私は第二次ベビーブームに産まれました。

したがって当時の子供の多さと言ったらすさまじかったのです。

小学1年生のとき、クラスは13組!までありました。

結局学校は入学する子供たちであふれてしまい、校庭にプレハブが建てられた

ほどです。運動会は3回に分けて行われました。

 

その大勢いた子供たちが趣味にしていたもの。それが釣りだったのです。

というのも、首都圏においてでさえ、今では考えられないほど

釣り場が多くあったからです。

「池で皆がエサをあげている鯉を釣ってはいけない」とは

学校でも言われていましたが、釣りに関しては大半の池も基本禁止されて

いませんでした。

 

そして何と、ほとんどの池にはバスが多く生息していたのです。

学校から帰って、夕食まで1時間半ほど釣りに行っても、ボウズはまずなし!

多い日は5~6匹ほどもバスを釣ることができたほどです。

 

当時個人経営の釣具店が多くあり、お金のない子供たちは、ビンに入ったワームを

1本30円で買っていました。プラグは150円、スプーンは100円でした。(これらはろくに使えませんでしたが)

このように、当時の子供たちにとって、バスフィッシングというのは

身近な遊びだったのです。

 

その子供たちの多くが使っていた「エントリークラス」のタックルは、今から

考えると、それはもうお粗末なものでした。

 

当時のエントリークラスのルアーロッドといえば、

太いグラスのブランクスに、ガイドは針金を丸めたものプラスチック

リールシートはプラスチック(すぐに割れるので皆ビニールテープでグルグル巻きにしていました)でした。

カーボンのロッドなど、子供がとうてい買える価格ではありませんでした。

しかし、その重い、使いづらいエントリークラスのロッドで、何とか

「ルアーフィッシング」を楽しんでいたのです。