脱原発における命題とは、国民に安全で安心で安価な電力を供給することである。
これに明確に応えているのが日本未来の党が掲げた公約「未来への約束」となる。
なぜなら、他党の公約に掲げる脱原発が実現しても最後の安価が実現しないのだ。
たとえ、電力自由化と発送電分離を行い原発ゼロを実現しても、護送船団方式で地域独占の電力会社体制と全ての費用に利益を乗せる総括原価方式の電気料金体制が維持される限り電力料金が安くならないのだ。
そして、この2つを抜本的に改革するのが「卒原発」の「日本未来の党」となる。
[2日 東京新聞]発送電 3年で分離 未来が「卒原発」工程表
日本未来の党(代表・嘉田(かだ)由紀子滋賀県知事)が掲げる十年後の「卒原発」に向けた工程表の骨子が一日、明らかになった。今後三年間を「原発と電力システムの混乱期」と位置付け、発電と送電の事業者を分ける発送電分離や電力会社の経営危機への対処など電力システム改革を集中的に断行。その後、競争のある電力市場の確立や再生可能エネルギーの普及により、原発からのエネルギー転換を完成させる。
原発停止に伴う電力会社の経営悪化には、料金値上げに相当する差額分を「交付国債」で給付する。交付国債は発送電分離の新規事業者が送電網を借りる際に支払う手数料「託送料」での回収を見込む。交付国債は政府が現金を支払う代わりに公的機関などに発行する無利子の国債。受け取り側は必要な時に換金できる。政府は請求があるまで現金を用意する必要がないため、発行段階では予算計上しなくて済む。
東京電力は電力供給と損害賠償、福島第一原発事故処理の三組織に法的整理する。
工程表は党代表代行の飯田哲也(てつなり)・環境エネルギー政策研究所長らが作成し、党の衆院選公認候補者に周知徹底を求めた。十年後に原発から「卒業」する手順を具体的に示し、他党と差別化を図る狙いがある。
「卒原発」の基本方針として、建設中の電源開発大間原発(青森県大間町)を含む原発の新増設を禁止するとともに、使用済み核燃料の総量規制、世界最高水準の規制体制と安全基準を構築すると規定。
今後三年間の「混乱期」を乗り切るため、原発廃炉や同県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の廃止に伴う地域への財政支援を実施する。
混乱期を経た後には、天然ガスなどによる分散型発電や再生可能エネルギーの普及を加速させ、節電や省エネによる効率化も併せて進める。
まず、護送船団方式で地域独占の電力会社体制を改革に示したのが、「東京電力は法的整理して電力供給、損害賠償、福島原発事故処理の3分割」である。
福島原発事故から1年9カ月になるが、野田政権の全ての誤りはここにあるのだ。
昨年末に世界に向けて、福島原発事故の収束宣言をしたが未だ放射能が出ている。
殿様商売の体質から被災者への損害賠償の保障が全くと言ってよいほど進まない。
身を切る改革を行わず関係の無い住民にまで電気料金の値上げへしわ寄せさせる。
おそらく1年9カ月でこの結果なので、いくら年月を重ねようと同じ結果だろう。
つまり、福島原発事故を収束させるため、損害賠償の保障を被災者へ速やかに行うため、身を切る改革を行うため、東京電力を法的整理しか手段がないのだ。
これにプラスして公約にある「福島原発事故の損害賠償金額の大幅引き上げ(20兆円規模)」が加われば、損害賠償も事故収束もスムーズに実行できよう。
そして、この法的整理後に残る新東京電力こそ電力改革の旗振り役となるのだ。
おそらくJAL方式を採用して優良事業と不採算事業に分割して、不採算事業に原発事業が入り各電力会社の指針となる廃炉作業を行うことになるだろう。
一方、優良事業の再生で徹底したコストカットと経営効率化することから、必要経費も予算も軽減が見込め総括原価方式で圧倒的な価格競争力が生まれる。
その結果、将来的に他の電力会社とは比較にならない電力料金に格差ができる。
ここに、電力料金の価格破壊を行う政策が加わり電気料金体制の改革に繋がる。
これが、総括原価方式の電気料金体制を改革に示した「電力会社の経営悪化には料金値上げに相当する差額分を「交付国債」で給付」という政策である。
この政策は、電気料金が現状のまま維持されて、これ以上の電気料金の値上げが無くなり、電気会社の電気料金の値上げ部分は全て国債で補うことを示している。
つまり、電力会社の経営が原発ゼロにより悪化し続ければ、徐々に国債保有量が増えていき、最終的に全ての電気会社が公的管理になることを示している。
この「値上げ相当分を交付国債で給付」の政策について、ここまでの見立て同様、ある経済学者が下記の記事で「電力自由化と真逆だ。何を考えてるのか」と浅はかな意見を述べているが全く見当違いも甚だしい。
参考記事:すべての電力会社を「東電状態」にする未来の党
おそらく日本維新の会の橋下代表代行も「仰る通り飯田さんの案は完全に論理矛盾」と述べていることから、この政策の真の意味を分かっていないのだろう。
電気料金を劇的に安くするには、全ての費用に利益を乗せる総括原価方式の電気料金体制において、何としても原発費用を分離しなければ不可能なのである。
原発稼動を続けて、さらに廃炉処理分を費用に上乗せするとなれば、電気料金が現在の数倍程度では済まなくなり、日本経済は立ち行かない事態となる。
それを回避するために、公的整理をして電力会社から原発事業を分離することで、先ほどの新東京電力の話と同様に徹底したコストカットと経営効率化することで再建を果たすことこそ、真の電力自由化に繋がるのだ。
電力自由化をしても発送電分離をしても、電力会社が送電会社として原発のお荷物を抱える限り、送電会社や新規に参入する企業にその影響が及ぶのである。
電力の自由競争は、原発のハンデキャップを背負ったままでは決して成立しない。
日本未来の党以外の政党の掲げる脱原発政策の全てが、このシナリオなのである。
おそらく各政党の脱原発が、国家国民のためということを第一義とせず、旧体制の維持を第一義にして、小手先だけの改革で事なきを得ようという政策なのだ。
「東京電力の公的整理」と「値上げ相当分を交付国債で給付」は抜本的な改革であると同時に、官僚機構や既存メディアや電力会社など原子力ムラを中心とする勢力から、強烈な抵抗やバッシングを受けるだろう。
しかし、国民に安全で安心で安価な電力を供給するにはこれしか手段がないのだ。
「卒原発」が実現できれば、国民の生活が向上して企業の経営が向上して新しい社会を構築することで、国家に大きな利益をもたらすことになるのである。
つまり、最終的に国家国民のために資する脱原発こそ「卒原発」となるのである。
政治とは「国家国民のため」という最終的なゴールを絶対に見失ってはいけない。
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