報告が遅くなりましたが、去る5月8日、八千代市生涯学習プラザにおいて、第10回定期総会が開催されました。結成10周年を記念して第1部では埼玉自治体問題研究所事務局長・渡辺繁博さんの「公共施設再編と市民運動の課題」と題した講演がありました。

第2部では来賓挨拶のあとに、三田登事務局長から基調報告と、今後の運動の発展をめざした提案がされ、役員人事では長く代表を務めていた今村弘美さんが勇退し、前市長選候補の桜井美徳さんが新任。全議題が全会一致で確認されました。

 

八千代市において、住民自治の発展をめざす唯一の市民運動団体として運動を継続し、10年目の節目を迎えたことは意味のあることだと思います。弊会への期待と責任はさらに大きくなっています。

以上、少し長くなりますが、総会資料を転載します。なお、統計資料などは割愛して本文だけといたします。ご了承ください。
 

 

基調報告
1 一般情勢(概要)
(1)「コロナ・抑圧・戦争」がキーワードの国際情勢

 近年の国際政治情勢は、とりわけ「コロナ・抑圧・戦争」がキーワードではないか。まずは香港情勢。香港で2014年9月の民主化運動(雨傘革命)は、中国政府の一国二制度政策の下で、2017年香港特別行政区行政長官選挙から普通選挙が導入される予定を抑圧。それに学生や市民が抗議して起きた運動だ。

 さらに、2019年3月から「逃亡犯条例改正案の完全撤回」や「普通選挙の実現」などを含む五つの目標「五大要求」の達成を目的に運動が高揚したが、習近平・中国政府の香港国家安全維持法による言論弾圧の激化により、民主化運動活動家や民主派メディアへの徹底的な弾圧で民主化運動は壊滅的な状況に追い込まれている。

 また、やはり日本に近いミャンマー情勢も軍によって民主的政治が弾圧されており、背景には中国政府の存在がある。2020年11月8日に執行されたミャンマー連邦議会の総選挙では、与党・国民民主連盟(NLD)が改選議席476議席のうち8割以上を占めたが、敗北を喫した国軍と連邦団結発展党(USDP)は「総選挙に不正があった」とクーデターを行い、アウンサンスーチーは拘束された。事実上壊滅的打撃を受けた国民民主連盟(NLD)は「国民統一政府」(NUG)の樹立を発表しているが、国軍との厳しい闘いは今後も続く。また、ロヒンギャ民族への迫害と弾圧も依然として深刻さを増している。

 そして、ここにきて世界に衝撃を与えたのがプーチン率いるロシアによる、ウクライナへの軍事侵略だ。2014年、ロシアはクリミア半島を不当に併合、また東部「ドネスツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」が宣言した「独立」を「承認」してから内戦状態となった。国際社会は平和的解決のため、ドイツ・フランスの貢献で、2014・2015年に「ミンスク合意」を締結して、ロシア・ウクライナ・欧州安全保障協力機構(OSCE)と親ロシア勢力が調印し、今年1月末には停戦合意を4者で確認していた。
  
しかし2月24日、ロシアはウクライナの国家主権、国連憲章・国際法を蹂躙して侵略を開始、市民を始め多数の犠牲者が出ている。特に住宅、病院、学校、商業施設等を無差別に攻撃することはジュネーブ協定違反で許されるものではない。4月段階でウクライナ難民は530万人。 国内避難民は770万人と報告されている。

プーチンは「ロシア離れを進めようとしているウクライナ指導はネオナチ」と規定して「ファシズムからウクライナ国民を解放する」と強弁した。かつて日本が「大東亜共栄圏」をでっちあげて東南アジアを侵略したように、あるいはヒトラーやスターリンによる血の支配と大弾圧のそれと同様ある。さらにはウクライナの原発基地の攻撃と占拠を展開。一時は、かつてのチェルノブイリ原発事故と比較にならない危機に直面した。

 また、ここにきて、ロシアへの経済制裁を背景にした経済的影響が世界的に出ている。2月24日の日本の株式相場は売り先行の展開となり、日経平均株価は2020年11月以来の2万6000円割れとなった。また、ロシアは世界第3位の原油国であり、欧州は天然ガス輸入の約4割をロシアに依存。パラジウムも同様だ。また、穀物価格も大きな影響が。ロシア、ウクライナはともに小麦、トウモロコシなどの主要生産国だ。小麦に関しては、両国で世界全体の輸出の約3割を占める。ガソリン、電気、ガス、小麦などの値上がりは日本も含めた世界経済に重くのしかかっている。

 

国連総会は3月24日、ロシアのウクライナ侵略に関する緊急特別会合で、ロシア軍による民間人や民間施設への無差別攻撃を非難し、即時停止を求める決議案を賛成多数で採択した。また、4月8日には国連人権理事会は、ロシアの理事国資格停止の決議を採択した。

このほかにもアフガニスタン紛争、クルド対トルコ紛争。内戦ではシリア、イラク、リビア、イエメン。そして中国によるウイグル民族への迫害、北朝鮮金一族独裁政治等々、枚挙にいとまがない。

また、3年目に突入したコロナ感染も世界経済に大きく影響を与え続けている。世界での累計感染者数は5月2日現在で、5億1348万3577人、死者623万5418人にのぼり、感染予防対策やワクチン接種が推進されているが、いまだに収束のめどはついておらず、ここにきてオミクロン変異株の問題も懸念されている。

(2)コロナと新自由主義で生きづらい~国内情勢
①岸田自公政権の新自由主義による格差拡大
メディアの2月調査によると(あえてNNNと読売新聞)岸田内閣の支持率は前の月より8ポイント下がり、58%(朝日新聞45%)だった。「評価しない」44%を少し上回っている状態だ。主にコロナ対応の遅さや生活支援、経営支援の不十分さが批判されている。

また、岸田首相は新自由主義となんら変わらない「新しい資本主義」を掲げ、これまで市場に依存し過ぎたことで格差や貧困が拡大したと繰り返してきた。しかし、なんら実効性のある政策は打ち出せず、現実的には、「日本の経済格差について、全体として『深刻だ』と答えた人は、『ある程度』を含めて88%に上った。『深刻ではない』は11%だった」と読売新聞の調査でも報告されている。

②2022年度国家予算について
●変わらぬ借金体質
が閣議決定した2022年度の当初予算案は、一般会計の歳出総額が107兆5964億円と10年連続で過去最大となった。高齢化の影響で伸び続ける社会保障費や防衛費が過去最大の規模になったほか、新型コロナウイルス対応の予備費で前年度と同額の5兆円を計上するなど歳出が膨れあがった。歳入は過去最高の税収を見込む分、国債依存度は少し低下するものの、借金頼みの体質は変わっていない。

●高齢者、弱者切り捨て予算
社会保障費として36兆2735億円を計上した。社会保障費の自然増は4400億円とした。概算要求時の6600億円増から2200億円の圧縮。診療報酬改定で薬価を引き下げたほか、後期高齢者医療の窓口負担を年収200万円以上の人を対象に現行の1割から2割に増やす制度改悪などで削減した。

コロナ関連は5兆円を計上した予備費が中心。社会保障費に保健所の体制強化や水際対策の推進などが盛り込まれたが、コロナ禍で経営危機となっている医療・介護施設への減収補填は盛り込まれていない。中小業者の事業支援や困窮者向けの給付金も盛り込まれなかった。

●一方で膨張を続ける防衛(軍事)予算
防衛(軍事)予算は、5兆3687億円(デジタル庁計上分318億円を除く)と過去最大になった。当初予算で5兆円を超えるのは8年連続。第2次安倍晋三政権発足後の13年度から10年連続で前年度を上回り、8年連続で過去最大を更新した。軍事費は21年度補正予算との合計で6兆1744億円となり、国内総生産(GDP)1.1%を超えようとしている。

③「反撃能力保有」「防衛費倍増」を画策する岸田自公政権
ウクライナ情勢に乗じて、自民党は敵の指揮統制機能などを攻撃する費増などを盛り込んだ提言を岸田文雄首相に提出した。提言は「敵基地攻撃能力」から名称を「反撃能力」と変更。「弾道ミサイル攻撃を含むわが国への武力攻撃に対する反撃能力」を求めた。攻撃対象の範囲を「指揮統制機能等も含む」と広げた。防衛費については「NATO諸国の国防予算の対GDP比目標(2%以上)も念頭に、5年以内に必要な予算水準の達成を目指す」と明記した。いわば軍事費倍増計画だ。

④上がり続ける消費者物価指数、上がらぬ賃金
総務省が発表した3月の消費者物価指数は、値動きの大きい生鮮食品をのぞいた総合指数が100.9で、前年同月より0.8%上がった。7カ月連続の上昇で、2年2カ月ぶりの高水準。特に電気代やガス代などエネルギー関連の値上がりが激しい。電気は前年同月より21.6%、ガスは18.1%、ガソリンは19.4%上昇。これらを含むエネルギー全体の価格指数は20.8%上がり、第2次石油危機の影響があった1981年1月以来、41年ぶりの上げ幅だった。円安の影響で生鮮食品をのぞく食料品は2.0%上がった。一方、生鮮食品は全体で11.6%上がった。
 
それとは逆に上がらないのが賃金だ。厚生労働省の2021年の毎月勤労統計によると、名目賃金にあたる労働者1人あたりの平均現金給与総額は31万9461円。3年ぶりに前年を上回ったものの、上昇率は0.3%にとどまった。1992年に2%上がった後、約30年にわたってまともに上がっていない。中小企業にいたっては賃上げゼロや賃金カット、コロナ禍などによる解雇や雇い止めが続いている。
 
政府は2022年4月26日、原油価格・物価高騰等、緊急経済対策を決定。その内容13兆円規模と報道されている。ガソリン価格を抑制するため、1リットル当たり最大25円となっている石油元売り会社への補助金の上限を35円に増額し、全国平均で168円に抑え、期間は9月末まで。生活困窮者支援として、住民税非課税世帯に10万円給付、低所得世帯の子ども1人あたり5万円の給付などを発表したが、参院選目当てのバラマキと批判されている。また、緊急経済対策の経済効果試算ではGDP押し上げ効果は0.4兆円、GDP比0.06%(野村総研)と効果が薄いことが指摘されている。経済対策というのなら、不公平税制の改善、賃上げ、消費税ゼロによる内需拡大こそが有効な経済対策だ。

⑤第5波コロナ・デルタ株~第6波オミクロン株による感染拡大
政府は、東京など18都道府県への「まん延防止等重点措置」を全面解除した。しかし、別表にあるように国内の累計感染者数は578万人を大きく超えている。また、八千代市においても2~3月は連日3ケタの感染者を出し、累計で1万人を大きく超え、県内6番目の多さは変わらない。また、ステルスオミクロンや第7波の可能性も指摘されており、まだまだ楽観はできない。

また、日常生活での無料PCR検査も含めた感染対策とともにワクチン接種は有効と思われるが、3回目ワクチン接種済みは全体で約50.8%(4月25日現在)。4回目接種の実施は当面は60歳以上と基礎疾患のある人が対象になる見通しだ。

⑥野党共闘が一定の成果を示した衆院議員選挙
10月31日、菅内閣が解散して第49回衆院議員選挙が行なわれた。小選挙区の投票率は55.93%。戦後3番目の低さとなった。自民は公示前勢力(276議席)から17議席減だが、単独過半数ラインを超える261議席だった。党陣営では、立憲民主が96議席にとどまり、公示前勢力の110から14議席を減らした。

総選挙の焦点は野党共闘だった。今回、候補者の一本化が進んだのは、前回17年衆院選で旧民進党が希望と立憲に分裂し、候補者が乱立した反省からだ。31日に投開票された衆院選で、立憲民主と共産、国民民主、れいわ新選組、社民の野党5党は全289選挙区の75%にあたる217選挙区で候補者を一本化して臨んだ。この217選挙区で当選した野党5党の候補は野党系無所属を含めても62人(29%)だった。

⑦参院選でも問われているのは野党共闘の前進
210を超える選挙区で野党共闘が実現。「与野党1対1」となった選挙区は約130となり、野党共闘をした小選挙区では48議席から57議席となり9議席増。東京でも小選挙区では野党共闘で4から8議席に倍増。減少したのは野党共闘していない比例区(漁夫の利を得たのが維新)であり、野党共闘そのものは敗北していない。もし野党共闘がなかったら立民はもっと減少していた。野党共闘が一定の成果を示したことは明らかである。

「7月の参院選では改選1人区の勝敗が鍵を握る」と山口二郎法政大教授は語っている。「維新が台頭し、国民民主も反共路線を明確にしている。候補者の一本化を妨げる要因は増えたが、自民に対抗するには、政党ブロックをつくるしかない。野党が共闘する必要性は変わっていない」とも指摘している。カギは立憲・泉執行部である。なにかにつけて共産党を否定するが、根底にあるのは視野の狭いセクト主義である。味方は誰か、敵は誰かを冷静に見れば、全野党共闘しかないということが分かるはずだし、野党共闘を押し上げていくための世論づくりが急がれている。

2 八千代市の情勢

(1)八千代市の財政
①2021年度決算の概要
◆ポイント◆
実質収支が約20億円の黒字など、概ね、財政状況はやや改善傾向にある。決算剰余金約20億円のうち半分の約10億円を財政調整基金に積み立てた。
借入金も昨年度から約32億円減った。また、近年悪化を続けていた経常収支比率は5年ぶりに1.7ポイント減の95.6%と改善した。理由としては消費税やコロナ対策の特別定額給付金によるもので、市財政の体力自体が根本的に改善されたわけではないが財政的余力は市民に還元するべきだ。

●令和2年度の実質収支額
歳入は前年度比32.2%増の810億8,150万円、歳出は前年度比31.2%増の783億5,796万円。歳入決算額から歳出決算額を差し引いた額は27億2,354万円となり、翌年度に繰り越した事業に充てる財源7億904万円を除く実質収支額は20億1,450万円
の黒字。特別定額給付金等の新型コロナウイルス感染症対策の実施に伴い、歳出額が増加したことが特徴。また、市には年度間の財源不均衡の調整や災害に備えるための財政調整基金と、特定目的のための基金があるが、これらの基金残高は前年度に比べ6.4%増の61億7,400万円。剰余金20億1,450万円のうち10億1,000万円を財政調整基金に積み立て、残額については3年度に繰り越した。

●一人当たりの市税と支出額及び歳出の内訳
一人当たりの市税は14万7,957円。歳入の37.0%を占める市税は、一人当たりに換算すると14万7,957円で、前年度に比べ230円減った。一般会計歳出総額から見た市民一人当たりの決算額は38万6,836円で、前年度に比べ8万8,583円増えた。

●借入金の残高
借入金の残高は前年度比6.3%減の479億6,844万円。借入金の残高は前年度に比べ32億2,365万円(6.3%)減の479億6,844万円。市民一人当たりに換算すると23万6,810円の借金があることになり、前年度に比べ18,799円減った。

●債務負担行為
債務負担行為支出予定額は26.4%増の209億5,840万円。年度末の債務負担行為支出予定額は前年度に比べ43億7,187万円(26.4%)増の209億5,840万円。市民一人当たりに換算すると10万3,467円となり、前年度に比べ2万648円増えた。

●経常収支比率
経常収支比率は95.6%に。毎年度経常的に支出される経費(経常的経費)が占める割合を経常収支比率という。この比率が高いほど、財政的なゆとりがなくなる。市の令和2年度の経常収支比率は、地方税、地方消費税交付金などの増加により対前年度比1.7ポイント減の95.6%と改善した。

②2022年度予算の概要
●予算規模
令和4年度の一般会計の予算規模は652億6,000万円で、前年度と比較して68億5千万円の増額で、11.7%の増。

特別会計は、国民健康保険事業、介護保険事業、墓地事業、後期高齢者医療を合わせて329億2,926万3千円となり、前年度と比較して4億8,104万7千円の増額で1.5%の増。

公営企業会計は、水道事業、公共下水道事業を合わせて155億1,056万円で、前年度と比較して5億4,571万2千円の増額で、3.6%の増。これにより一般会計、特別会計及び公営企業会計を合わせた全体の予算規模は1,136億9,982万3千円で、前年度と比較して78億7,675万9千円の増額で、7.4%の増。

●一般会計歳入歳出予算の概要
①歳入
自主財源は、全体では29億5,952万8千円、8.9%の増。依存財源は、全体では38億9,047万2千円、15.5%の増となっている。

②歳出(目的別)
構成比を高い順で見ると,民生費(43.9%),教育費(15.1%),総務費(11.4%),衛生費(9.7%),公債費(8.9%),土木費(5.4%),消防費(3.3%)となっている。また,増減額を見ると,教育費(26億6,372万5千円),民生費(17億394万6千円),衛生費(12億2,044万円),総務費(10億3,873万1千円),土木費(1億8,709万7千円)などで増。消防費(1億7,281万6千円),議会費(54万円)で減額。

③歳出(性質別)
人件費・扶助費・公債費の義務的経費は,前年度比較では,増減率は3.1%の増。義務的経費のうち人件費は,会計年度任用職員人件費などによる増額により0.6%増,扶助費は,障害者自立支援事業,障害児通所等支援事業,子ども医療費助成事業,民間保育園運営事業,生活保護事業,母子(父子)寡婦等福祉事業などの増額により5.4%の増,また,公債費は,長期債元金支払額の増額により0.9%の増。

物件費は,単独給食校運営事業,衆議院議員選挙及び最高裁判所裁判官国民審査事業,市長選挙事業などで減額。新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業,新型コロナウイルスワクチン接種対策事業,学校給食センター業務事業,図書館運営管理事業などの増額により17.7%の増。維持補修費は,都市公園管理事業,焼却炉施設管理事業などの増額により12.0%の増。

補助費等は,住民基本台帳ネットワーク事業,四市複合事務組合三山園運営事業緑地保全事業などで減額となりましたが,公共下水道事業繰出金,市議会議員選挙事業,観光推進事業などの増額により1.4%の増。貸付金は,看護師等修学資金貸付の増額により0.3%の増。繰出金は,後期高齢者医療広域連合事務費負担金では減額。介護保険事業特別会計,後期高齢者医療特別会計への繰出金などの増額により6.5%の増。

普通建設事業費は,都市公園建設事業,消防庁舎及び消防署等整備事業,学童保育事業などで減額。学校給食センター調理場建設事業,上下水道局庁舎の移転先となる本庁舎第二別館の増改築工事,(仮称)八千代市児童発達支援センター・すてっぷ21大和田複合施設建設工事,旧八千代台東第二小学校跡地整備工事,勝田台南第1自転車駐車場改修工事などの増額により,94.6%の増。

●八千代市一般会計予算に対する組替え動議(共産党、三田議員共同)
1組替えを求める理由
新型コロナウイルスの感染状況は第6波となり、まん延防止等重点措置が発出され、市民の生活は大変危機的な状況となっている。一方、市の財政状況は、税収の増加等により改善の兆しが見られ、財政調整基金残高は約40億円となっている。
 

財政調整基金の一部を活用し、子供の医療費の負担軽減、学校給食費の補助、避難所となる学校体育館へのエアコン設置等、市民の暮らしを守るため、以下の内容で予算の組替えを求めるものである。

2組替えの基本方針
①災害対策及び学校教育環境整備
防災備蓄品の補充、米本団地内の小学校跡地に学童保育所の設置、未配置教員の補充、学校図書の充実、学校体育館の空調設備整備、単独給食校の運営継続
②子育て支援
子ども医療費助成の対象年齢拡大、学校給食費の補助
③高齢者支援
配食サービス費の補助、交通不便の解消(コミュニティバスの試行運行)
④市民の安心・安全、社会教育環境整備等公共施設への生理用品の配置、通学路の安全対策、地域図書館の充実、新川千本桜の植え替え

●組み換えの内訳
①歳入では、財政調整基金から5億5459万3000円を取り崩す。
②歳出では、単独給食校廃止に係る給食室改修費用を減額する。
③本方針の防災備蓄品の補充については防災倉庫の点検を専門家に依頼する。米本団地内に学童保育所を残す。未配置教員の対策をする。学校図書は交付額を全額予算措置する。学校体育館の空調設備整備は2か年計画で1年分を計上する。単独給食校の運営を継続する。学校給食費の補助は第2子半額、第3子以降無料とする。配食サービス費の補助は100円から200円に増額する。公共施設に生理用品を配置する生涯学習を担う地域図書館2館の図書購入費をそれぞれ300万円確保する。

●国民健康保険事業特別会計予算に対する組替え動議(共産党、三田議員共同)
1組替えを求める理由
国民健康保険料については、令和4年度から未就学児に係る均等割保険料の2分の1が公費負担となることが決まっている(負担割合は国2分の1、県4分の1、市4分の1)。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響は当分続くと予想されることから、子育て世帯の負担を軽減するため、中学生以下の子供に係る均等割を廃止するとともに、 1世帯当たり5000円の保険料引下げ で、全世帯が安心して暮らせるよう、予算の組替えを求める。

2組替えの基本方針
中学生以下の 子供1人当たりの 均等割額35900円(医療給付費分27100円、後期高齢者支援金分8800円)を0円にするとともに、1世帯当たり5000円の保険料引下げを行い、 減額分を財政調整基金で賄うものとする。

3 組替えの内容
①歳入の国民健康保険料で、中学生以下の子供に係る均等割相当額(未就学児の均等割額の2分の1を除く。)を減額する。
②同じく国民健康保険料で、1世帯当たり5000円の保険料引下げ相当額を減額する。
③令和4年度の国民健康保険料は据置きとしているため、千葉県より示された保険料との差には財政調整基金が充てられる。上記①②の減額分についても財政調整基金で賄うものとする。
 

 

3 八千代市の諸問題とこれまでの取り組み

(1)八千代市長選挙
①市民派市長誕生に向けた取り組み
●選挙結果
服部 友則 29083票(当)
高山 敏朗 18359票
桜井 美徳   6471票
・投票率33.61% 
 

2021年5月23日が投票日の市長選挙は、結果的には上記のように3人中3位で落選となった。今市長選は、前回は出馬表明が告示近くであったことなど、準備不足であった点を反省し、候補者擁立、選対会議の体制づくりを早めに取り組んだ。選挙事務所も12月から開設して準備を進めた。ビラも全市的に3回配布(前回は1回)、地域廻りや、各地域でのミニ集会なども積極的に展開した。

では、なぜ前回より票が伸びなかったのか。大きな点として本来は票田となるべき、いわゆる「無党派層」の多くが棄権したことにある。今回の投票率は33.6%。有権者数約16万3000人のうち約10万9000人が棄権した。前回の谷敷候補が5人中3位で健闘した2017年は投票率が37.29%。前々回で秋葉候補が当選した2013年の投票率は41.84%で、前々回と今回を比較すると、8.24%(約1万3000票)も減少している。

また、再選した服部氏は、多少のごたごたはあったらしいが、自・公が選挙を支えるのは分かるにしても、立憲民主(千葉県2区支部)が連合も動員しながら自公と一緒なって服部候補を推薦までして応援したことは大問題だ。さらには、服部市政での重要議案をすべて賛成しておきながらの立候補声明に、身内の会派からも「大義名分がない」と批判されて会派を脱退して立候補した高山候補は、「200%市民派」(笑止千万)などと喧伝。さらには、大学と職場で後輩だった熊谷当時千葉市長との関係をフルに利用。また、秋葉元市長(現県議)とは、秋葉チルドレンから一転して一時は敬遠の仲だったが、双方の利害関係だけで関係修復する無節操ぶり。熊谷~秋葉~高山ラインによる「市民派イメージ戦術」で予想以上の票を得た。真の市民派・桜井候補への票が奪われた形になったことは反省点として踏まえなければならない。

厳しい選挙状況のなかでも桜井候補は奮闘した。「桜井よりのり市政ビジョン」「一人ひとりが安心して暮らせる八千代市へ!桜井よしのりが実現する5つの安心」を示し、「桜井よしのり当面する8つの約束」の公約として、「①コロナ禍対策の継続と拡充②財政の健全化③子育て支援の充実・自校方式の学校給食と無料化④公共施設再編は市民合意で⑤新市庁舎建設計画の白紙撤回⑥国民健康保険料や介護保険料の値下げ⑦農業、商業、産業の振興と活性化⑧市長報酬の50%カット」など、明確な政策論を展開し、喫緊の課題として「①小中学校統廃合反対②市民合意なき公共施設再編反対」の論陣を張り、策を弄さず全力で戦い抜いたのである。

結果は結果として真摯に受け止めるが、3期連続で市民派市長誕生に向けて取り組んだ意義については揺るぎない成果である。

(2)2期目もリーダーシップ皆無の服部市長
①公約違反しても平気。ただ市長になりたいだけ
服部市長1期目の公約の目玉は、東京メトロとの合併を前提とした東葉高速鉄道運賃値下げ、京成線高架化、駅前再開発による人口流入などを掲げた。しかし、当選後まもなくギブアップ。売りのはずの「ハットリノミクス」なる言葉はまったく語らなくなった。

さらに2期目をめざして出馬表明した時の記者会見では「住みやすく、通学通勤に便利な日本一のベッドタウンに発展させたい。そのために引き続き、かじ取りを担わせてほしい」と述べ、「新庁舎整備や京成沿線再開発、東葉高速の通学定期値下げを課題に挙げた」と報道された。しかし、「日本一のベッドタウン」にするためには人口増が不可欠なのに「八千代人口ビジョン」でもなんら展望を示すことはできていない。さらに、京成沿線再開発は単なるリップサービス。東葉高速運賃値下げも、いつの間にか通学定期値下げに代わった。新庁舎整備も市民の声に立ち往生して「見直し」に。議会でも市長に向けられた質問にも都合の悪いことは部下任せ。予算委員会では冒頭の挨拶のみで、さっさと逃亡。

このように公約違反にも反省などない鉄面皮ぶりだ。市長としての哲学もビジョンもなく、ましてやリーダーシップなど微塵もない首長に、市民は少なくともあと3年は付き合わなくてはならない。ただ市長になりたいだけの市長に「市民が主役の市政実現」をめざす運動で対峙していく。

(3)「八千代市第5次基本総合計画」
10年計画の第4次総合計画は「全事業における133指標のうち目標に達成したのが30指標」(達成率22.6%)という結果論だけで、まともな総括もしないまま(そもそも秋葉市政時から事務事業評価を廃止しており、評価しようがない)8年計画の第5次総合計画になし崩し的に突入した。

●基本構想
長期的な視点から、基本理念と将来像を示すとともに、将来像の実現に向けた施策の大綱を示す。
●基本計画
まちづくりを着実に推進するため、重点的に実施する施策を位置付けた基本的な計画。
●実施計画
基本計画において定められた施策を効果的に実施するための具体的な事業を示した。
などと、それらしいことを「第5次総合計画の体系」などと謳っているが、「市民主体」の理念を骨格にした計画に軌道修正しなければ、またもや総括もできないまま第6次へと事務処理的に移行することだろう。

(4)まだ収束しないコロナ禍。生活困窮と経営難
●一昨年、国からのコロナ対策費を半分しか活用しなかった服部市政
一昨年は5月臨時議会で①新生児新型コロナウイルス感染予防助成金(1万円支給)②ひとり親家庭緊急支援事業臨時給付金(3万円支給)③八千代市中小企業経営支援金(1月~7月で、ひと月の売上げが前年同月比50%以上減少の事業者に10万円給付④医療従事者らに防護服3000セット配布。などの議案が可決された。また、ドライブスルー式PCR検査センターが一時期だが設置された。

6月議会では①臨時会提案の中小企業経営支援金10万円に5万円上乗せして15万円支給(売り上げ20%減に条件緩和)②市内45ヵ所の避難所にマスク、非接触赤外線体温計を備蓄などの議案が可決された。9月議会でも、子育て世帯への臨時特別給付金(中学生まで1人につき1万円)②八千代市新生児特別定額給付金(10万円)③ひとり親世帯臨時特別給付金(5万円、第2子以降1人につき3万円の加算)追加給付5万円などの議案が可決された。また、9月議会での追加案として④学校や施設への衛生用品配布⑤市内40医療機関への一律30万円給付⑥高齢者のインフルエンザ注射の無料化などの議案が可決された。
 
一見、コロナ対策に取り組んでいるように見えるが、その時点では国、市独自のコロナ対策は28事業の総事業費217億7000万円のうち208億2800万円で、96.5%を占めたが、一般財源からの支出は7億4300万円の3.5%にすぎなかった。また、国からの臨時交付金は八千代市に約14億7,000万円が交付されたが、半分の7億円がコロナとは関係ない小中学校生徒各自への端末利用=GIGAスクール事業に廻してしまった。

●消極的なコロナ対策に終った昨年度
それでも、まがりなりにコロナ対策事業を実施(国の交付金による)してきた。ところが、昨年度に実施した主な事業は「八千代市中小企業者等経営支援金」として、2020年の3年4月~2021年3年9月のうち、任意のひと月の売上高が前年又は前々年の同月と比較して15%以上減少していることを条件に10万円を支給しただけであった。

(5)公共施設再編による更なる市民サービスと教育環境の悪化
①「公共施設等個別施設計画」を軸とした公共施設削減
前項の「2021年度決算の概要」でも述べたように、八千代市の財政は改善傾向にあるが、2016年からの「財政運営の基本的計画」(10年計画)が実現できるかは極めて不透明である。市はこれまで新規事業投資は抑える一方で、さらに支出を抑えるため大ナタを振ろうと画策してきた。その代表が公共施設削減計画である。

その前段として、2015年に「公共サービス・施設等の規模の適正化、公共施設等の
効率的な施設管理及び有効活用による公共施設等の全体最適化を図ることで、真に必要とされる公共サービスの提供を維持・確保していくため」などと称して「公共施設等総合管理計画」を策定。同計画をバックボーンにして「アクションプラン」により工程化して、そして2021年3月に「「公共施設等個別施設計画」を発表。ついに具体的な
公共施設削減のための選定作業に入った。

「全146施設のうち築30年以上が実に68%を占め、全て更新は不可能。今後30年計画で市有公共施設の24%を削減する」と発表。図書館、公民館、支所、市営住宅、その他コミュニティ施設の削減を実行しようとしている。市民の都合などお構いなしの計画だ。すでに少年自然の家など9施設の廃止や停止を実施、または決定している。
 

全体の6割を占める学校は主なターゲットだ。今年度から阿蘇小・米本小・米本南小を阿蘇中とともに統廃合。「小中一貫校」という名の統廃合を地域住民の反対の声を無視して「阿蘇米本学園」の開設を強行した。
 
このように、阿蘇・睦の6中学校、村上の5中学校、勝田台の3中学校、八千代台の3中学校の17小中学校が小中一貫校という名の統廃合に。また萱田小、萱田南小、高津小、西高津小、南高津小の5学校を統廃合にすることをめざしている。教育的配慮などなく、財政難の解決策として市民サービスの低下や教育環境の悪化を犠牲にするのが「公共施設等個別施設計画」であり、市民にとって最悪の計画だ。

②「市庁舎整備基本計画・基本設計」の見直しを勝ちとる
一方で、「公共施設等個別施設計画」で全公共施設を検証するといいながら、ちゃっかり市庁舎建て替え計画だけは対象から外してきた。しかし、市庁舎整備を巡っては
2011年に八千代市役所本庁舎等施設あり方検討委員会において「庁舎の耐震補強を行う方針」が決定してから、耐震化工事方針→建て替え方針→基本設計完成→延期→基本計画(基本計画)見直し方針。と、11年も経過して未だに計画が決定していない。

秋葉当時市長の突然の建て替え方針をただ踏襲した服部市長だったが、コロナ禍のなか、市民と議会での批判を受けつつの2021年5月市長選では計画の見直しを口にし、2021年12月議会では正式に計画と設計の見直しを表明。「教育委員会の合同庁舎を断念し、当初計画の総床面積18000㎡を12,100㎡にして約7割に縮小化」を基本にした「八千代市庁舎整備基本計画(改訂版)をベースにパブコメを実施、集約中である。

これらの背景には「市民合意なき市庁舎建て替えは認めない」という、わが会を始めとする市民運動の取り組みや、少数派ながらも議会での批判が存在した。服部市長の見直しへの転換は、それらの圧力によるもので大きな成果である。ただ、耐震不足のなか、いつ来るかわからない大震災に備えた迅速な耐震化対策が求められていることに変わりはない。

(6)さらに強まる市議会での自公・保守会派の反動化
八千代市議会は2018年の市議選の結果、いわゆる中間派が消滅。28議席中で自公・保守派が20議席、立憲系の2は事実上の自公協力会派で、反自公は共産党と三田議員の計5で、23対5。近隣議会を見回しても、ここまで極端な比率はない。

このことにより数にまかせた議会運営の反動化がさらに強まっている。本来の議会運営は議会運営委員会での議論と決定が決まりなのに、決定権のない代表者会議で事を決めている。また、役員人事、事務組合人事についても慣行になっていた事前調整ではなく多数決にして少数会派の締めだしを画策した。
 

また、前回議会で反対していた事案と同様の発議をした可決させるとか、議案に対しても賛否の討論もない。議会での質問議員はいつも半分しかいない。また昨年は共産党会派の議員全員が質問通告したことに保守会派・絆は「コロナ対策に反している」などと、お門違いの懲罰発議案を提出(後で撤回)した。このように八千代市議会の反動化をこれ以上許してはならない。
 

 

運動の発展をめざして
(1)市民参加型の「八千代市第5次基本総合計画」に
基調報告でも述べいるように、評価の基となる事務事業評価は秋葉市政に廃止され、その後の第1期服部市政の4年、さらに第1期服部市政においてもそのままで、事務事業評価はなされずに9年もの間、経験主義的に処理され続けている。市が自ら謳っていたPDCAサイクルは完全に形骸化している。

とりわけ、第5次では第4次でさえも一応は謳われていた「市民参加」の概念が完全に排除された。ここは市長選で桜井さんが提唱した「市民協議会」設立と、行政による共同作業で計画の練り直しを行なうべきであり、会としても引き続き、市民参加型最上位計画の練り直しを求めていく。

(2)コロナ禍による生活支援、子育て支援、経営支援の継続と拡充を
昨年度に予算措置されたのは①新たな感染拡大防止策②市民向け支援策③事業者向け支援策④国施策として、事業費総額 75 億 9000万円に対し、特定財源が69億 4300万円、地方創生臨時交付金で2億2000万円が充当されたが、その残りが市の持ち出し分であり、その額はわずか一般財源からの4億3000万円にすぎなかった。

その一方では、昨年度決算剰余金が通常の倍の約12億円。財政調整基金は42億円と、予算をため込むことに執着したのである。コロナ禍の収束にはまだ時間がかかる。また、疲弊した市民生活や経営活動の回復にはさらに時間と対策・支援が不可欠だ。財政調整基金を活用したコロナ禍による生活支援、子育て支援、経営支援の継続と拡充を求めていく。

(3)市民合意なき公共施設再編に反対する
①公共施設大幅削減=公共施設等個別施設計画に反対する
公共施設の老朽化と少子化を理由とした公共施設再編=学校を始めとした公共施設削減化は、全国の自治体で共通した問題となっている。重要なのは、それがどれだけ市民への情報共有と合意を前提したかどうかである。

八千代市の公共施設再編の具体的計画しての「公共施設等個別施設計画」は、「24%の公共施設削減」というノルマを果たすためには公共施設の6割を占める学校をターゲットにしている。具体的には、現在ある市有公共施設の総床面積37.5万㎡のうち24%=(9万㎡を削減28.5万㎡)となるが、市は計画での試算を下記のように想定しているが、そもそも平成29年~令和元年の公共施設稼働率は凡そ減少していない。利用者にとっては現実にある市民ニーズを無視している計画である。しかも「全施設を検証」のはずが、ちゃっかり市庁舎だけは対象外としているのは大問題だ。今後、他の地域にも拡大する。域の市民合意なき公共施設再編には反対していく。

②市庁舎整備計画は公共施設再編問題と一体の問題として継続して取り組む
市庁舎の老朽化に伴う市庁舎整備について、市が「市庁舎整備在り方検討委委員会」を設立して、すでに11年が経過した。しかし、豊田市政で「耐震化工事」の方向性が決まった後、秋葉市政に「建て替え」への方針転換、服部市政による「建て替え正式決定」→「計画・基本設計完成」→延期→「計画・基本設計見直し」と、いまだに紆余曲折を続けている。

基調報告でも述べたように、わが会の取り組み、少数派ではあるが共産党、市民派議員の議会活動、そして市長選を通した市庁舎整備問題の訴えが浸透してくるなかで、服部市長は2期目市政において譲歩することを余儀なくされたことは大きな成果であった。

3月に示された「八千代市庁舎整備基本計画(改定案)」の特徴は①総面積約18,000㎡を約12,100㎡に縮小②当初予算118億円(本体費用)を約85億円に減額③一部ZEB(ゼロエネルギービル)の検討である。

この間、わが会は「①耐震化が急務あること②財政難を鑑みて早くて安い耐震化工事と大規模改修で乗り切る」ことを提案してきたが、ブレス(X字の耐震機材)を内外に設置する場合は仮設施設が必要なことが確認された。その際の仮設施設の費用を勘案したうえで経費と期間が合理的な手法を検討して今後の方針を決めたい。いずれにせよ、市庁舎整備計画は公共施設再編問題と一体の問題として、継続して取り組む。

(4)消費税率0%~5%に。生活支援、中小・零細企業支援を
消費税が1889年に3%で導入。その後1997年 5%、2014年8%、2019年10%(軽減税率8%)と3回も増税されてきた。この制度が累進課税とは逆に、所得が少ない人ほど税の負担率が高くなる逆進税という指摘に政府は「社会保障の充実に使われる」と言い訳してきたが、その多くが国の借金返済や大企業の優遇に費やされた。
 
そもそも、費増税による内需低下・景気悪化で所得税・法人税は減り、トータルの税収は増えない。1%の増税で増える収入が約2兆円と言われますが、税率が上がれば上がるほど、1%当たりの増収は激減していくのだ。ここにきて検討されている登録を受けた課税事業者のみが、法的効力のある「インボイス(適格請求書)」を発行できる制度は登録をしない免税事業者と取引をしても消費税控除の対象とならないため、免税事業者は取引先を失い、廃業・破綻に追い込まれる。引き続き、国民の切実な声である消費税率0%~5%にして内需拡大を。生活支援、中小・零細企業支援を求める運動を引き続き取り組む。

(5)国保料、介護保険料の値下げを
国保料の値上げは市民の健康管理おいて、重要課題だ。だから本年3月議会でも、年金者組合八千代支部から「国保料引き下げを要望する請願書」が提出。植田議員、三田議員が紹介議員となった。請願でも指摘されているように、八千代市の国保加入者の約8割は所得の低い「給与・年金」世帯で、年所得200万円以下の加入者が77.6%を占め、国保料の滞納世帯は全加入世帯の16%にもなる。

 

「高い国保料」を引き下げての声は市民の切実な声である。「子供の均等割保険料5割軽減」により、一定の改善がなされたが、まだまだ不十分だ。

保険料は「協会けんぽの1.3倍」「組合健保の1.7負担が重く、暮らしを圧迫している。昨年、社会保障推進千葉県協議会が調べた県内の自治体の報告をみますと、国民健康保険料の滞納により、差し押さえられた件数は451件、金額は約2500万円。八千代市が拒否している、一般会計からの繰入れは、佐倉市、習志野市、流山市など同規模市は2021年度行なっている。一般会計からの繰入れによって保険料の引き下げは可能だ。

さらには、昨年の3月議会では介護保険料値上げ案が提出され、可決された。前回の第7期に続き、第8期となる今期も平均値となる第5段階で現行の56,940円から5,220円を値上げして62,160円という大幅な値上げだった。市は値上げする一方で介護準備基金の積み増しを行い、基金残高が10億6,700万円もあるのに、21年度末には1億円増えて、12億円超にまで膨れ上がり、今年度は14億円となっている。介護保険料については3年ごとの協議となっており、来年度のことではあるが、市民負担という安易な施策は容認できない。県内でも高額な国民保険料と、値上げを続ける介護保険料の値下げを求めていく。

(6)年金支給額引き下げ反対、だれもが生活できる年金に
2004年にマクロ経済スライド制が年金制度改悪で導入されて以来、年金生活者にとっては厳しい生活が強いられている。4月から年金の支給額が引き下げられる。額の引き下げは2年連続だ。厚生労働省は来年度の年金の支給額を今年度よりも0.4%引き下げると発表した。平均的な収入で40年間働いた65歳の人が4月から年金を受け取る場合、国民年金は259円引き下げられて月額6万4816円となり、厚生年金は引き下げ額が903円で月額は21万9593円となる。厚労省は「年金保険料を納める現役世代の賃金が減ったため」しているが、そもそも労働者の賃金が物価に追いついていないことが問題なのであって、「目の前の生活費で精一杯」(国民年金加入者の納付率60%以下)という生活実態の改善こそが先なのである。

ところが、自公・岸田政権は、年金生活者を対象に一律5000円給付」という天下の愚策を検討した。7月の参院選を意識してのことだが、わずか5000円で政権と自公への支持が上昇すると考えた思考回路にはあきれるばかり。生活支援というならば高齢者だけの問題ではないし、「国民をバカにするな」という声が高まっている。案の定、同案は白紙化された。本来、現役を終えても年金で生活できる社会的保証を約束したのが年金制度のはずだ。主役の会は年金者組合などと連携して、安心して年金生活できる社会環境の確立をめざす。

(7)子育て支援拡充、待機児童解消を
①保育園、学童の待機児童ゼロを実現しよう
保育園の施設数は平成29年の34施設から令和3年まで45施設と11施設増加しているが、待機児童数は3年前より増えて48名で、待機児童の解消はできていない。また、「①特定の保育所への入所を希望している②保護者が求職活動を休止している③保護者が主に自宅で求職活動を行っている④保育所以外の保育サービスを利用している」などの国のルールで待機児童から除外されている世帯はカウントされておらず、「隠れ待機児童」数はかなりの数にのぼることが予想される。学童保育の待機児童数は改善されているもの49名いる。懸案となっている保育士の待遇改善とあわせて、子育て支援対策として喫緊の課題の子育て支援強化と待機児童ゼロをめざして運動を発展させる。
 

(8) 生活困窮支援、高齢者・障がい者支援拡充を
①貧困対策の強化を求める
日本の貧困支援対策は重要課題だ。日本に住む人の相対的貧困率は15.4%で6~7人に1人の割合。ひとり親家族の相対的貧困率48.1%で、2世帯に1世帯。子どもの相対的貧困率は13.5%で、7~8人に1人の子ども(約260万人)という統計が出ている。(厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」より)

八千代市の生活保護世帯の状況は別表にもあるように、平成28年の1555世帯から令和3年の1756世帯となっており、5年間の推移をみても毎年増え続けており、一向に減少ないことは、その深刻さを示している。保護世帯の類形別にみても高齢者が5割以上を占め、低所得かつ働けない実情が見て取れる。また、傷病とあわせて障がいを理由とする世帯も毎年3割近くとなっている。また、「生活困窮者自立支援法」に適用されたとしても家計相談や子どもへの学習支援が不十分であることから改善を求めていかなければならない。このように、生活困窮世帯はさらに困窮し、子どもの貧困へと問題は拡大していく。給食費の無料化は喫緊の課題だ。引き続き、貧困対策の強化に向けた生活支援行政を求めていく。

②高齢者、障がい者に優しいまちづくりを
別表にもあるように、要支援・要介護認定者数は、増加し続けており、その傾向は2025年まで続くと推計されている。配食サービスや福祉タクシーの制限など、高齢者対策も遅れている。高齢者対策の充実も喫緊の課題として取り組み、高齢者に優しいまちづくりを目指す。

また、八千代市内での平成28年~令和2年度までの「障がい者手帳」の所持者は上記のとおり。ただし、あくまでも障がい者手帳所持数であって、障がい者の人数とは比例しない。別表にもあるように、身体障がい者手帳所持者(1級~6級)5429人、療育手帳所持者(A~B)1322人、精神保健福祉手帳所持者(1級~3級)1689人、障がい児福祉サービス利用手帳所持者651人となっており、身体障がい者手帳所持者は高止まり傾向だが、他は増加している。心身障がい者への支援の必要性はますます高まっている。高齢者、障がい者に優しいまちづくりをさらに進める。

八千代市の総人口にしめる65歳以上の割合は、2045年までに35.1%に達し、おおよそ10人に4人が高齢者になると見込まれており、2月現在滞納者・未納者が567人以上も生まれているのが現状だ。「だれ一人取り残さない社会」には程遠い。10月から75歳以上の負担が1割から2割の2倍の負担になることをなる。「高齢者が病気になったのは自己責任であり、その治療も自己責任で行うべきである」という医療制度を変え、すべての高齢者が安心して医療を受ける医療行政をめざす。

(9)子どもを犠牲にした教育行政に反対する
①「義務教育校」という名の学校統廃合に反対する
地域の声を無視して、迷走を続けた結果、残念ながら本年から小中一貫校の名のもと、「阿蘇米本学園」が「開校」したが、背景には2014年からの「方創生政策」もと、総務省が全国の自治体に計画策定を指示した「公共施設等総合管理計画」がある。

八千代市もさっそく翌年の2015年に「八千代市公共施設等総合管理計画」を策定。「アクションプラン」でのコスト削減だけを命題とする枠組み作りがなされ、学校はそのメインターゲットとされた。そこには教育的根拠もなく、地域づくりの観点なく、ただただコスト削減のためには子どもも犠牲にする思考停止の教育行政があった。
 
行政の都合ではなく、子どもたちが生き生きと学校生活をすごせる教育環境を構築するために、地域や保護者と連携しながら取り組む。また、食育という点でも自校給食は大事だ。あわせて今後も取り組んでいく。
 

(10)市民が安心して生活できる住環境の整備を

①東葉高速の運賃引き下げ、定期割引を
一昨年に関係3自治体が東葉高速鉄道への支援要請が国土交通省を行い、①支援策の検討②長期債務の元利償還金負担への支援などを要請したが、そこまでだった。また、昨年12月市議会では全議員による「東葉高速の通学定期割引率引上げの早期実現を求める決議案」が全会一致で可決されたが、具体的成果はあがっていない。

ましてや、問われているのは運賃の値下げである。11年連続黒字決算を計上していても日本一高い運賃を値下げできない原因が、建設時に発生した多額の有利子負債の返済であることはこれまでも訴えてきた。しかし、自公・保守会派は、市民が「東葉高速の有利子2600億円の債務を無利子融資に切り替えるよう国に働きかける」請願を提出しても不採択にするという理解不可能な対応を続けている。われわれは、今後も市民の声や議会での取り組みで実現させ、運賃引き下げに繋げる運動を求めていく。

②コンパクトカーなどの運行で市民の足の確保を
かつて市内7地区に運行していたコミュニティバス。現在は八千代台コースのみとなっており、私鉄バスが循環していない地域の市民は「公共施設利用や買い物をするのに苦労している」など、コミュニティバスなどの復活が多くの市民の要望だ。
 
服部市長は、コミュニティバスの代替としてのコンパクトカー運行を口にしていたが、市内7つのコミュニティ地域を試行運転したところ、いずれも「路線バス」や「ぐるっと号」「コミュニティバス」のルートとの重複、車両のすれ違いが難しい道路などがあり、「継続的な運行ができない恐れがある」ことなどが判明したという。

市は「他方策も視野に入れた検討を行う」と説明したが、そのままだ。村上団地、高津団地など、団地内の商店が撤退して「買い物難民」が増加している。バス以外に交通手段をもたない高齢者など、交通弱者のための積極的な施策を要求していく。

③ライフラインの老朽化対策の迅速化を
橋梁、上下水道管などの老朽化対策も忘れてはならない。八千代市が管理する橋梁は、平成25年4月1日現在で56橋(横断歩道橋を除く)あり、現時点で建設後50年を経過する橋梁は1963年に架設された1橋だが、今後、集中的に老朽化が増大することが想定されることから、財政的負担の増大が懸念されている。

さらにはライフラインの整備として、上下水道管の老朽化対策が急がれ、7カ所の浄水場を3ヵ所(機能の減少はないと市は説明)に集約化するための現在進められている「水道施設再構築基本計画」は2019年~2039年(20年)という長いスパンで進められ事業費も約534億円(税抜き)という巨額の予算が予定されている。このように、公共施設とライフラインの老朽化対策、長寿命化対策の迅速化を急がなければならない。

④生活道路などのインフラ整備を
「地域の声」といえば、必ず聞くのが国道296号線、3・4・12号線など一般道路、裏道や私道扱いになっている生活道路などの劣化や整備の遅れだ。旧道ほど、その傾向は強い。国や県への要請も含めて、インフラ整備を求めていく。

(11)議会と選挙への取り組み
①選挙に関する会の立場
会としては、八千代市長選以外の選挙については特定の候補者への支援は機関決定しないとの従来方針を堅持し、それ以外の選挙活動は会員個々の取り組み課題とする。また、3年後の市長選へ向けた議論と、人選を含めた取り組みを早めに準備する。

②議会の見える化と市民参加型議会へ
市民からは「議会や議員は何をやっているのか分からない」という市民の声に応えるのは本来、議会と議員である。とにかく市民への情報が足りない。ホームページや「議会だより」だけではあまりにも情報不足だ。だから、1年で1回も質問しないで平気でいる議員がでるのだ。それを知らない有権者はそのダメ議員に投票して当選させることになる。

一昨年、鎌ヶ谷市議会では年4回に限定しない「通年議会制」の導入が決議された。これで必要に応じていつでも議会が開催することができる。県内では大多喜町、長生村が採用しているが市レベルでは初めてだ。このように八千代市議会でも改革が必要だ。「議会報告会」の実施、また、市長選で桜井候補が訴えていた「市民協議会」の創設が必要だ。今後も市民の立場から市民参加型の議会改革を求めていく。
 

③傍聴体制の強化を
議会の側で服部市政を支えようとする自公会派への市民の監視と声が求められる。組織的に傍聴を呼びかけ、常に議員に圧力をかけつつ、監視することが必要だ。昨年は、情報公開と市民の会の請願が採択されて、常任委員会の委員会別の開催毛形式に最善された。本議会だけでなく各常任委員会にも積極的に傍聴しよう。

(12)平和と憲法を守る運動との連携を
憲法と平和を守るたたかいは、この間、「八千代9条の会」が継続的に運動を展開している。また、「市民アクションやちよ」は安倍9条改憲を許さない3000万署名運動を粘り強く取り組んできた。多くの団体や個人が同意し、あらためて活動を展開している。主役の会も引き続き改憲阻止・平和憲法を守る運動に連携してゆく。

(13)反戦・反核運動との連携を
防衛省は、2022年度当初予算案について、3年度補正予算と一体化した計6兆円超の「防衛力強化加速パッケージ」とした。国内総生産(GDP)比は1.1%となり、歳出抑制の目安とされる1%を12年ぶりに超えた。政府は2022年度防衛関係費の政府案を閣議決定した。予算は5兆1,788億円で、対前年度伸び率は約1.1パーセント増と10年連続の増加となった。コロナ対策より防衛予算(軍備費)を優先する岸田自公政権を許してはならない。

また、核兵器を違法として開発、保有、使用を禁じた初めての条約、核兵器禁止条約が2021年1月22日に発効したが、国連安全保障理事会の常任理事国で核保有国のアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5ヵ国は反対。この問題で最も発言資格があるのは唯一の被爆国である日本のはずなのに条約に反対した。被爆者、戦争被害者に対する許し難い暴挙である。自公政権による改憲策動ともに進めようとしている戦争への道=軍拡路線を許さない国民的運動である反戦・反核運動との取り組みと連携を強める。

(14)反・脱原発運動との連携を
本年3月で11年目を迎えた福島原発事故。事故処理問題や避難者問題など、本質的にはなにひとつ解決していない。それは政府の無策と、原発ありきの政治方針に原因があることは明らかだ。国は「福島廃炉ロードマップ」を10年前に示したが、いまだ何も進んでいない。しかし、ロードマップの見直しどころか、「汚染水貯水タンクの限界」を理由にしたALPUS処理汚染水の海への放出を方針化した。

現実的対策としては、原子力市民委員会が提言しているように、①「絵にかいた餅」である現ロードマップは全面的に見直し、現実と実態に即した計画に修正する②現ロードマップを前提としたALPS処理汚染水の放出は行うべきではない。敷地北側は汚染水のための用地とする③現実的な選択肢として「長期遮蔽管理案」に切り替える④東電は破綻処理し、廃炉事業は独立した公的機関が担う。という案が現実的である。

八千代市では「脱原発ネットワーク八千代」が100回以上の月例学習会を開催して真摯な活動を継続しており、主役の会からも個別参加ではあるが連携している。今後も継続して反・脱原発の全国的な運動に連帯してゆく。
 
(15)オプレイの飛行、土地収用法を阻止する市民運動に連携を
日本はオスプレイ17機の配備を決定。価格は総計30億ドル(約3600億円)。2015年度の社会保障予算削減分3900億円に匹敵する金額である。すでに木更津基地に9機配備されている。オスプレイの問題点はなんと言っても、米軍で何度も墜落したり、故障を繰り返す欠陥性だ。それが習志野演習場に向けて年間数千回も飛来してくる。

いうまでもなく習志野演習場の周辺は住宅地。もしオスプレイが墜落したら大惨事になる。事実、これまでも故障や墜落事故、落下事故を起こし続けている。3月にも米オスプレイがノルウェーで墜落。乗員4名が死亡している。日本でも起こり得るのだ。

一昨年8月には、習志野市・八千代市・船橋市の3市市民による「オスプレイいらない!習志野・八千代・船橋ネットワーク」が結成された。八千代市では単体でも「オスプレイいらない!八千代ネットワーク」を結成。市民が主役の会と土建八千代が軸になって取り組んでいる。また、3市ネットによる薬円台公園での「オスプレイはいらない市民集会」も昨年に続き開催され、約600名の市民が集会とデモに参加。成功した。

「オスプレイいらない!八千代ネットワーク」も毎月10日には駅用宣伝や署名活動を続けている。引き続き、膨張を続けている軍事費予算に反対するとともに、市民の命と生活を守る運動としてオスプレイ配備と飛行を止める市民運動に連携していく。

リンクする問題として「土地規制法」がある。建前は「日本の重要な土地を外国資本に利用される事を防ぐ」とあるが、ウソであり、目的は政府が「重要施設」として位置付けた場合、土地等利用者の思想・良心の自由、表現の自由、プライバシー権、土地等利用者の財産権が侵害される。政府が「安全保障」と言いさえすれば、政府が広範囲に制限のないまま、いろいろな情報を集めることができてしまう悪法である。これにより、市民の反基地運動や反原発運動を抑圧することを目的としている。断固として反対運動を展開していく。

(16)ジェンダー平等をめざす運動の取り組みを
2021年の世界各国「ジェンダーギャップ指数」は、日本は156カ国中120位。特に女性議員比率は190か国中168位で、G7諸国で最下位。日本の男女間賃金格差はOECD諸国でワースト3位。非正規雇用の約7割を女性が占め、このコロナ禍で大きな影響を受け、収入が減少している。

行政においても、男女共同参画という概念があっても、どこまで具体化されているかといえばお寒い実態が見えてる。八千代市においても、たとえば新日本婦人会・八千代が奮闘しているが、主役の会としても「これから」という状況だ。市長選における
桜井候補者との政策協定でジェンダー平等への取り組みが確認された。引き続き、学びと実践でジェンダー平等をめざす運動を取り組む。

(17)野党共闘の継続と発展の運動に連帯する
昨年の総選挙の結果そのものについては残念だったが、野党共闘の意義は揺るがない。野党一本化した217選挙区では62勝しており、善戦している。また、前回と違い、全体の4割が接戦だった。維新が約4倍に「躍進」したが、維新の本質は第3極ではなく、自公の補完勢力でしかないことが結果的にクローズアップされなっただけのこと。今後、国民はその正体を知ることになる。ちなみに英ガーディアン紙は、「日本の選挙、右翼ポピュリストが大阪で圧勝的得票」と報道している。

共産党は比例の票が減ることを覚悟して、多くの選挙区で身を引いたので、ある程度の議席減少は予想できたが、立憲は議席増が当たり前なのに14減とは酷すぎた。枝野代表の辞任もしかたがないところだった。野党共闘は7割以上が「住み分け」できたものの、選挙戦では思ったより上手く機能していなかったのも事実ではないか。しかし、野党共闘はこれが初めて。「やっぱり駄目だったじゃないか。野党共闘は見直そう」などという考えは自公政権の思うつぼだ。しかし、維新の松井代表は憲法改正について「来年の参院選挙までに憲法改正案と国民投票を実施すべきだ」と記者会見で発言した。予想以上の41議席確保で、だいぶ調子にのっているようで、国民の多くが改憲には反対であることを忘れたようだ。

ここは野党共闘の意義と成果を踏まえつつ、何が足りなかったかを総点検して、今後に繋げていく必要がある。そして、7月の参議院選挙では、野党共闘の継続と発展で、まずは「ねじれ国会」の実現をめざすべきだ。その先に新たな政権への展望があるはずだ。政権構想や政党支持について、市民が主役の会として主体的に関わることは議論のあるところだが、自公政治には明確に反対の立場を示してきたことを踏まえて、わが会は、千葉2区市民連合を始めとした、野党共闘の継続と発展に向けた運動に連帯する。

(18)会の運営体制強化を
①役員会議とブロック会議幹事
責任者との合同会議を役員会議として位置づけ、基本的には1か月に1回(必要に応じてはその限りではない)の定例会議の開催をめざす。また、ブロック会議では、これまでの「責任者」から複数の幹事で担う体制にする。

②地域の要求に根ざした活動を
 地域ごとの問題や悩みの解決は、わが会がめざしている「誰もが住みやすい八千代」に向けて重要だ。とりわけブロック会議を軸に地域活動として取り組む。

③宣伝活動の強化
ビラなどをもっと積極的に発行し、地域、駅頭などに情宣活動する。また、会サイトを充実させ、情報の拡散と共有に努める。

④会員の拡大
結局は、正しい運動をぶれずに継続することを通してしか支持は増えない。本年度で意思一致した取り組みを、どう実践できたが会員の増減に帰結する。会員の拡大に努力する。
 

⑤イベントなどの取り組み
いま問われている課題は何か、市民が何を求めているのか。情勢と課題を的確にとらえて多くの市民が結集するイベントやキャンペーンの取り組みは重要だ。

■役員人事(略)

 

■全体討論(略)
 

■会計報告、監査報告(略)