どのようなシュミレーションを講じても避難区域は、除染後も厳格な放射線管理が必要な生活を余儀なくされることが判明した。野田政権はこれでも多額の税金を投入し除染を行い安全とは言えないまま帰還を促すと言うのか。

放射能除染という巨額の利権ビジネスが蔓延っているため、たとえ放射能により新たな被曝者を生み出すリスクがあろうと否が応にも除染まず有りきで国民の生命を守ることが疎かになっていると言わざるを得ない。

[27日 NHK]除染モデル事業 効果まちまち
放射線量が高い福島県の避難区域で、放射性物質を取り除く除染の効果的な方法を探ろうと、国が進めているモデル事業の結果が公表され、宅地や森林などそれぞれの場所で一定の効果は見られる一方で、方法によっては効果が少ないケースもあり、国では効果を検証したうえで夏からの本格除染につなげたいとしています。

福島県の警戒区域と計画的避難区域は、国が直接、除染を行うことになっていて、効果的な方法を調べるためのモデル事業が各市町村ごとに去年から行われています。

26日は福島市内で報告会が開かれ、宅地や道路、森林、農地など土地の用途ごとに効果や課題が公表されました。

このうち、宅地では雨どいにたまったごみや土などを取り除くと、表面の放射性物質が最大で90%減らすことができるなど比較的高い効果があることが確認されました。

しかし、水による高圧洗浄の場合、セメント瓦やスレートの屋根では10%から30%ほどしか表面の放射性物質が減らず、十分な効果が見込めないことが分かりました。

道路では、路面の土やアスファルトを機械で削り取る場合に、表面の放射性物質が最大95%以上減らすことができるなど最も効果があると確認されましたが、一般的な高圧洗浄では最大でも50%程度しか放射性物質が減らなかったとしています。

また、森林の除染では、樹木の間の落ち葉や土を取り除くと、隣接する生活圏との境界部分で空間線量が40%ほど下がりましたが、境界から10メートル以上奥の地点で森林を除染しても、生活圏の空間線量の低下にはほとんど効果がないとしています。

さらに農地では、表面の土を取り除くと最大95%、表面と地中の土を入れ替えると最大で80%、表面の放射性物質を減らせたとしていますが、土を入れ替える場合の方が廃棄物が出ないため、より推奨されるとしています。国は効果を詳しく検証して、早ければ来月中にもモデル事業の最終報告書をまとめ、ことしの夏から始まる本格的な除染に生かしていく方針です。

除染と避難区域巡る課題は

放射線量が高い福島県の警戒区域や計画的避難区域の避難区域については、国が直接、除染を行うことになっていて、環境省は今月末をめどに行われる予定だった避難区域の見直しの方針に沿った除染の工程表をまとめています。

具体的には年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以下で、住民の早期帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」と、20ミリシーベルトを超え、50ミリシーベルト以下で引き続き住民に避難を求める「居住制限区域」で優先的に除染を行い、この2つの地域については平成26年3月末までに完了させるとしています。

モデル事業は、夏以降に本格的な除染を始めるのを前に、効果的な手法を探るためのものです。しかし、避難区域の見直しを巡る国と各自治体との調整は難航しており、ほとんどの市町村では見直しが来月以降にずれ込む見通しで、国が目指す除染のスケジュールに影響が出る懸念も出ています。

また、除染に欠かせない、汚染された土などを保管する中間貯蔵施設の設置場所を巡る地元自治体と国との協議も難航しています。

天下り法人である日本原子力研究開発機構が多額の税金と時間を要して行ってきた除染モデル事業でようやく結果が明らかにされた。

宅地や道路、森林、農地など土地の用途ごとの効果が示されているが、多く見積もって放射能を80%程度の除染が出来たと仮定しよう。

年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以下で住民の早期帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」では4ミリシーベルト以下となる。

しかし、0歳の子供が25歳になれば被ばく限度(累計100ミリシーベルト)を超えることになるので25年しか住めない土地となる。

さらに既存メディアが報じない森林の除染にかなり問題がある。

森林の除染(森林外縁から森林の10メートル奥部まで)
・落葉や腐葉土や表土は、除去することで空間線量率が除染前に比べて40%程度低下する効果がある。
・樹木は幹洗浄することで1%程度低下、枝打することで10-20%程度低下、伐倒することで程度50%低下する効果がある。

森林ではおそらく生活圏との境界から10メートル以上奥の森林は今回の結果から除染しないのだろうが雨の場合を考えてほしい。

雨が降れば除染していない奥地にある木々に付着している放射性物質が流れる。もちろん行く先は川であり除染した平地となろう。

つまり極論を言えば除染しても除染しても山の木々を全て伐採しない限りは放射線量が安全だと言えるレベルに下がらないのだ。

これは効果検証されたデータより導いた証明なので誰もができよう。そしてこの効果検証から導き出される解は一つしかない。

それは、国民の生命を守るため、現在の放射線量を測定し、広域避難地域を決定し、汚染地域を全て国が借り上げ補償することだ。

しかし、国は効果を検証して早ければ来月中にもモデル事業の最終報告書をまとめ、今年の夏から始まる本格的な除染に生かしていく方針だ。

最初から除染ありきの効果検証なのだ。野田政権は、やはり原発再稼動と同様除染でも原子力ムラとつるんでいるとしか考えられない。

そして今回は高速増殖炉「もんじゅ」の運営主体で曰く付きの日本原子力研究開発機構が除染利権の総本山となっている。

今回の除染モデル実証事業では年間被ばく線量が20ミリシーベルト超の高線量域12市町村で昨年11月~今年3月まで実施された。

国が第2次補正予算の予備費から除染モデル事業として日本原子力研究開発機構に委託したのは118億円となっていた。

みんなの党の渡辺代表の質問で文部科学省からヒアリングで明らかになったのだが、除染モデル事業の使途が下記となる。

除染採択(再委託)の費用が92億円であるのに実際の再委託は一市町村あたり6億円で12地域になるので72億円となっている。

つまり、118億円で委託業者の費用が72億円で残りの46億円が日本原子力研究開発機構が中間マージンとして貰っているのだ。

モニタリングや管理費など多少の経費が計上されたにせよ46億円も掠め取れるとは除染ビジネスは天下り法人の格好のターゲットだ。

さすが事故隠し重ねの動力炉・核燃料開発事業団の系譜で、税金泥棒の高速増殖炉「もんじゅ」で私腹を肥やした原子力ムラの中核組織だ。

一方、委託業者の費用72億円は下記の3グループに委託された。

・ 市町村グループ「A」担当を委託した代表企業が大成建設
「A」南相馬市、川俣町、浪江町、飯舘村
・ 市町村グループ「B」担当を委託した代表企業が鹿島建設
「B」田村市、双葉町、富岡町、葛尾村
・ 市町村グループ「C」担当を委託した代表企業が大林組
「C」広野町、大熊町、楢葉町、川内村

なぜこのスーパーゼネコンを含めた3グループに割り当てられているかと言えば、過去の原子力発電所の原子炉建屋の建設実績で多くが建設されているという実績から選ばれていると考えるのが妥当だろう。

原子力資料情報室によれば全国の全57基の原子炉建屋で大成建設が10基、鹿島が24基、大林組が11基の建設実績があるのだ。

委託業者にも強大な原子力ムラの力が垣間見えよう。

そして国の除染作業は、下記の合計3段階でまだ1段階目しか進んでいない。もちろん段階が進むに連れ予算も大きくなっていく。

(1)有効な除染方法のデータを集積する「モデル事業」
(2)資機材の保管場所や作業員の休憩所や役場の除染など「先行除染」
(3)警戒区域や計画的避難区域の「本格除染」

政府の12年度予算案では、除染などで4513億円が盛り込まれている。さらに13年度で計1兆円以上の除染関連費を見込む。

まず、この予算で2014年3月末までに放射線量を半分にする目標を立てている。そして長期的に年間1ミリシーベルト以下が目標だ。

土地や屋根まで含めて全てを1ミリシーベルト以下まで除染するとなると20~30年を要する試算もあり20~30兆円の予算となるのだ。

極めつけは「中間貯蔵施設」だ。すべての汚染土壌を収容する巨大ハコモノで双葉町、大熊町、楢葉町に3施設設置を提案している。

これに数十兆円かかることを考えれば除染とがれき処理と中間貯蔵施設を合わせてざっと100兆円超の予算規模となろう。

これほど巨額の予算を投じてまで低線量まで除染できるかわからない検証結果で、チェルノブイリ原発事故で除染をしたウクライナやベラルーシがコスト高で効果なしとの結果も出ているのに敢えて行う必要があるのか。

止めるためにはやはり原子力ムラを解体に導くしか手がない。そしてこれにはまず東京電力の解体が必要不可欠だろう。

現在、東京電力は総合計画の月内策定を見送った上に、国には追加支援8000億円を週内にも申請しようとしている。

国は不退転の決意で議決権を確保し一時的な国有化を行うべきだ。その上で民間に発送電を分割売却するのが最適となろう。

非難住民の心情的な部分で言えばアンケート調査で半数以上が帰還は望んでいるが6割以上が除染は期待していないと結果が出ている。

除染は意味のないことだということは住民も解っているのだ。つまり除染以外で住民のための支援策を考えるべきなのだ。

100兆円超の予算規模を投じるので汚染全地域の国による借り上げ補償も移転先の住宅確保も事故補償も行うことができよう。

これでは野田総理の「除染をしっかりすることが福島の再生につながる」との言葉が国民の生命を守るためではないことは明らかだ。

このままでは除染にがれき処理、原発再稼動、消費税増税と国民生活が第一ではなくなる。やはり延命させるわけにはいかない。




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