日本で、「キャッチアンドリリース区間」を設定したのは、1999年の
山梨県の小菅川だと思います。
それから2002年に湯川にもキャッチアンドリリース区間が導入され
ました。
特に湯川に関しては「キャッチアンドリリース」について、徹底的に
研究されたのです。釣り人へのアンケート(しかもルアーとフライを分けた!)や
漁協、水産試験場により、広く深く調査されました。さらには北里大学、日本大学に
協力を依頼して研究されたのです。
キャッチアンドリリースにおける魚の生存率という最も重要なことが、
このとき初めて明らかにされました。
2002年のキャッチアンドリリース初年度の時点で、生存率は53.2%でした。
もちろん自然死や天敵もいることを考えますと、これはかなり高い数字と言えます。
レポートの中には、「カワマスの資源量は極めて豊富である」という報告が
ありました。
さらにそれから約20年経った現在では、当時まだ普及していなかったラバーネットやバーブレスフック、リリーサーによる、「サカナに一切触れないリリース」が
すでに一般的になっているわけですから、現在の生存率はさらに上がっている
ことでしょう。
つまりです。「キャッチアンドリリース」の是非については、2002年の
湯川の研究ですでに結論が出ているのです。
しかし、日本の人口の多くが住むこの東京では、それから20年以上経っても!
「キャッチアンドリリース区間」が設定されている河川はまだありません。
東京にも、トラウト類が生息できる河川は数多くあるにもかかわらずです。
それはなぜかというと、漁協の意識が驚くほど低いからです。
「再放流されてもどうせ死ぬ」
「持ち帰りたい人だっている」
「釣り人が減る」
という正気を疑うようなアホな理由で、「キャッチアンドリリース区間」を
設定してこなかったのです。
その結果、バケツでサカナを放流しても、そのサカナをバカで貪欲なエサ釣り師に
数日以内に皆殺しにされるという、「水はきれいだけれどサカナが全くいない川」
が、首都圏の川の大半を占めているのです。
それで1日2000円ほどという入漁券を徴収しているわけですから、これはもう
異常なことですし、トラウト業界は衰退する一方なのです。
…
…
…もう書いてもいいと思うのですが、2024年10月ようやく東京に
「キャッチアンドリリース区間」ができる予定です。
続きます。