安倍内閣は、内閣法制局長官を変えて、集団的自衛権の行使を合憲と判断しようとしている。集団的自衛権が認められるかどうかはさておき、歴代内閣は集団的自衛権の行使を憲法違反だとの見解は堅持してきた。そもそも、憲法の根幹にかかわる問題を、時の内閣の恣意的な判断で変えてよいわけがない。立憲主義、民主主義の否定だ。
7月21日の参議院選挙、自民党は議席数では圧勝したが、維新やみんなの党などの改憲勢力を合わせても3分の2には届かなかった。全国比例区での自民党の全有権者に占める得票は17%強。しかも、世論調査では改憲反対が過半数を超えている。
正面からの改憲はこの数年間は、進まない。そのため、集団的自衛行使は違憲との解釈を変えて、自衛隊が米軍と海外で軍事行動を近々にできるようにすることが狙いだ。まさに、国民が知らないうちに、十分な議論が行われないうちに憲法が実質的に変えられる。
麻生副総理が、「ワイマール憲法もいつの間にか変わってて、ナチス憲法に変わってたんですよ。誰もが気がつかんないで変わったんだ。あの手口に学んだらどうかね」と発言し、海外からも批判が続出した。麻生副総理は、ナチスに関わる発言は撤回したが、国民に騒がれないうちに憲法を変えたいとの本音の表れだと思う。副総理だけでなく安倍内閣が、同じ思いをもっていることが、今回の内閣法制局長官に人事は示していると思う。
国の基本、国民の諸権利にかかわる憲法改正、私は改正の必要はないと考えるが、多くの議論と時間がかかるのは当たり前。国民の知らないうちに変えるなど言語道断。最低、大臣を辞任すべきだ。
日本国の基本は、国民の普段の努力がなければ保障されない。安倍内閣の暴走を止めることは私たちの責任だ。