橋下維新の会共同代表・大阪市長の従軍慰安婦問題の発言は、彼の人権意識の欠如を白日の下にさらした。
報道によると、橋下氏の発言の要旨は以下の通り。
「慰安婦制度というのは世界各国の軍は持っていた。・・・・あれだけ銃弾が雨・嵐のごとく飛び交う中で、命を懸けて走っていく時に、猛者集団、精神的に高ぶっている集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度というものが必要なのは誰だって分かる。」 さらに、「米軍普天間飛行場に行った時、司令官にもっと風俗業を活用してほしい。・・・もっと真正面からそういう所を活用してもらわないと、猛者の性的なエネルギーをきちんとコントロールできない」と言った。
それは、当然、国内のみならず、外国からも批判された。しかし、「法律で認められた風俗業を否定することは、自由意志でその業を選んだ女性に対する差別」と開き直った。
殺人の訓練と実践をする軍隊。アメリカ海兵隊の新人を「一人前の軍人」にするための訓練を描き、当たり前の人格を破壊する軍また、隊の本質を描いた映画「アメリカ万歳」を思い出した。
橋下の言うことは、二重の人格否定。まず、兵隊の休息のために「女性」を「提供」する。女性の人格否定。また、兵隊は「慰安婦をあてがえばいうことを聞く」「おとなしくなる」との、兵隊の人格否定。かれの、個人を人間として尊重するのでなく、物としか見ない人間観を見たような気がする。
大阪府や大阪市で、職員の権利を剥奪し、民営化して市民の財産を切り売りする、人を大事にしない橋下の面目躍如たるものがある。
また、米司令官に「性的エネルギーの解放のために風俗の利用」を要請するなど、買春の奨励ではないか。少なくとも、米軍は買春を否定している。
憲法改悪は、戦争できる国に変える。そのために基本的人権を制限する。橋下の主張の延長線上にある。このような人に政治を任せてはならない。