ハセガワ 1/72
F16I ファイティングファルコン
イスラエル空軍
Sufa(ソウファ)製作記
ハセガワの『タイガーシャーク』に続いては、同じハセガワのE帯『F16I ファイテングファルコン イスラエル空軍』、通称『Sufa(ソウファ)』です。
F16ファイティングファルコンの新鋭複座型に、自国(イスラエル)の電子機器を搭載した、イスラエル空軍仕様『Sufa』。軽戦闘機のF16に大型化されたドーサルスパインと、背中のコンフォーマルタンクを搭載した、特徴的なフォルムの機体です。
この特異な造形は戦闘機好き、とりわけF16好きにはたまらないキットですね〜。
これは作るしかないな!…と思って、手に入れてから早2年の歳月。積みプラコーナーから取り出し、いよいよ箱を開けて製作に入る時がやってきました(笑)
こちらは、ハセガワのF16CJの定番キットに、複座型と、追加パーツをたっぷりと加えたボリューミーなキットです。
基本パーツを切り出して軽く仮組みしてみると、結構簡単に組めちゃいます。このいかにもパーツを後付けしましたっていうゴテゴテ感が、中東っぽくてなんとも言えない味があります(笑)
基本のスタイルは問題無し。「飛行機のハセガワ」と呼ばれた時代の、ハセガワクオリティの繊細でシャープなスジボリ。凄く良いと思います。
そうは言っても、細かいバリも多いし、合いがイマイチな所もチラホラ…。モールドも一部浅い所もあります。F-16のバリエーション展開で「Sufa」専用に設計されたキットでは無いので、穴開けや、切り取り、差し替えの追加工作も多いみたいですね。
…という訳で、ちょっと気合いを入れ直して製作に入ろうと思います。もしかしたら、これが年内最後のキット製作になるかもしれないですしね(笑)
いつものようにコクピットから作ります。っていうか、航空機モデルはコクピット作らないと、先に進めないので…(笑)
後席のサイドコンソールには押し出しピンの跡があるので、タミヤの光硬化パテで修正。他にもヒケが数カ所あるので、同様に埋めて整形しておきます。
コクピットは、指示書よりも濃いめのグレーにしてます。クレオスC/333エクストラダークシーグレーです。最近この色お気に入りです。
細吹きでムラを意識しながら黒立ち上げで塗装。乾燥後、全体につや消しクリアを吹いて、つやを整えます。
シート座面はスッキリし過ぎで寂しいんですが、パイロットを乗せちゃうので、つや消し黒で塗装だけしておきます。ちなみに、シートはまだ接着しません。両面テープでくっつけてるだけです。
機体の工作に入ります。要らない部分をカッターで切り取ったり、ピンバイスで穴を開けたりします。けっこうな量の工作です。
ただし、穴を開ける場所が凹になっているので、ピンバイスを持っているなら簡単です。穴のサイズの指定は記入無しです。とりあえず0.8mmで開口しておきました。小さけれゃ広げれば良いし、大きけれゃ塞げば良いし。適当です(笑)
端翼のランチャーを、エッチングソーを使って切り取って、新型のランチャーにつけ変えてあげます。エッチングソーで綺麗な切口を作るのはなかなか難しいですね。ちょっと切口が丸くなりました。強引に接着して、後で隙間を埋めてあげましょう。
説明書には、接着位置を丁寧に書いている欄がありました。実はこれって実物大の図になっているので、図面にブツを重ね合わせてやることにより、作業をスムーズに進めることが出来ます。親切ですね(笑)
パーツ毎に接着、整形していきます。整形まで終わらせて、合体させていきたいと思います。合いがけっこう厳しくて隙間、段差の出来る場所は、ポリパテを使って埋めていきます。なんでポリパテかというと、乾燥後にヒケ難いのと、修正、スジボリがし易いんです。仕上げにしかラッカーパテは使わないです。
特に背中に背負ったコンフォーマルタンクと、エアインテークの合いが悪いです。けっこうポリパテ使ったので、スジボリを入れ直さなくちゃです。
エアインテークと機体の間に隙間が出来ます。0.3mmのプラ板を適当にカットして挟んであげます。
プラ板を挟んで、仮で合わせてみると良い感じです。このエアインテークは、F16にとっては見せ場の一つですからね。
機体の後方側面も、ヒケがあるのでポリパテを盛って削ります。後で接着するドーサルスパインと、面がちゃんと繋がるように整えます。
このキット、接着前の下拵えがけっこうありますね。まぁこれが楽しいから良いんですけどね。
隙間を溶きパテで埋めてあげます。乾いたら不要部分のプラパテをシンナーで拭き取ります。ヒケた所は再度プラパテを盛り付けて整形。この時点で消えたスジボリは彫り直しておきます。
最後に「Sufa」専用の細かいパーツを接着していきます。
このごちゃごちゃした、いかにも後から付けましたみたいな感じがたまらなく良いですね(笑)
これで、とりあえず機体の基本工作は概ね終了です。気になった所を見つけたらその都度手を入れていこうと思います。
ここからは簡単ディテールアップです。
エンジンノズルは中がツルっとして、モールドが何も無いので、0.3mmのプラ板を短冊状に切って貼り付けました。適当工作ですが、何も無いよりはそれっぽくなって良いですよ。雰囲気重視です(笑)
次に、真鍮パイプと真鍮線で、ピトー管を作り直しました。接着は瞬間接着剤を使います。けっこう雰囲気出ますね。
合わせて、機首のライトニングアレスターを、伸ばしランナーで作ります。これも簡単な工作ですが、効果あります。ちょっと太いですね(笑)完全に乾いたら、馴染むように整形します。
次に機関砲のフェアリングを、ピンバイスで開口します。先ずは0.8mmぐらいで開口して、カッターで少しづつ広げてあげます。真鍮パイプを突っ込んであげようかは考え中です(笑)
キャノピーは合いがバッチリ。ピッタリはまります。
F16のキャノピーは金色の蒸着コーティングが施されていて、ちょっと暗めの黄色っぽく見えます。複座型の場合は前席のみです。クレオスのクリアーイエローに、クリアーと、スモークグレーをちょっとだけ混ぜて吹きました。良い感じに塗れました。
という訳で、キャノピーをマスキングします。いつも、テープとゾルの2段構えでマスキングしています。もしもの為です。
増槽と武装を組み立てました。合わせ目消しと、パーティングラインの処理。これがけっこう大変。地道な作業であんまり楽しく無い(笑)まぁこういう作業の積み重ねなんですけど…(笑)
いよいよ塗装に入ります。今回はいつもと違う黒立ち上げでいきます。
先ずは下塗りです。透け防止も兼ねて、クレオスの黒サフを全体に吹き付けます。希釈度は高めにして、表面が滑らかになるようにします。ここでザラつくと、最後まで泣かされます(笑)
次に白を上塗りしていきます。白黒にする事によって、塗装色が単調になるのを防ぎます。
レドームをクレオス#307 FS36320で塗装。レドームをマスキングして、下面の塗装に入ります。
先ずはクレオス#308 FS36375に、少し黒を足して暗めに調色して塗装。次に少し薄めに希釈した#308を上からフワッと塗装。仕上げはそこに白を加えて、少し明るめにしてシェードをかける感じで吹きました。
明暗をつけて、3色重ねて吹きました。写真を見るとそれほど明暗ついてる様に見えないんだけど、実物はまあまあ良い感じですよ(笑)
下面を適当にマスキングします。そんなに念入りでも無いけど、漏れないように念入りに(笑)
クレオスの、C313イエローFS33531を吹いていきます。薄めに希釈して重ねていきます。
続いて、C310ブラウンFS30219を吹きます。フリーハンドで吹きます。
…っていうか、塗装指示書が良くわからないですね〜。明らかにベージュとグリーンが逆になってます。間違ってますね。
正確にいうとカラー番号はあってるんですが、編みかけの濃淡で薄い色がグリーン、中間の濃い色がベージュになってるんです。これは見難いっていったら無いですよ(笑)
続いてグリーンを吹いていきますが、指示書ではC314FS35622ブルーになってるんですけど、こりゃ~100%間違ってますね(笑)
…という訳で、イスラエルの迷彩用に調色されている、C312FS34227グリーンに変更します。ブランド同様にフリーハンドで吹いていきます。
全体にちょっと明るい気もしますが、この段階ではこのぐらいで良いんじゃないかな。
細かい部分は、筆塗りで塗装します。これで基本塗装はとりあえず終わりです。
全体的にブラウンとグリーンの部分が多い気もしますが、これはこれでカッコいいから良いかな?
タミヤのスミ入れ塗料のブラックに、ダークブラウンを混ぜた物で、ウォッシング兼スミ入れを行います。機体裏面はブラック強めに混色。機体上面は迷彩を活かす為に、ダークブラウン強めに混色してます。
モールドに沿って適当に塗っていきます。適当なんだけど、モールドにちゃんとスミが残るように。後は風通しの良いところで、一旦乾燥させます。
乾いたら拭き取っていきます。エナメルシンナーを使って、綿棒で拭き取ります。綿棒は百均の安い奴。ちなみにこのダイソーの綿棒って、ホヤホヤしていて使い易いんです。
モールドが浅いところがけっこうあります。その辺は後でまとめて修正します。
拭き取る方向は、一定方向に決めて拭き取ります。またこの段階では綺麗に拭き取るんだから、綿棒はケチらずにドンドン綺麗な物を使います。汚れた綿棒を使っても、結局汚れを塗り伸ばしてるだけですからね(笑)
スミの乗りが甘い所は、もう一度乗せていきます。まぁ何処までやるか?何処で諦めるか?だけなんですけどね(笑)
この後、ガイアのEXクリアを全体に吹いて一旦塗膜を保護します。ピカピカの迷彩戦闘機っていうのも、なんか良いですね(笑)
乾いたら、デカール貼りしていきます。表面を、光沢クリア吹きでツルピカにしているので、シルバリングが起きにくくなってます。ただし注意は必要です。
ちなみにこのデカールはいつものハセガワスタンダードです。コシがが弱くて、細長いデカールは切断しやすい。ただし機体表面への馴染みは抜群。まぁ馴れですね(笑)
ちなみに、垂直尾翼のデザインがカッコ良いので、イスラエル空軍第253飛行隊のマーキングにしました。
クレオスのマークセッターをたっぷり塗ってデカールを密着させます。航空機モデルの場合は、細かいデカールにはあまりマークソフターは使わないんですが、ある程度のサイズの場合は念の為にソフターも使って密着させました。ソフター強力なので、シワシワにならない様に注意します(笑)
なかなかいい感じですが、一番上の茶色の部分が曲がってます。後でタッチアップします。
全体のデカールは、一通り貼り終わりました。あまりにも、小さくて目立たないのは敢えて無視しました(笑)この後、2日間ぐらいほったらかして完全乾燥させます。乾いたらデカール保護と、全体のツヤを整える為に、つや消しクリアを吹きました。
脚周りを接着していきます。足周りはツヤ消しのホワイトを吹きます。タイヤはタミヤのラバーブラックを筆塗り。ダークグレーでスミ入れして、ツヤ消しクリアでツヤを整えます。
接着は速乾性でチョン付接着。強度的に不安なところは、デコプリンセスでガッチリ接着します。
各種吊るし物も作業終了です。ちょっとウェザリングの足りないところもあるので、全部接着してからバランスを見て修正します。青いサイドワインダーが独特ですね(笑)
キャノピーのマスキングを剥がして、コンパウンドで軽く磨いて作業終了です。この最後の最後のマスキング剥がしが一番嬉しい瞬間です。後は、吊るし物を接着して、全体のバランスを見て完成です。
完成しました。記念撮影です。
ちょっと目線を下げます。
後ろからです。
横からです。
キャノピーです。金色の蒸着コーティングなかなか良い感じです。
垂直尾翼のマーキングです。カッコいいです。
アメリカ空軍のF16と記念撮影です。本家と比べるとやっぱりゴチャゴチャしてますね(笑)
やっぱり並ぶとカッコいいですね。
いやぁ〜カッコいいですね。本家と比べると、Sufaのゴテゴテ感が、いかにも中東っぽくて良い感じですよね。
完成品を眺めながら飲む焼酎お湯割は格別です(笑)
今回は塗装が楽しかったです。写真はちょっと明るくなっちゃいましたが、実物はもうちょっと渋い感じに仕上がりました。
製作期間は40日ぐらいかな?
細かい粗は多々ありますが、そこは目をつぶって次回作に活かそうと(笑)まぁ最後まで楽しめたので良かったです。
戦闘機が二機続いたので、次に作るのは久しぶりにスーパーカーです。
長文、最後までご覧いただきありがとうございました。