当する部分を繰り返した後に ala を添えるか、または単に ala とだけ答えます。

ni li pimeja anu seme?
これは黒いですか?
pimeja ala. ni li loje laso.
いいえ、これは紫色です。
(紫色は、赤と青を混ぜた色なので、loje laso または laso loje です。)
ni li jelo ala jelo?
これは黄色いですか?
jelo.
はい。
ala. ni li loje jelo.
いいえ、これは橙色です。
(橙色は、赤と黄を混ぜた色なので、loje jelo または jelo loje です。)

色を表す単語は、白、黒、赤、青、黄の5種類です。その他の色は、これらの色を混ぜて(並べて)表します。濃い桃色は loje walo、薄い桃色は walo loje、濃い水色は laso walo、薄い水色は walo laso、濃い灰色は pimeja walo、薄い灰色は walo pimejaです。

疑問文(および色の表現)に関する説明は以上です。

さて、ここで突然ですが…、tomo telo nasa、この意味が分かりますか?tomo は「家」や「部屋」を意味します。telo は「水」や「液体」を意味します。nasa は「変」とか「狂う」とか「酔う」を意味します。tomo telo は、水の部屋なので「風呂」や「トイレ」を意味します。telo nasa は、狂う水なので「お酒」を意味します。では「変なトイレ」は、トキポナで何というでしょうか?nasa な tomo telo ですから、tomo telo nasa になります。では「お酒の部屋」は、何というでしょうか?telo nasa の tomo ですから、tomo telo nasa になります。どちらも、同じ tomo telo nasa になってしまいました。

(( tomo telo )nasa )→ 変なトイレ
( tomo( telo nasa ))→ お酒の部屋

この問題を解決してくれるのが、pi という単語です。トキポナでは、単語が(ABC)と並んだ場合に、これを((AB)C)と解釈します。(A(BC))と解釈したい場合には、pi という単語を使って、(A pi BC)と表現します。

tomo telo nasa → 変なトイレ
tomo pi telo nasa → お酒の部屋

それでは…
[1] moku tomo sona
[2] moku pi tomo sona
この意味が分かりますか?

[1](( moku tomo )sona )
moku は「食料・料理」を意味し、tomo は「家」を意味しているので、moku tomo で「家庭料理」を意味します。これを sona =「賢い」が修飾しているので、「賢い家庭料理」です。

[2]( moku( tomo sona ))
tomo は「家・建物」を意味し、sona は「知識」を意味しているので、tomo sona で「学校」を意味します。これが moku =「食事」を修飾しているので、「学校給食」です。

では次に、仮定法について説明します。

la ~ならば/~のとき
sewi 神聖な/神
pali する/作る/働く
pilin 感じる/触る/気持ち
lukin 目
tenpo 時間
tenpo ni 今
tan ~から/原因/理由(英語の from に相当する単語です。)

「AならばBです」という表現は、AとBを la でつなぎます。
いくつか例文を見てみましょう。

mi jo e moku la mi pana e ona tawa sina.
もし(私が)食料を持っているならば、(私は)それをあなたに与えます。
( ona は「彼/彼女」の意味ですが、物に対しても使えるため「それ」という意味にもなります。)
sewi li wile la mi pali.
神が望むなら、私はやります。
mi pilin e lukin mi la lukin mi li kama loje.
(私が)(私の)目を触ったら、(私の)目が赤くなりました。

また、la は仮定法に限らず、幅広く文を接続する働きがあります。

mi ken ala pali.
私は働けません。
mi ken ala pali tan ni.
この理由によって、私は働けません。
= tan ni la mi ken ala pali.
( tan ni を文頭に置き、la でつなげても構いません。)

ona li moku e pipi.
彼は虫を食べる。
ona li moku e pipi tan seme?
彼が虫を食べる理由は何?
(なぜ彼は虫を食べるのですか?)
= tan seme la ona li moku e pipi?
( tan seme を文頭に置き、la でつなげても構いません。)

mi wile tawa.
私は行かなければならない。
mi wile tawa lon tenpo ni.
私は今(に)行かなければならない。
(場所や時間を表す前置詞 lon が必要です。)
= tenpo ni la mi wile tawa.
( lon tenpo ni を文頭に置き、la でつなげても構いません。なお、文頭の lon は省略可能です。)

次に、接続詞 la を用いた「時制」の表現について説明します。

トキポナの動詞には、時制がありません。その文が現在のことを言っているのか、過去のことなのか、未来のことなのかは、基本的に文脈から判断します。しかし、特別に時制を明確に示したい時には、次のように、前置詞 lon または接続詞 la を使うことで、これを示すことができます。

tenpo ni 現在
tenpo pini 過去
tenpo kama 未来

mi moku lon tenpo ni. = tenpo ni la mi moku.
私は現在に食べる(食べている)。
mi moku lon tenpo pini. = tenpo pini la mi moku.
私は過去に食べる(食べた)。
mi moku lon tenpo kama. = tenpo kama la mi moku.
私は未来に食べる(食べるだろう)。

では次に、固有名詞(外来語)の扱い方について説明します。

固有名詞は、頭文字を大文字にします。
日本 → Nijon
(ハ行が存在しないためヤ行を用います)
English → Inli
(音節数を維持するように多過ぎる子音を削ります)

トキポナの固有名詞(外来語)は、名詞というより形容詞として扱われます。

日本国 ma Nijon
日本語 toki Nijon
日本人 jan Nijon

このように、必ず「ある名詞を修飾する形容詞」として用いなければなりません。

では、ここで少し復習をします。次の文をトキポナに訳してください。

[1] 私は魚を食べます。
[2] 私は何か食べたいです。

解答.
[1] mi moku e kala.
[2] mi wile moku e ijo.

では、トキポナで「私は何か食べたいので魚を食べます」と言うことはできるでしょうか?

mi moku e kala tan ni: mi wile moku e ijo.
(私は魚を食べます。理由はこうです:私は何か食べたいです。)

トキポナでは、文の中に文を埋め込んで1つの文にすることができません。
そのため、トキポナでは、このようにコロン(:)を用いて、文を2つに分けて言い表します。

慣れるために、いくつか例文を挙げてみます。

mi wile e ni: sina kama jan pona mi.
(私はこれを望む:あなたが私の友達になる)
mi toki e ni: mi pana e mani tawa ona.
(私はこれを言う:彼にお金をあげる)

「私は『彼にお金をあげる』とあなたに言う」という文は、mi toki e ni tawa sina: mi pana e mani tawa ona. になりますが、ni とコロンを隣接させて使うほうが理解しやすいため、mi toki tawa sina e ni: mi pana e mani tawa ona. という語順もよく使われます。

新しい単語を紹介します。
kepeken ~で/使う(英語の by や with に近い意味の単語です。)
kute 聞く/従う/耳
mute たくさん/とても
palisa 棒状のもの
kalama 音/音を出す
luka 手/腕

では次に、トキポナの o という単語について説明します。

誰かを呼びかけるときに、o を使います。
jan Tanaka o!
田中さん!

o の後にコンマを付けると、その後に文をつなげることができます。
jan Tanaka o, moku li lon ni.
田中さん、ここに食料があります。

文を o で始めると、命令(勧誘や期待)の形になります。
o toki ala. o pali.
喋らないでください。働いてください。
o kepeken ala e ilo ni.
この道具は使わないでください。

相手を呼びかけた後に、命令(勧誘や期待)の文をつなげる場合は、2つの o をまとめて1つにし、コンマも外します。
jan Tanaka o, o pali.
→ jan Tanaka o pali.

いくつか例文を挙げてみます。
mije lili o kute e mama.
少年よ、親の言うことを聞きなさい。
sewi o pana e mani mute tawa mi.
神よ、私に多くの財産を与えてください。
mi mute o moku e ijo pona.
私たちみんなで何か良いものを食べましょう。

kepeken は、tawa や lon や tan のように前置詞としても使うことができます。
soweli ni li ken moku e pipi kepeken palisa.
この動物は棒を使って虫を食べることができる。
o kalama kepeken luka.
手で音を出してください。= 拍手してください。

新しい単語を紹介します。
taso しかし/~だけ
kin ~も
supa 板/台/机
jaki 汚い
noka 足/脚
wawa 強い/力
utala 戦う/打つ

supa sina taso li jaki.
あなたの机だけが汚いです。
mi lukin taso e lipu.
私は本を見ているだけです。
ona li lukin e sina taso.
彼はあなただけを見ています。
taso noka sina li wawa.
しかし、あなたの脚は強いです。
mi kin li utala e waso.
私も鳥を攻撃しました。
mi utala e waso kin.
私は鳥も攻撃しました。

新しい単語を紹介します。
poki 器/鞄/箱
lawa 頭/率いる
kasi 植物
uta 口/門
akesi 爬虫類/両生類
linja 紐/糸/毛
esun 店
sike 丸/円/輪/球

さらに、新しい単語(空間名詞)を紹介します。
sewi 上方/空
lon sewi ~の上に
anpa 下方/床
lon anpa ~の下に
sinpin 前方/正面
lon sinpin ~の前方に
monsi 後方/背後
lon monsi ~の後方に
poka 横/隣/近く
lon poka ~の横に/~の隣に
insa 内側/中身
lon insa ~の中に
selo 外側/皮/殻
lon selo ~の外に

lon poka pi poki lili
小さな器の近くに
lon sewi pi lawa ona
彼の頭の上に
lon anpa pi kasi palisa
木(棒状の植物)の下に
lon selo pi uta tomo
玄関(家の口)の外に

mi lukin e akesi linja lon sinpin esun.
私は店の前で蛇(紐状の爬虫類)を見ました。
pipi li lon monsi sina.
あなたの背後に虫がいます。
sina pana e sike lon poka seme?
ボールを何の横に置いたの?
jan lili li lon insa pi mama meli.
赤ちゃんが母親の胎内にいます。

では次に「感嘆文」について説明します。
感嘆文は、間投詞 a を用います。

sina suli.
あなたは偉大だ。
sina suli a!
あなたは偉大だ!

新しい単語を紹介します。
sama 同じ
ante 他の
ale すべて

では次に「比較」の表現について説明します。
トキポナには、比較の表現がないため、仕方なく次のように表現します。

mi suli sama sina.
私はあなたと同じくらい大きい。(等級)
mi suli mute. sina suli lili.
(私はとても大きい/あなたは少し大きい)
私はあなたより大きい。(比較級)
mi suli mute. jan ante ale li suli lili.
(私はとても大きい/すべての他の人は少し大きい)
私がもっとも大きい。(最上級)

このように、文を2つに分けて、比較したい一方の単語に mute、もう一方の単語に lili を置きます。

では、次に「数」の表現について説明します。

数は、1を wan と言い、2を tu と言い、それ以上は mute(たくさん)で済ませます。トキポナで大きな数字を表現することはできません。どうしても「3」を表現したいときは tu wan と言い、「4」は tu tu と言います。「5」は、指の本数が5本であることから「手」を意味する luka を使うことがあります。「6」は luka wan になり、「7」は luka tu になり、「8」は luka tu wan になり、「9」は luka tu tu になります。「10」は luka luka です。なお、稀に「20」を mute と言い、「100」を ale と言う場合があります。この方法を用いると「233」は ale ale mute luka luka tu wan になりますが、一般的ではありません。基本的に、3以上は mute で済ませます。

数字は、名詞の後ろに付いて、その数を表します。
jan tu(2人)

序数は、数字の前に nanpa を付けます。
jan nanpa tu(2番目の人)
jan pi nanpa tu の pi は通常省略します。

新しい単語(熟語)を紹介します。
tenpo sike 年
tenpo mun 月
tenpo esun 週
tenpo suno 日

tenpo sike tu は「2年」を意味し、tenpo suno nanpa tu は「2日目」を意味します。

では、まだ紹介していない単語をすべて紹介します。
ma 土、国、地面
seli 火、熱、温める
kon 空気、気体
lete 寒い、冷たい、冷やす
olin 愛、愛する
pakala 事故、破壊、壊す、壊れる
suno 光、太陽
anu または
mun 月、星
lape 寝る、眠る
musi 遊び、芸術、ゲーム、遊ぶ、楽しい
ko 柔らかい、半固体の物、砂状の物
suwi 甘い物、甘い、可愛い
open 開ける
nasin 道、方法、主義
pini 閉める、終わり、先端
lupa 穴状の物、出入口、ドア、窓
sijelo 体
alasa 集める、狩る
weka 外す、脱ぐ、不在、遠くの
len 衣服、布
kulupu グループ、会社、集団
kiwen 固い物、岩石、鉱物
kule 色、着色する、カラフルな
nena 出っ張り、山、鼻、ボタン
en ~と(&)
pan 飯、パン、主食
nimi 単語、名前
awen 待つ、保つ、残る、~し続ける

この他に、動物の鳴き声(ニャー、ワン等)を表す mu という単語と、公式トキポナ本を表す pu という単語があります。

新しい単語を含んだ例文を紹介します。
ma li seli lili.
地面が暖かい。
kon tawa li lete.
風(動く空気)が冷たい。
jan olin li pakala e luka e noka.
恋人が腕と脚を負傷した。
sina sitelen e suno anu mun?
あなたは太陽を描いているの?それとも月?
mi kama wile lape tan ni: toki li musi ala.
話が面白くないので眠くなってきた。
soweli ko ni li suwi a!
この猫(柔らかい動物)可愛い!
sina open e poki ni kepeken nasin seme?
あなたはどうやって(何の方法で)この箱を開けたの?
o pini e lupa.
窓を閉めてください。
sijelo pi jan alasa li kama pona lon tenpo seme?
狩人の体は、いつ回復しますか?
o weka e len.
服を脱いでください。
kulupu ni li kama jo e kiwen kule lon nena.
その集団は山でカラフルな石を拾った。
sina en mi li moku e pan.
あなたと私はパンを食べる。
nimi sina li seme?
あなたの名前は何ですか?
mi awen lon tomo mi.
私は家で待っている(家に残る/家に居続ける)。

以上で、トキポナの解説を終わります。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

★ 私が作った人工言語「ランディ」の解説記事へのリンクです。