学生の頃は、よく映画を観た。
年間100本は軽く超えていたと思う。
もちろん40年も前のことだから、DVDレンタルもネット配信もない。
映画館で観るのである。
300円~500円で観ることのできる名画座には頻繁に通った。
特にお気に入りだったのは、町はずれにあった○○寺バス停前の「テアトル・デンキ」
今ではもう見ることのできない懐かしい昭和の映画館。
黒澤明も小津安二郎も、ヴィスコンティもフェリーニも・・・多くの名作をここで堪能させてもらった。
トイレの消臭剤がほのかに香るような古い映画館だったが、「映画の楽しみ」を享受できる素敵な場所だった。
~写真撮影・掲載許可有~
さて、自宅で手軽に映画鑑賞ができるようになった今、映画館の経営はいかがなものか?
「ブータン 山の教室」を上映している映画館は、以前から上質な作品を紹介してきた。
観客数の減少で、閉館の危機に陥ったそうだが、「ピンチはチャンス」と逆転の発想で、今年、移転リニューアル!
木造の建物は町の風景に馴染んで、清々しい。ビル内にあった頃よりもずっと健康的なイメージがある。
スタッフも若い方々が多く、大学生の自主上映会みたいな感じ。
きっと、みんな映画が大好きなのだろうな。
大型商業施設に併設されるシネコンとは違う親近感!
「こんな映画を観てほしい!」と、観客に語りかけるような熱量がある。
40年前の「テアトルデンキ」にも通じる、映画に対する志の高さを感じる。
「ニュー・シネマ・パラダイス」ならぬ「ニュー・キネマ・パラダイス」!
これから、どんな作品を上映し、どのような経営展開を見せてくれるのだろう?
町の小さな映画館を応援したい。