
こんにちは、パーソナルトレーナーの清水広晃です。
本格的な梅雨空となり、各地で大雨の被害なども相次いでおりますが皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、今回のテーマは『日本人のフィジカル』。
競技スポーツではよく『フィジカルが強い(弱い)』という言葉を耳にします。
その中でもよく『日本人はフィジカルが弱い』と言われます(あくまで一般論、そうでない人も多くいます)。ではなぜそのように言われてしまうのか?
最初にお断りしますがこのテーマは僕が以前から感じていたことなので、今回はいつも以上に長くなります。読み始めてくれた方、覚悟してお読みください(笑)
まずはフィジカルとは何なのかということについて簡単にご説明します。フィジカルとは直訳で『肉体的な』という意味。つまりフィジカルの強さとは文字通り肉体の強さであり、主に筋力・体力面での強さということができます。フィジカルが強いということは、格闘技やボディコンタクトのある競技においてパワーの面で優位に立てるという利点があります。
特に階級制の競技の場合体重が同じなら筋量が多い方がより大きなパワーを生み出せるという点で優位に立てるのです。
ここで本題に戻ります。なぜ日本人はフィジカルが弱いと言われるのか?いくつか僕なりに考えていることがあるので述べさせてもらいます。
まず1つは身体的(民族的)特徴。
一般的に日本人を含むモンゴロイド民族は他のアングロサクソン、ゲルマン民族に比べ短驅です。ということは当然筋肉量も体に合わせて少なくなる。結果としてより大きなパワーを必要とする瞬発系の動作(走る、跳ぶ…など)において劣るということになります。ものを投げる、蹴るなどボールという他の物体を介在する場合、技術的なスキルでカバーできることもありますが、同じスキルならばやはりフィジカルの強い方がより遠く(速く、強く)投げる(蹴る)事ができるのです。
ただしこれはどうやっても民族的特徴を変えることはできませんので、本当の意味でのフィジカルの弱さとは言えないと思います。
次に挙げる点が、僕が考える日本人のフィジカルの弱さに繋がるのだと思います。
それは『生活環境の変化と違い』。
『変化』は過去と現在の日本国内の生活環境について。『違い』は日本と他国(特に欧米)との生活環境についてとお考えください。
まず生活環境の『変化』について。
昔は現在ほど娯楽環境が整っていなかったため、子供たちは外に出て遊ぶことが主流でした。外を走り回り、野球をしたり、時には相撲をとったり?することで必要な筋力は知らずうちに鍛えられていたのです。現在ではテレビゲームなどの発達により外で遊ぶ子の割合が減ったため、フィジカルは当然弱くなります。ならばと小さい頃から野球やサッカーチームに入れてみたところで、技術面のスキルは上達するものの、それまでに獲得すべきである基礎体力が不足した状態でのスキル獲得になるため、これもまたフィジカル面が追い付かないということになります。
そして次に生活環境の『違い』。
日本では前述のように小さな頃から野球やサッカーのチームに入れて我が子を将来のプロ選手に、という親が多くいます。それ自体は悪いことではありません。しかし小さな頃から特定の競技の練習を行った場合、競技のための筋肉が特化して鍛えられます。つまりひとつの競技においては傑出したスキルを持つものの、他の競技は苦手、という子ができてしまいます。
これに対し欧米はどうか?
日本のように子供のためのスポーツチームはもちろんあります。しかし欧米では日本のように練習に長時間を割かない事が多いので、時間に余裕ができます。スポーツが楽しくなった子は更なる楽しみを求めて他の競技の掛け持ちをしたりします。
その結果それまでに基礎体力が不足していた子でもバランスのいい筋コンディションを獲得できるというわけです。
アメリカなどではベースボールとアメリカンフットボール双方のプロリーグで活躍する選手が多数いるのに対し、日本は殆どいないといっていいでしょう。最近ではプロ野球北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手の投手と野手の二刀流が話題ですが、それもあくまで同一競技内での事です。全く違う競技において活躍するためにはどの競技にも対応できる基礎的なフィジカルの強さが必要だと思うのです。
今までは島国で閉鎖的な生活を送っていたため、単一民族として前述のような身体的特徴しか持てなかった日本人も、食生活の変化などにより昔より大型化していると思います。
元々勤勉実直な日本人、スキルはどの競技でも一流レベルまで引き上げられるはずです。そこに強いフィジカルが加われば決して海外の一流選手にもひけはとらないだけの選手が多数育っていくでしょう。
だからこそ僕はパーソナルトレーナーとしての立場から言いたい!
世の中の子を持つお父さん、お母さん!あなた方のお子さんを将来スポーツ選手として成功させたいなら、ひとつの競技に固執せず様々なスポーツをやらせてあげてください!少なくとも選択肢が拡げられ、夢も期待も倍増するはずです。
話が若干ずれてしまった感じですが、まとめると強いフィジカルは子供の頃から培われる基礎体力であり、それを養うためには複数種目の競技を行ってあげることが日本人にとって必要だというのが僕の見解です。
つい熱が入ってしまいいつにもまして長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。