去年の10月ぐらいから、「鵜でおびえたサカナを釣るにはどうすればよいか」
ということを何度か聞かれました。名前を挙げてしまうと、
「フィッシュオン王禅寺で鵜が次々と飛来して、サカナを追いかけまわし、
もう釣りにならない」とのことです。私が王禅寺に良く行っていたころは、
11時ぐらいになると、2~3羽やってきて、サカナを丸呑みして帰っていくというもの
でした。時間にすれば、15分もなかったと思います。その時私はトイレに行ったり、
休憩したりしていました。
鵜の被害についての論文によれば、鵜は本来警戒心が大変強い鳥なので、
「王禅寺でしたら島回りや「角」など、鵜にとってスペースが限られているところが
良いです。ボトムからフェザージグを超スローに引いてください。逆に波動の強い
クランクでは難しいと思います」とお伝えしました。
しかし、最近、鵜について良く聞くので、実際に行ってみました。
結論からいいますと、釣り場としてほぼ破綻しかけていました。
本来、警戒心が強いはずの鵜が目の前で!サカナを追い回していたのです。
しかも、イチロー池だけで8羽以上も!いたのです。
問題はそれだけではありません。
木の上を見ると、数多くの鵜が順番待ちしていたのです。
スタッフの方が花火を打ったりしていますが、その時いた鵜が飛び去っても、
木の上で順番待ちしていた鵜が、すぐに池に飛び込んできます。そして次の鵜が
順番待ちに…結局一日のほとんどの時間、鵜がサカナを追い回しているのです。
サカナは釣れましたが、傷だらけで、追いかけられてエサも取れないためでしょう
、やせ細って、あまり引きませんでした。また鵜やアオサギのフンのためか、
水質が悪化しているようにも思えました。
時間になるとサカナは放流されていますが、すぐに鵜に追いかけられ、ひどく
怯えてしまいます。鵜はサカナを食べても、しばらく本能ゆえに追いかけまわして
いますし、しかも見た限りですが、恐らくボトム近くまで潜っているので、
釣り人がボトム狙いにしても怯えて釣れないサカナしかいません。
実際、数人の方と話しましたが、ボトムでさえアタリは少なかったそうです。
その鵜が次から次へと来るものですから、実際、シャローに群れているサカナでさえもはやエサを追おうともしなくなっていました。「スレている」のであれば
釣れる可能性はあります。食欲はまだあるからです。しかし、
「怯えてしまっている」のであれば、釣り人にできることはもうないのです。
恐らくですが、多摩川か鶴見川の営巣所(コロニー)から、群れが来て
そのまま爆発的に繁殖したのでしょう。生き物というのは、「エサ」と「安全」
があると、際限なく増えるものです。意外に思われるかもしれませんが、
鵜というのはかつては希少な鳥でしたし、現在も国際レッドリストに載っている
「絶滅への軽度の懸念」がある鳥です。もはやかなりの数を
駆除(「全滅」に近い数)しなければ、増え続ける鵜のために釣り場として
完全に破綻してしまうでしょう。
以前とは違い、釣れない釣り場になってしまったことは本当に残念です。
大がかりな駆除により、元気なサカナのいる釣り場に復活することを願います。