~服部市長が市庁舎建て替え計画停止の延長を表明~

財政を圧迫する市庁舎建て替え計画を白紙撤回し、耐震化・大規模改修に再転換を!(「市庁舎整備を考える市民の会ニュース」より転載)

 

八千代市は慢性的財政難。市庁舎建て替えどころではない!
市庁舎の老朽化に伴い、平成22年から開始された市庁舎整備の協議は、平成28年に「耐震化工事と大規模改修」という整備方針を確認しましたが、平成28年に秋葉当時市長が突然トップダウンで建て替えに方針を変更し、秋葉市長に変わって平成29年に就任した服部市長は十分な検証もせずに秋葉方針をそのまま踏襲してしまいました。
 

市の説明では「防災拠点化」が主な理由となっていますが、震災時に市役所が耐震化されて機能すればいいだけの話で、なにも無理してまで建て替えをする必要はありません。
9月議会で公表された決算報告によれば、経常収支比率(毎年度経常的に支出される経費のこと。100%で余裕ゼロ)は過去20年間で最悪となった前回決算の97.1%をさらに上回り、97.3%と5年連続でワースト記録を更新。県内でも最悪の比率となっています。台所は火の車なのに建て替えをする余裕などないのは明らかです。

服部市長が「コロナ禍の収束まで計画の延期」を表明! 

よく考えないまま秋葉路線を踏襲した服部市長は、市の財政難を目の当たりにして、今になって焦っています。3月に避難所改修などを理由に一時停止した建て替え計画でしたが、避難所の改修、耐震不足の保育園など15施設の対策15施設のうち9施設の耐震化、建て替え計画は来年度にも財政を圧迫させます。残りの6施設は事実上の廃止方針であり、その中には少年自然の家など、市民からも存続の声が広まっています。
 

さらに、この間のコロナ禍で財政的負担が増しています。そして、ついに服部市長は9月議会において「市庁舎建て替え計画はコロナ禍の収束まで計画の停止する」と、計画の再延期の方針を明らかにしました。八千代市の財政状況を考えれば当然のことです。
 

また、今年度中に策定される「公共施設等個別施設計画」は学校、公民館、図書館など多くの公共施設が老朽化しているという現状から今後、巨額の予算が必要となります。市民や子供たちの日常的な利用度を考えれば、こちらが優先されるべきです。
 

今後も続きそうな全国的なコロナ禍により、GDPは年27.8%減と、戦後最悪の下落を記録してしまいました。また、厚生労働省は新型コロナウイルス感染症に関連する解雇や雇い止めが約5万人と発表しましたが、実際には100万人以上とも指摘されています。
これらの経済的疲弊は国の税収減につながり、自治体への交付金なども減少化が想定され、いま策定中の来年度予算も厳しい資金繰りが予想されます。
 

服部市長は「コロナ禍が収束するまで」と言いますが、感染者だけの問題ではなく、経済的回復までには「全治5年」という指摘もあり、いつ来るか分からない大震災の可能性を考えれば悠長なことは言っていられません。

建て替え計画は白紙にして耐震化・大規模改修で乗り切るべきだ!
庁舎建て替え計画については、従来から「財政難に鑑みれば計画を白紙しに、耐震化・大規模改修へ再転換を」と主張してきた植田議員、三田議員だけでなく、ここにきて一部の保守系議員も「計画の白紙」を口にし始めています。そもそも、市庁舎を巨額の借金をしてまでも建て替えを求める市民がどれだけいるというのでしょうか。

 

市は118億円という総費用を発表していますが、7~8億円の上下水道局の建設費を別会計にしたり、改修して再利用する予定の別館の改築費用や移転諸費用が未定で、利子も含めると実際は140億円~150億円かかると予想されています。ここは、予算も安く、工事期間も短い耐震化・大規模改修で乗り切るべきです。
 

また、今年度までの制度期間が延長されれば、耐震化工事ならば地方交付税交付金算入率70%の「緊急防災・減災事業債」が活用できて、事業費はさらに安くなります。

建て替え計画は白紙にして耐震化・大規模改修で乗り切るべきだ!
何と言っても、いま優先すべきはコロナ対策です。八千代市でも感染者の増加に歯止めがかかっていません。国のコロナ対策の臨時交付金による施策も実施していますが、まだ不十分です。PCR検査の拡充や、コロナ禍による市民の生活支援や中小企業・個人事業者への支援策も継続しなければなりません。
 

庁舎整備基金と財政調整基金をコロナ支援予算に活用を!
まさに緊急事態なのですから、コロナ対策の大胆な財源確保が求められています。「市庁舎整備を考える市民の会」は、30億円の積み立てを予定している市庁舎整備基金と、25億5千万円を確保している財政調整基金をコロナ支援予算に活用することを提案いたします。市民の命と健康、そして市の経済を支える地元事業者をコロナ禍から守ることこそ行政の急務です。

市庁舎整備をめぐる主な経緯
●平成28年 耐震不足の市庁舎整備は耐震化工事と大規模改修を確認
●平成28年 秋葉当時市長が、突然トップダウンで建て替えに方針を変更
●平成30年 服部新市長が建て替え方針の踏襲を決定
●平成30年 6年計画で年5億円(計30億円)の建て替え基金を創設
●平成31年 庁舎整備基本計画策定
●令和2年2月 新市庁舎等基本設計策定
●令和2年3月 「避難所の改修、耐震不足施設の耐震化」を理由に計画を一時停止
●令和2年9月 「庁舎建て替え計画をコロナ禍収束まで停止延長」と服部市長が表明