「ブータン 山の教室」を再び観に行った。
平日の昼間に堂々と観に行けるとは、無職の醍醐味。
いずれ自室で鑑賞することもできるのだろうけれど、やはり映画館の大画面で作品を堪能したい。
そんな気持ちになる映画だった。
予備知識のほとんどない状態で、1回目を観た。
学級委員長ペムザムを演じる女の子は、とびきり可愛い表情を見せる。
「きっと、この子だけはプロの子役なのだろうなあ。可愛らしすぎてちょっと浮いてるかも?」と、疑念をもったワタシは馬鹿でした。
この映画の登場人物は、ほとんど現地の方々が演じているのだそうな。
1回目の鑑賞後、パンフを読むと、あら!びっくり!
「可愛いペムザム」も現地の子どもが演じており、名前もペムザム。
「両親が離婚し、父親は飲んだくれ、祖母に育てられている」というキャラ設定も、まんま彼女の背景である。
いいのか?そこまで演出して・・・・・ リアリズム追求しすぎでは?笑
しかし、本人が本人を演じているからこそ、あの笑顔、あの涙 すべてが胸を打つ。
この作品に魅了されるのはなぜだろう?
大好きなブータン・美しい風景・出会い・・・・いくつも要素はあるけれど、子供達の学ぶ姿勢もその一つ。
黒板のない教室の塗り壁に、主人公の教師ウゲンは炭で板書する。
「1+1=2」 これを生徒全員が復唱する。
あちゃ~ 何とも悲惨な時代錯誤の教え込み授業である。
しかし、そんなしょうもない授業でも、子供達は瞳をきらきらさせて、教師の投げかける言葉を受け止める。
「1+1=2」 と、ちびた鉛筆を握りしめて紙に書きとめる。
学ぶことが嬉しくてたまらない といった表情だ。
なんか泣ける。 じーん
これに近い授業風景を昔、インドのダラムサラやシムラで見たことがあった。
ある学校のチベット難民の子供達は、机も椅子もない教室の地面に座り、授業に参加していた。
設備は不十分でも、皆真剣である。
難民の里親制度で、8年間、支援を続けた少女Jさんからもらった最初の手紙は、アルファベットのなぐり書きだった。
毎回もらう手紙で、英語の上達が分かる。
8年後、対面した彼女は、英語・ヒンディー語・そして母国語のチベット語を自在に操る15歳に成長していた。
教育は未来を創る まさにそれだよ。
映画 「ブータン 山の教室」・・・・・学ぶことの喜びを実感する子供達の表情に魅了されて、再び映画館へ足を運んだというわけであるなあ。