スケープゴートとは。

自分の正当性と力を維持するために、特定の人を悪者に仕立てあげて攻撃する現象

-聖書の贖罪(罪の許し)の山羊から取られている。

 

続きです。

釣具店を辞めたころ、勤めていた会社が突然倒産してしまいました。

次の仕事は、営業での外周りがメインでした。神奈川県内と都内を中心に

走り回っていたのです。(今もそうです)

 

仕事中に「プロショップ」ルアーショップの有名店の前を通ることも

良くありました。「そういえばルアーを探しに雑誌の広告を見てここに来たな」

ということはもう日常的でした。しかし私は、もう長い間釣具店に入ることすら

無くなっていたのです。

 

あるとき違和感を感じたときがありました。

それまでルアーショップというのは、開店前に列ができているのが普通でした。

「メガバス」「ズィール」などの人気ルアーを買うためです。

そしてそうしたルアーはヤフオクでもう異常な値段が付けられていたのです。

 

また夜や週末などは人で通路がいっぱいになるほど!店内は人であふれていました。

 

店員だった私は電話対応と通販の発送! 商品の説明で

もう休憩もろくに取れないほど大忙し!気付くとレジが大行列!

ああ、早く終わらせないと、人で店内があふれてしまう!

…閉店すると、レジの中はお金でパンパンです。釣銭機などない時代です。

詰め込まれたお札の「塊」を見て、「数えるのめんどくせーなー」

思ったほどでした。

 

シーズン中や週末のプロショップというのは、それほどの混雑だったのです。

しかし、気付くと、あれほどの行列も、店内の混雑も嘘のように

無くなっていました。「何が起きているのだろう」と思った私は、ふと「人気店」のプロショップに入ってみたのです。

…どれぐらいぶりだろう。「こういう」店に入るのは。

 

店内に入った私の驚きは大きいものでした。あれほど手に入らなかった、

「メガバス」も「ズイール」も「バルサ50」も普通に陳列されていたのです!

しかも大量に!

私は店員でしたから、「人気があるけれど少数しか入らない」ルアーは

それなりに知っていました。しかし、そうしたルアーがもう当然のように大量に

並んでいたのです。

 

私は外来生物法とワーム禁止については知っていました。しかしそれはあくまでも

「情報」にしか過ぎなかったのです。私がそのルアーショップのなかで

「見た」のは、バスブームが完全に終わったという「現実」でした。

 

続きます。