《これまでのお話》
ここで、マリア先生が問いかけてくれました。
「このときはそうだったかもしれないけれど、でも、今は違うよね? 自分がどうするかは、
自分で選んで決められるよね?」
催眠下で聞くと、すとんと心に入ってきて納得することが多いのですが、このときは、
いろんな気持ちや記憶が湧き上がってくるのを抑えられませんでした。
必死で抵抗したのに、力では敵わず襲われてしまった前世の女の子の気持ち。
叩かれるのがいやで抵抗したのに、全然状況を変えられなかった8歳の私の気持ち。
元夫や元姑に抵抗してみて、ますます辛い思いをした現世の私の気持ち。
赤ちゃんを連れて出たかったけれど、それも許されなかった前世の女の子の気持ち。
訴訟で必死の攻防しているのに、痛めつけられてばかりの現世の私の気持ち。
私は負けた側だからどうにもならないという井上内親王以前の人の気持ちらしきものまで
出てきました。
「結局どんなに抵抗しても無理」という考えに、心の奥深いところを掴まれているような
気もしました。
わかるんだけど・・・。わかるんだけど・・・。言われていることはわかるんだけど・・・。
いろんな気持ちが複雑に胸の中で渦巻き、言葉にできない思いが溢れてきて、涙へと
変わっていきました。
この頃の私は、催眠下でしか泣くことができませんでした。泣いて泣いて、泣き疲れるほど
泣いて、時々意識が遠のきそうになる中、何を言われていたのかは思い出せませんが、
ずっとずっとマリア先生の声を聴いていました。
この日、いっぱいいっぱい話しかけてもらったことを潜在意識は聴いていたと思います。
ですが、いつもは思い出せるのに、なぜかこの日、催眠から覚めた私が覚えていたのは、
「もう我慢はやめようね」ということだけでした。
マリア先生が、胸の中にある我慢の塊をえいっと取り出して、ポーンと捨ててくれました。
女の子は、今度こそ、天に還っていきました。
泣きすぎたせいか、霊がついているせいかはわかりませんでしたが、頭が割れそうなほど
痛くなっていました。
そして、この後、びっくりするほどたくさんの生霊と死んだ人を出してもらいました。