いつものように王禅寺に行き釣りをしていると、従業員の方から声を
かけられました。暗い顔をしています。
「実は、水がほとんど汲めなくなってしまいそうなんです」
以前も書きましたが、王禅寺というのは地下水が汲み放題!だったのです。
王禅寺は、上からルアーポンド、フライポンド、ミックスポンドと
上から段々に池がありました。かつてはその段差には、
水量のある滝があったのです。「ドドド」と勢いよく水が流れていました。
しかし、オープンしてからわずか2年ほどで、国の条例が変更され、
「地下水揚水規制」が課せられるようになってしまったのです。
その結果、以前と比べればわずかな量しか、地下水が汲めなくなって
しまったのでした。
家の近くにあった「楽園」のような釣り場。それはこのとき終わってしまったのです
地下水の量が大幅に少なくなると、すぐに水質が悪化し始めました。
そして…水温が急に高くなったとき、サカナの大量死が起きてしまったのです。
もう本当にひどい状況でした。王禅寺は長期休業を余儀なくされたのです。
ポンプやエアーレーションを設置してリニューアルオープンしましたが、
かつてのクリアーな水質とはもうほど遠い状態でした。
そして「それ」は起きました。
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2011年3月11日の東日本大震災。東京電力は11兆円!!!という賠償金を
払うことになり、「フィッシュオン王禅寺」も売却されることになったのです。
東京電力は、山梨県にある「ホリディロッジ鹿留」も経営していました。
このころの「鹿留」というのは、60cm~70cmがウジャウジャいる!
「パインレイク」があり、施設もしっかりと管理されていたので、
本当に素晴らしい釣り場だったのです。その鹿留も売りに出されました。
このころ従業員の方や友人たちと話していたのは、「東急」「小田急」「西武」といった、「リゾート部門がある大手鉄道会社」が買い取ってくれるのでは?
ということです。
そういった資金力のある大手が買い取ってくれれば、「王禅寺」も「鹿留」も
今の状態を維持できますし、他にこれだけの規模の釣り場2つを買い取れる
ような会社はないだろうと私たちは考えていたからです。
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タックルベリーに、2つあわせてわずか3億円で売却されてしまったのです。
例えばこのころ、都内や横浜など人気がある土地では、「少し大きめの新築」では
3億円というのは相場でしたから、「王禅寺」「鹿留」の広大な土地と
釣り場(サカナ含む)、施設がわずか「戸建て1件分」で売却されてしまったのです。
「お金はすべてを解決する」というテーマで、これまでいくつかの記事を
書きました。結局のところ「お金なくしては良い釣り場などありえない」
のです。「たくさんの放流」がなければ、「たくさんの集客」はできないのです。
以前の記事で「高額な罰金で放流資金を集める」ということを書きましたが、
漁協やエリアの経営者は、もう真剣に「お金の集め方」を
考えなくてはならない時期が来たのだと思います。