子供のいない女たち | しましばこの子宮癌と日々の暮らし

しましばこの子宮癌と日々の暮らし

29才で子宮頚癌(腺がん:1期1b)を発症。
H21年5月に広汎子宮全摘術(リンパ節郭清)。
現在経過観察中です。


癌告知後から落ち込んでうつ病にもなりましたが
今は日本語教師を目指して勉強しています!

色々なところを周ってちょっと疲れたので

喫茶店で一息入れる事にした。


今回でくるの3回目の、小さいカフェ。


品数は少ないんだけど

一つ一つが美味しかったし

落ちつけたのでリピしてる。


60代の夫婦が経営している。

旦那さんは外国人だ。


交代で店を切り盛りしているみたいだけど

ボクが行く時はいつも奥さんがいる。


今日も奥さん1人。

入った時に他のお客さんもいて

引越しや猫の話をした。


その後別のお客さんは帰ったので

奥さんと2人になった。


ひょんなことから

奥さんが心臓に持病を抱えている話になって

半年前にボクと同じ病院で手術を受けていた。


話していくうちに

奥さんがでかい病気を抱えている事

そして、病気のせいで子供を産む事ができなかったと話してくれた。


「ボクも去年同じトコで手術受けました。」


『どこの?』


「・・・婦人科です。」


『・・・あなた、子宮取ったの?』


彼女には、多くを語らないでもわかったらしい。

なぜならそのお店にはボク達と同じ理由で

子供のいない女性が偶然よく訪れるとの事。


縁ってあるものなんだね。不思議。


彼女は心臓手術を2回受けている。

正直、明日どうなるかもわからない。

でも仕事をしている時は元気でいられる。


子供がすごく好きで養子を取ろうと考えた事もあった。

でも、彼女の夫が施設の子供を引き取る事には反対したので

子供を持つ事を諦めたそうだ。

その時は辛かったけど、今はそれで良かったと思っているそう。


今だから言えるけど

施設の子供を引き取る事はお勧めしないと

彼女はボクに告げた。

子供が成長した時に、産みの親を探すようになるからって。

それだったら、身内の子供を引き取って

小さいうちから全部事情も説明して育てた方が良いって。


子供を持つ事を諦めて

夫婦で仲良く、明るく笑って暮らして行きなさいと言ってくれた。


彼女の意見はこれから先決断をする上で

重要な役割を持つと思う。


でも、今のボクはこれに100%納得する事はできない。

なぜなら子供を諦めない事が生きるモチベーションになっているからだ。

諦めたくない。


妹が、妊娠したら自分の子供を引き取っていいと言ってくれている。

ありがたいことだ。

でも、赤ちゃんがお腹の中にいる間に

愛着を感じるようになって、手放したくなくなる事もあると思う。

それは当然のことなので、そうなったらそうなったで良い。

妹夫婦に子供ができるかどうかも未定だ。


その場合、ボクは親のいない子供を育てたい。

それができるとしたら、4年後に癌が根治してなきゃいけないんだけど。


だから子供を諦めるのは

その全ての望みが消えた時だ。


今はまだ、望みを持っていてもいいじゃないか。